いつの時代も、猟奇的な殺人を犯すシリアルキラーは存在し、私たちの生活に黒い影を落とします。
そんなシリアルキラーたちの精神状態は、私たちの想像を優に超えた狂気と社会的な闇を抱えています。
そんな彼らの心理状態に触れることで、普段では味わえない刺激的な体験をすることができるでしょう。
そこで今回は、海外で実際に起きた殺人事件の犯人を描いた洋画を5つ紹介します。
事実であることが信じられないほど凄惨な事実に触れ、一味違った体験を味わってみましょう。
目次
アングスト/ 不安(Angst)
1980年に殺人鬼ヴェルナー・クニーセクにより引き起こされたアルトライター一家惨殺事件の様子を、犯人目線で映像化したクライムスリラー。
反社会的なストーリーと残虐性に満ち溢れた描写が問題となり、1983年に劇場公開されてからたった1週間のうちにヨーロッパ全土で上映禁止となりました。
1988年に日本でごく少数のレンタルVHSが出回ったものの、ほとんど鑑賞されることがなかったいわくつきの作品です。
シリアルキラー・Kの異常な精神状態と猟奇性を、斬新なカメラワークと中毒性のある音楽とともに描いています。
終始不安を感じさせるムードが漂いますが、独特の映像美から多くの映画監督や芸術家に影響を与えているカルト的傑作。
永遠に僕のもの(El Angel)
1971年アルゼンチンで12人以上が犠牲になった連続殺人事件の犯人カルロス・ロブレド・プッチの実話に基づいたクライム映画。
あまりにも美しい容姿から、犯人のカルロスは「 死の天使 」「 ブラックエンジェル 」という呼び名で有名になりました。
本作では、悪魔のような美貌を持つ少年が、己の欲望を満たすためだけに、殺人を含む数々の犯罪を犯す様子を妖艶かつ色鮮やかに描いています。
邪魔な存在だと判断した人間を容赦なく殺していき、その後は何事もなかったかのように過ごす美しきシリアルキラー。
「 生きているんだ、楽しまなきゃ 」と自由に生きる彼の姿は、狂気に満ち溢れていながらもどこか魅力的で、観客の心を引き込みます。
テッド・バンディ(Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile)
1970年代に30人以上を惨殺し「 シリアルキラー 」の語源となった殺人鬼として有名なテッド・バンディの半生を描いたクライムスリラー映画です。
容姿端麗で聡明なテッド・バンディは、表向きは数多の女性を虜にする魅力的な人物ですが、裏では女性たちを惨殺する凶悪殺人犯。
そんな彼が逮捕され、3度の死刑判決を下されるところから、ストーリーは大きく動きます。
彼の残虐性と唯一彼が殺せなかった恋人の目線から描いている作品です。
「 恋は盲目 」という言葉にあるように、連続殺人者であるテッドに魅了されていく様子には、カリスマ性は時に危険性を孕んでいることに気付かされます。
テッド・バンディを演じたのは「 ヘアスプレー 」「 グレイテスト・ショーマン 」で活躍したザック・エフロン。
ミュージカル映画などで活躍が多い、アイドル的存在だった彼の新たな一面がみられる作品です。
ジェフリー・ダーマー(Dahmer)
1978年から1991年にかけて、17人を惨殺し、その後、遺体を食べたとされる殺人鬼ジェフリー・ダーマーの生涯を描いた伝記的サスペンススリラー映画。
「 ミルウォーキーの食人鬼 」と呼ばれたジェフリー・ダーマーの残忍な犯罪手口と、狂気に満ち溢れた内面を描いています。
陰湿さが強調された映像のなかで、淡々とストーリーが展開され、観客を不安の渦に導きます。
ジェフリーの狂気を描く一方で、他人との関わり方が分からず苦しむ彼の様子にもスポットライトを当てていて、残酷でありながら切なさを感じる作品です。
ジェフリー・ダーマーを演じるのは「 アベンジャーズシリーズ 」などでお馴染みのジェレミー・レナー。
彼の怪演が、物語にさらなる深みを加えています。
屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(Der Goldene Handschuh)
1970年代に4人の女性を殺害した、ドイツの連続殺人鬼フリッツ・ホンカを描いたサイコサスペンス映画。
ハンブルクの安アパートの屋根裏部屋で生活するフリッツ・ホンカ。
一見無害に見える冴えない彼が、裏では凄惨な殺人を犯し、遺体をバラバラにして屋根裏に隠していたという衝撃の真実を描いていた衝撃作です。
容姿へのコンプレックスや重度のアルコール依存など数々の要因が、フリッツ・ホンカの殺人衝動を刺激していたことが、分かります。
二面性のある彼の人格に、思わず戦慄させられることでしょう。
ドイツのイケメン俳優ヨナス・ダスラーが、正反対のフリッツ・ホンカを見事に演じ切っています。
まとめ
今回は、海外で実際に起きた凄惨な殺人事件の犯人を描いた洋画を5本紹介しました。
どの作品も、事件の異常性やシリアルキラーの狂気を鮮明に描き、とても刺激的な作品ばかりです。
グロテスクなシーンが多く、苦手な方も多いかもしれませんが、興味があれば一度ぜひご覧ください。