原点回帰かつ、始まりの終わり。
それはALPHAでありOMEGAである。
最高のスタートアップ。
またPART ONEとして、全てに於いてイントロダクションを貫く逆手的な攻めの作品。
イーサン・ハントの物語としてリブートされたM:Iシリーズ。
本作を観る前か?
観てからか?
過去シリーズ6作鑑賞で本作もPART TWOも深く楽しめ、感慨に浸れるだろう。

ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE

あらすじ
困難なミッションを成し遂げてきたイーサン・ハント(IMFエージェント)。彼に通達された次なるミッションは、人類の脅威となる兵器を敵から見つけ出すことだった。物語の結末はいかに。
原題
Mission: Impossible – Dead Reckoning Part One
公開日
2023年7月21日
上映時間
164分
予告編
キャスト
- クリストファー・マッカリー(監督)
- トム・クルーズ
- ヘイリー・アトウェル
- ヴィング・レイムス
- サイモン・ペッグ
- レベッカ・ファーガソン
- ヴァネッサ・カービー
- ポム・クレメンティエフ
- イーサイ・モラレス
- シェー・ウィガム
- ヘンリー・ツェニー
公式サイト
ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
先ず説明しよう。
M:Iシリーズは1966年からSeason7まで8年間放送されたテレビドラマのスパイ大作戦をリブートした映画シリーズである。
リメイクではない。
なぜならSeason2からIMFのリーダ(主人公)のジム・フェルプスこそが、映画M:Iの第1作目のイーサンの属するチームリーダーであったからだ。
この流れを念頭に、映画シリーズで起用される監督の配置もシリーズが現在も尚、輝かしく活き活きとした作品であることを明示している。
- ブライアン・デ・パルマ
- ジョン・ウー
- J・J・エイブラムス
- ブラッド・バード
- 5、6、7、8をクリストファー・マッカリー
この布陣の妙が素晴しい。
トム・クルーズの初プロデュースで始まったM:Iは1でストーリーテラーのベテラン。
2でアクションのベテラン監督を起用しシリーズの骨子を確立させた。
その後は、当時は若手の監督を起用していく。
特徴として彼等は、過去作品の軌跡を敬意と畏怖を持ち、上手に自身が指揮をとる作品にオマージュさせる能力に長けている。
4でイーサンが死を厭わないエージェントから、生きることを求めるエージェントにシフトさせた。
その「 生きる思い 」が、イーサンの任務遂行でのフィジカルだけでなく、深みのあるメンタルを持つリーダへと進化させている。
その構成を確立させた監督が、次作までを徹底的に創り込んでる制作の凄みが伝わって来る。
そして、本作での息もつかせぬ様に畳み掛けるアクションシーンの数々はM:Iシリーズだけでなく、過去の脱出や逃走系アクション作品の既視感を感じなかっただろうか?
詳細はネタバレになる為に伏せるが、この展開こそがオマージュの妙であり、模倣とは決して言わせない。
更に、M:Iファンの諸兄なら既に感じ取っているであろう音楽の配置が素晴しい。
ラロ・シフリン作曲のテーマ曲の使い方に本作の意図が顕著にあらわれていないか?
何故ならテーマ曲の冒頭部分(良くて中盤)しか使用していない。
終盤の締めのパートが一切演奏されない。
それこそが、本作PART ONEがPART TWOに向けたイントロダクションでしか無いことの証ではないだろうか。
本作で多くのワードとアイコンが配置された。
その記憶明確に記憶に留め置き、2024年の公開を刮目して待て!!
まとめ
翻訳の戸田奈津子の訳がITや哲学に弱い日本人は適訳なのだろうか?
「 それ 」
「 エンティティ(entity)」
一般的には「 実体 」として訳され、共通する概念を紐付けして1つの集合に纏めて名称化させ『実体』として認識を示す。
また「 構成体 」や「 存在 」とも表記する。
ここで、ターゲットとなる鍵の形状も加味すると八端十字を模した様に思えた。
八端十字はキリスト教の中でも東方正教会やロシア正教会に系統している。
この十字架とエンティティを関連付けると「 父と子と聖霊のみ名において(in the name of the Father, and of the Son, and of the Holy Spirit (Ghost)」の祝詞が頭をよぎった。
Holy Spirit ≒Ghost≒Entityに繋がるのか?
「 例によって、君もしくは君のメンバーがとらえられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、この録音は自動的に消滅する(消滅しません)」