今回は、エドワード・ノートンが20年ぶりに監督を務めた「 マザーレス・ブルックリン 」についてご紹介したいと思います。
監督・製作・脚本・主演を務めたエドワード・ノートンが手がけた作品は、1957年のNYを舞台にした探偵物語になっていました。
フィルム・ノワールを彷彿させるこの作品は、心地よいジャズと暗い雰囲気によってゆっくり流れる落ち着いた時間を感じることができます。
謎解きミステリーと1957年のNYの世界観が見事にマッチしたどこか懐かしさを感じる映画です。
マザーレス・ブルックリン
あらすじ
自分の意志とは関係なく突然意味不明な言動をしてしまう障害に苦しみながらも、驚異的な記憶力で私立探偵として活躍する男。殺された恩人の死の真相を探り始めた彼は、ブルックリンの深い闇に足を踏み入れていく。
公開日
2020年1月10日
上映時間
144分
キャスト
- エドワート・ノートン(監督)
- ブルース・ウィリス
- ググ・バサ=ロー
- アレック・ボールドウィン
- ウィレム・デフォー
予告編
公式サイト
考察・感想レビュー
好きだった点
主人公の探偵はトゥレット症候群という障害を抱えています。
ゆっくりと静かでどこか薄暗い世界で進む物語を突然壊すのは主人公の言葉です。
言ってはいけないと思えば思うほど汚い言葉を口にしてしまう主人公。
突然発せられる主人公の言葉が物語の空気を一瞬変えるという展開が面白く、淡々となりがちなストーリーに刺激を与えているように感じました。
嫌いだった点
懐かしさのある映画だったのですが、唯一残念だったのはスローテンポのあまり上映時間が長かったことです。
ゆっくり流れる時間は気持ちいいのですが、もう少しリズミカルに物語を展開していってもいいのかなと思いました。
フィルム・ノワールの世界にこだわったからだと思いますが、単純に「長いな」と感じてしまいました。
見どころ
「 マザーレス・ブルックリン 」を見ていると、すぐに1957年のNYの世界に引き込まれてしまいます。
それはその徹底した世界観作りにありました。
目覚ましい発展を遂げようとしている輝かしいNYなのに、描き出される街並みはハーレムだったりと薄汚れた街並みです。
また白人と黒人がともに暮らしている中で、まだまだ根強く残っている人種差別も描かれます。
陰と陽という対照的なものを映し出すことで、この時代の混沌とした感じがダイレクトに伝わってきました。
さらにそこにジャズが加わり、懐かしい雰囲気と切なさがプラスされます。
そんな暗く落ち着いた背景の中で繰り広げられるミステリーにどんどんハマってしまい、気がつけば主人公のライオネルと共に謎解きをしていました。
この時代のフィルム・ノワールが大好きな方は、背景や設定に引き込まれてしまうはずです。
まとめ
エドワード・ノートンが作りたい世界が詰まった作品「マザーレス・ブルックリン」
1957年のNYが見事に再現されていて、その中で起こる謎解きミステリーに引き込まれてしまう映画です。
ジャズの美しい音楽も薄暗い世界と合っていて映画を引き立てていました。
エドワード・ノートンの新しい境地を見ることができるので、ノワールの世界観が好きな方にはオススメの作品です。