ユニークな設定は興味深いが、予定調和が気になるおとぎ話。
しかし、恋愛映画ではなく、家族映画として見ると興味深い一作。
アバウト・ライフ 幸せの選択肢

あらすじ
結婚生活に悩む2組の熟年カップルと、結婚観のすれ違いに悩む若いカップル。偶然にも出会った3組が、予想外なストーリーを織りなしていく。
原題
Maybe I Do
公開日
2024年3月8日
上映時間
95分
予告編
キャスト
- マイケル・ジェイコブス(監督)
- ダイアン・キートン
- リチャード・ギア
- エマ・ロバーツ
- ルーク・ブレイシー
- ウィリアム・H・メイシー
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー

男女のやり取りの中にあるユーモアや気障な態度は流石だと感じます。
英語であり、かつ豪華な俳優陣だからこその説得力を感じました。
特に、壁の薄いアパートでカップルが口論をしている時に、隣人から最初は「 うるさい!」とクレームが入るものの、壁越しに理由を説明したら、
隣人が「 そりゃとんだクズ男だ!」と女性側の味方をするシーンは秀逸だったと思います。
結婚をしぶるカップルの両親同士がダブル不倫をしていたという設定はユニークなのですが、その割に目新しい考えや意外な展開などはなく、
結局何もなかったかのようにカップルは結婚する、というハッピーエンドは少し薄っぺらく感じてしまいます。
リチャード・ギアやダイアン・キートンといった豪華な俳優を使い、ひとつひとつに大層お金がかかっているであろう豪勢なセットで撮っているのに、もったいなく感じました。
概ね舞台は緑豊かな住宅街(カップルの互いの実家)でありながら、マンハッタンの夜景が所々に入るのにも違和感がありました。
「 キラキラしたイメージを映しておけば映画として魅力的だろう?」と言わんばかりの演出には、ちょっと賛同しがたかったです。
結婚を渋っているカップルの男性側は、あまり幸せそうに見えない自分の両親を、結婚を夢見る女性側は、幸せそうな自分の両親を見て、それぞれの結婚に対するイメージや考え方を育んでいると感じます。
それは人生に対して楽観的か悲観的かをも左右しかねないようです。
子どもが「 両親が愛し合っている 」という姿を見ることは、すなわち、子ども自身に愛情が注がれているということなのかもしれないと思いました。
それが女性側の前向きさや、自分を尊重しない者に対する毅然とした態度に直結していると感じました。
まとめ
もしかしたら、この作品は、一見ラブストーリーに見せかけて実は「 両親が子どもに与える影響はあまりにも大きい 」という親子関係の事実が裏テーマになっているのかもしれないと思いました。