【 実話映画5選 】偏見や迫害を乗り越えた人々の人生を描いた感動の名作
「 事実は小説よりも奇なり 」という言葉にあるように、過去には私たちの想像をはるかに超えるほど壮絶な出来事がありました。
それに伴い、あらゆる問題に直面しては解決を繰り返してきました。
しかし人類は、未だに解決できない問題を山ほど抱えています。
特に、人間同士の醜い争いや迫害、偏見問題は根強く残っており、現代も完全には解決していません。
今回は、こうした偏見や迫害を乗り越えた人々の実話をベースにした、映画史に残る感動の名作を5本紹介します。
紹介する作品はどれも強いメッセージが込められており、私たちの心を揺さぶるものばかりです。ぜひご覧ください。
グリーンブック(Green Book)
ジャマイカ系アメリカ人のピアニスト、ドン・ドクター・シャーリーと運転手兼ボディーガードのイタリア系アメリカ人のトニー・ヴァレロンがコンサートツアーで、
黒人差別の根強いアメリカ最南部を回った時のエピソードを題材にしたューマンドラマ。
本作は、第91回アカデミー賞で作品賞をはじめとする3部門を受賞。
人種差別が横行するアメリカで、各々生きにくさを感じている二人が、互いに理解しあいながら友情を深めていく、心温まるストーリーです。
互いを深く理解し尊重しあうことで、大きな壁を乗り越えた友情が芽生えることを教えてくれます。
最強のふたり(Intouchables)
事故による頚髄損傷で体が不自由な富豪フィリップと、その介護人となったスラム街出身のアフリカ系移民の青年ドリスの交流を描いたフランスのコメディドラマ。
この作品は、頚髄損傷で車生活をしている実在の富豪フィリップとその介護を担当しているアルジェリア系の青年アブデルとのエピソードを題材としています。
白人と黒人、大富豪と貧困移民、障害者と健常者という正反対の二人に、垣根を超えた友情が芽生えていきます。
人種や身分による偏見や嫌悪、嫉妬などを一切せず、互いに足りないものを補完しあう二人の関係性に心が洗われます。
自分にできないことや足りないものを嘆いたり、相手を妬むのではなく、相手に感謝し心からの幸せを願うことの美しさを教えてくれる作品です。
ドリーム(Hidden Figures)
1961年のNASAを舞台に、初の有人宇宙計画を陰で支えた3人の黒人女性スタッフに焦点を当てた伝記映画。
第89回アカデミー賞で、作品賞を含む3部門にノミネートされるなど、世界中で高評価を得た名作。
根強い黒人差別や男性主義社会の影響で、弱い立場にあった黒人女性たちが、自らの才能と実力で道を切り開き、歴史に残る宇宙計画の成功に貢献していく姿は、すべての人々に勇気を与えます。
どんな逆境や障害があったとしても、最後まで自分の夢を諦めずに努力することの大切さや、自分の努力や才能を見つけ出してくれる人は必ず現れることを教えてくれる1本です。
リリーのすべて(The Danish Girl)
1920年代後半から1930年代前半のデンマークを舞台に、世界初の性別適合手術を受け男性から女性へと性別を変えたリリー・エルベの半生を題材にした伝記映画。
当時は性同一性障害への理解がほとんどなく、異性愛や異性装を精神病とみなしていた時代。
自分の性自認の変化に激しく戸惑いながら、女性として生きるために大きな決断をするリリーと、愛する夫の突然の変化に悩みつつ、
自分らしく生きたいと願うリリーを支える妻デボラの関係性に、恋愛や夫婦愛などを超越した特別な愛について深く考えさせられます。
儚い儚いストーリー展開を通じて、愛する人の幸せを願い互いに支えあうことの大切さや、自分らしく生きることの喜びに気付かされる作品です。
それでも夜は明ける(12 Years a Slave)
1841年に誘拐され、奴隷として売られた自由黒人ソロモン・ノーサップの奴隷体験記がベースとなった歴史ドラマ映画です。
第86回アカデミー賞にて作品賞を含む3部門を受賞するなど、主要映画賞を総なめにした映画史に残る名作として愛されています。
12年間にも及ぶ壮絶な奴隷生活の模様が、奴隷制度の理不尽さと人種差別の愚かさを浮き彫りにするとともに、常人では計り知れない人間力を感じさせます。
壮絶な日々に心が打ちひしがれても、希望をあきらめずに生き続ければ、いつの日か必ず報われ、良い未来へとつながっていくことを教えてくれます。
まとめ
今回は、偏見や迫害を乗り越えた人々を描いた感動の実話映画を5本紹介しました。
壮絶な偏見や迫害の時代を懸命に生きてきた人々の姿は、私たちに自分らしく生きる勇気を与えてくれることでしょう。
現在、偏見や迫害問題を解決するため、政治や芸術の動きが活発になり、過渡期を迎えています。
そんな時代だからこそ、今回紹介した映画を鑑賞し、心を奮い立たせてみてはいかがでしょうか。