世界で最も安全な国という呼び声の高い日本。凶悪犯罪とは無縁だと思われている日本ですが、私たちの想像を優に超える悲惨な事件がたくさん発生しています。
そこで今回は、日本で起きたエグすぎる事件に基づいた邦画を5つ紹介します。
作品に触れることで、日本のはびこる身近な闇を感じることができるかもしれません。
愛なき森で叫べ
2002年に発覚した北九州監禁殺人事件に基づいた、クライムスリラー映画。
元となった事件は、犯人の男が一家を洗脳し、マインドコントロール下のもとお互いを殺し合わせたという衝撃的な事件内容が話題となりました。
本作は「 愛のむきだし 」「 冷たい熱帯魚 」などを手掛けた園子温監督Netflixオリジナル作品です。
園子温作品ならではの生々しいエロ・グロ・バイオレンスを凝縮し、理不尽な暴力の犠牲となる登場人物を描いています。
至って普通の人間が、洗脳により家族に手を掛ける殺人犯となる姿に、思わず戦慄することでしょう。
一方で、これまでの園子温作品のセルフオマージュが数々散りばめられており、往年の園子温ファンにはたまらない1本です。
全員死刑
2004年に発生した大牟田4人殺害事件がベースとなっているバイオレンス映画。
この事件は、借金に苦しんでいた暴力団一家により闇金融業者一家3人と長男の友人が犠牲となり、犯人一家の身勝手さが話題となりました。
主人公は、借金苦から家族を救うために事件の実行犯となった暴力団一家の次男です。
主人公の「 家族を守りたい 」という気持ちが強くなるほどに、暴力に更に拍車が掛かっていき、みるみるうちに狂っていく様子が鮮明に描かれています。
バイオレンス名ストーリーの中に点在するコメディ要素が、より本作のぶっ飛び具合を引き立てます。
主演は数々のドラマや映画で活躍する間宮祥太郎。
彼の威圧的で狂気を感じる演技は、観客を震え上がらせました。
ヒーローショー
2006年の東大阪集団暴行殺人事件を題材とした青春バイオレンス映画。
女性との交際関係がきっかけとなったこの事件は、2人を9人でリンチしたあげく生き埋めにしたという内容で人々に衝撃を与えました。
ヒーローショー出演のバイトで食いつなぐ若者たち。
一人の男が彼女を寝取られたことによりフラストレーションを起こし、彼らの関係性に修復不能な溝が生まれ、後戻りできなくなるストーリーとなっています。
物語が進行するにつれ、登場人物たちの狂気や暴力性が膨大し、作品のムードを圧迫します。
「 ヒーロー 」とは真逆の悪意や欲望に満ちた、自己中心的な自分の存在に葛藤する主人公の心理描写には、深く考えさせられることでしょう。
監督は「 岸和田少年愚連隊 」「 パッチギ!」など数多くの日本映画を輩出した井筒和幸。
お笑いコンビ・ジャルジャルの2人をW主演に起用する絶妙なキャスティングも話題となりました。
楽園
綾野剛、杉咲花、佐藤浩市など豪華俳優陣が集結した本作は、1979年から次々に発生した北関東連続少女誘拐殺人事件がベースとなっているサスペンスドラマ映画。
日本中を震撼させたこの事件は、未だに犯人が逮捕されていません。
本作は、未解決となっていた女児誘拐事件から12年後に、同じ場所でまた女児が行方不明になるところからストーリーが展開されます。
被害者の家族や親友などの悲しみや、周囲の人間に募らせる疑念の気持ちなどを重点的に描き、限界集落での社会的な闇や集団心理の恐ろしさを浮き彫りにしています。
主演の綾野剛の演技はとても繊細で、人々の記憶に深く刻まれるほどの名演です。
丑三つの村
1938年に発生した津山事件を題材にしたサスペンススリラー映画。
この事件は、集落で村八分にされた男が、30人もの村人を殺害したという事件で、日本史上最悪の大量殺人事件として知られています。
集落一の秀才と呼ばれた男が、結核をきっかけに村八分となり、次第に憎しみの感情を募らせていきます。
物語終盤の復讐劇は狂気に満ちあふれ、観客の恐怖を煽るバイオレンスなシーンです。
一方で村人に虐げられ抑制された主人公が憎悪の気持ちを爆発させるシーンでもあるため、どこか解放感を感じさせる不思議な雰囲気が漂います。
主演の古尾谷雅人の鬼気迫る怪演は、観客の心に深いトラウマを刻むほど戦慄させる名演です。
まとめ
今回は、日本で実際に起きた事件に基づいた映画を5本紹介しました。
比較的治安の良いと言われている日本であっても、このように猟奇的で不可解な事件が数多く発生しています。
中には日本社会の闇が引き金となり、一言で片付けることができない事件もたくさんあります。
ぜひ今回紹介した作品を観て、日本の闇を垣間見てはいかがでしょうか。