俳優、監督として活躍中のエドワード・ノートン。
彼の卓越した演技力とこだわりの映画制作スタイルは、多くの映画ファンを魅了しています。
本記事では、ノートンの魅力とともに、おすすめの代表作を紹介していきます。
エドワード・ノートンとは?

幅広い役柄を演じるカメレオン俳優としての魅力
エドワード・ノートン(本名:エドワード・ハリソン・ノートン)は、映画ごとに全く異なるキャラクターを演じ分けるカメレオン俳優として知られています。
シリアスな役からユーモラスなキャラクターまで幅広くこなす姿を見るたびに、彼の新たな魅力を発見させられます。
シリアスな作品では、繊細な心理描写を表現する演技で観客の心を揺さぶり、コミカルな作品では軽快な演技を見せるなど、ノートンのアプローチは実に多彩です。
役ごとの細やかな変化を加えることでキャラクターにリアリティを与える演技は、多くの映画ファンや批評家から高い評価を受けています。
年を重ねるごとに増す渋み! 繊細さや知的さにプラスされる圧倒的存在感
エドワード・ノートンの魅力は、演技力の高さだけにとどまりません。
キャリア初期の数年間、ウエイターなどの仕事をしながら演技の道を模索し、1993年からシグネチャー・シアター・カンパニーに所属していたノートン。
多くの舞台で経験を積んだのち、1996年に2,000人以上のオーディションを勝ち抜き「 真実の行方 」(1996)のアーロン役に抜擢されて映画デビュー。
その後さまざまな映画で演技を磨き続け、ノートン独特の静かで知的な雰囲気や、時折見せるミステリアスな表情が多くの作品に深みを与えました。
年齢を重ねるごとに渋さや重厚感が増し、演じるキャラクターにさらなる奥行きをもたらしています。
知性と冷静さを兼ね備えたキャラクターが似合うのは、ノートンならでは!
決して派手ではないものの、繊細な表現と独特の色気は、個人的にもノートン最大の持ち味ではないかと思います。
渋みがさらに際立ってくる今後の作品にも、期待が高まります。
俳優だけでなく監督やプロデューサーとしての一面も
ノートンは俳優だけでなく、監督やプロデューサーとして映画制作にも取り組んでいます。
監督デビュー作は2000年公開の映画「 僕たちのアナ・バナナ 」。
2019年には19年ぶりに「 マザーレス・ブルックリン 」(2019)で監督を務めました。
脚本・主演も兼任し、映画作家としての才能も発揮しています。
この作品は1950年代のニューヨークを舞台にした探偵映画。
ノートンはトゥレット症候群を抱える探偵という難しい役を演じています。
俳優としての渋みに加え、映画作家としてのこだわりが加わったエドワード・ノートン。
彼の持つ知性やこだわりの強さは、映画制作においても大きな武器!
俳優としてはもちろん、映画監督としてもさらに活躍の場を広げていくことでしょう。
絶対見ておきたい作品はこれ!
- 真実の行方(1996)
- レッド・ドラゴン(2002)
- マザーレス・ブルックリン(2019)
真実の行方(1996)

原題(英題)
Primal Fear
公開日
1996年11月2日
上映時間
131分
キャスト
- グレゴリー・ホブリット(監督)
- リチャード・ギア
- ローラ・リニー
- ジョン・マホーニー
- アルフレ・ウッダード
- フランシス・マクドーマンド
- エドワード・ノートン
- テリー・オクィン
- Andre Brauer
- スティーブン・バウアー
- Joe Spano
- トニー・プラナ
- スタンリー・アンダーソン
- モーラ・ティアニー
- ジョン・セダ
コメント
ノートンの作品をいくつか見たあとに、デビュー作だと聞いて鑑賞し、圧巻の演技に度肝を抜かれた作品!
ベストセラー作家ウィリアム・ディールの人気小説を原作に、リチャード・ギアが演じる野心的な弁護士が難解な事件に挑む法廷サスペンス。
事件の背後に隠された真実を巡り、スリリングな展開が続く物語です。
この映画でノートンが演じたのは、事件の容疑者として逮捕された青年アーロン・スタンプラー。
当時無名だったノートンは、この役を獲得するために2,000人以上が参加したオーディションを勝ち抜きました。
アーロンは、内気で繊細な青年という印象ながらも、物語が進むにつれてさまざまな表情を見せる難役。
しかし、ノートンの演技はデビュー作とは思えないほどの完成度を誇り、この作品でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞助演男優賞(映画部門)を受賞。
その後のキャリアを決定付けるブレイク作となりました。
物語はスピーディーに展開し、一瞬たりとも目が離せません。
スリリングな法廷劇と、ノートンの圧巻の演技が絡み合い、最後まで見る者を引き込むこと間違いなし!
個人的にも鑑賞後、なぜ今まで見なかったんだろう(涙)と後悔した作品です。
レッド・ドラゴン(2002)

原題
Red Dragon
公開日
2003年2月8日
上映時間
125分
キャスト
- ブレット・ラトナー(監督)
- アンソニー・ホプキンス
- エドワード・ノートン
- レイフ・ファインズ
- エミリー・ワトソン
- フィリップ・シーモア・ホフマン
- メアリー=ルイーズ・パーカー
- ハーベイ・カイテル
コメント
個人的に、ノートンの作品の中で彼の繊細な表現や知的な雰囲気が一番光っていると感じる大好きな作品。
トマス・ハリスの小説「 レッド・ドラゴン 」を原作とし、大ヒット作「 羊たちの沈黙 」(1991)に登場したハンニバル・レクター博士を描いたシリーズの前日譚にあたる物語です。
ノートンが演じたウィル・グレアムは異常犯罪捜査のスペシャリストで、かつてハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)を逮捕した過去を持つ人物。
FBIを引退していた彼が、レイフ・ファインズ演じる連続殺人鬼「 Tooth Fairy(噛みつき魔) 」を新たに追うことになります。
ウィル・グレアムは非常に頭脳明晰で冷静な人物ですが、殺人鬼の思考に深く入り込みすぎてしまうという危うさを持つ一面も。
派手なアクションではなく、心理戦をメインとしたストーリーの中で、ノートンならではの繊細で知的な演技が際立っています。
緊張感ある展開と、豪華俳優陣の競演は見応え抜群!
物語性の高いサイコスリラー好きにはたまらない一作です。
マザーレス・ブルックリン(2019)

原題
Motherless Brooklyn
公開日
2020年1月10日
上映時間
144分
キャスト
- エドワード・ノートン(監督)
- エドワード・ノートン
- ブルース・ウィリス
- ググ・バサ=ロー
- アレック・ボールドウィン
- ウィレム・デフォー
- ボビー・カナベイル
- チェリー・ジョーンズ
- マイケル・ケネス・ウィリアムズ
- レスリー・マン
- イーサン・サプリー
- ダラス・ロバーツ
- ジョシュ・パイス
- ロバート・レイ・ウィズダム
- フィッシャー・スティーブンス
コメント
ジョナサン・レセムの同名小説を映画化した作品。
ノートンは本作の監督・脚本・主演を兼任しています。
物語の舞台を1990年代から1950年代のニューヨークに変更し、クラシカルな雰囲気を色濃く反映させています。
ノートンは20年近くにわたり映画化を構想していたと言われており、彼のこだわりが詰まった作品です。
本作の特徴は、1950年代ニューヨークを舞台にしたオールドスクールなフィルム・ノワールの雰囲気。
ジャズが流れるバー、煙草と雨の似合う暗い街角、影を強調した映像美が、昔ながらの探偵映画のスタイルを彷彿とさせるなんともおしゃれな印象!
ノートンは、トゥレット症候群を持つ主人公を演じるにあたり、細かい動作や話し方を徹底的に研究したのだそう。
また、社会問題を織り交ぜたストーリーにも深みがあり、単なる探偵ものにとどまらない社会派サスペンスとしての側面も持っています。
物語の展開はじっくり進むタイプですが、レトロな雰囲気や映像の美しさ、ノートンの演技に引き込まれます。
「 真実の行方 」や「 レッド・ドラゴン 」とはまた違った、渋みのあるノートンの魅力を堪能できる作品です。

文・ライター:山中麻衣
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