累計世界興行収入が2兆円を超えるモンスター企業、マーベル。
エンドゲームは、MCUシリーズ集大成にして最高傑作で幕を閉じました。
そんな大人気のMCUシリーズですが、それ以前のマーベルキャラクターの映画化作品は、意外と知られていないのではないでしょうか。
今では自社の映画制作会社を保有し、大ヒット映画を世に送り出しているマーベルですが、
当初はスーパーマン、バットマンのような大ヒット作品はなく、倒産の危機に追い込まれた過去も。
果たしてマーベルはどのように窮地を脱却したのでしょうか。
今回は、そんなDCコミックスの先駆け作品の紹介を含め、MCU以前のマーベルの歴史にフォーカスしていきます。
そもそもMCUとの違いとは?
まず、MCUについて。
MCUとは「 Marvel Cinematic Universe 」の略で、マーベル・スタジオが自らマーベル・コミックを映像化して制作した作品群のこと。
2008年公開の「 アイアンマン 」から始まったシリーズのことを指します。
スパイダーマンやウルヴァリンなどの人気キャラクターを持ちながら、かつてマーベル・コミックは、売り上げ不振で経営危機に陥りました。
その解決策として、当時あまり知られていなかった「 アイアンマン 」を自社で映画化することを決断。
世間からの期待は決して大きいとはいえなかったものの、 マーベルはキャラクターの描き方やストーリー展開にこだわり、
自社制作だからこそできる、細部まで徹底した作品を制作。
その結果、「 アイアンマン 」は大ヒットし、MCUの華々しいスタートを切りました。
本記事では、その「 アイアンマン 」以前の作品の歴史について見ていきます。
不発に終わってしまった作品もありますが、だからといってスルーするのはもったいない!
ということで、さっそく見ていきましょう。
【DC作品】スーパーマン

公開日
1979年6月23日
上映時間
135分
キャスト
- リチャード・ドナー(監督)
- クリストファー・リーヴ
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
【DC作品】バットマン

公開日
1989年12月2日
上映時間
127分
キャスト
- ティム・バートン(監督)
- マイケル・キートン
- ジャック・ニコルソン
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
マーブルに下った天罰とは?

有望株、トッド・マクファーレンによるイメージコミックス設立
1990年代前半、映画事業とは対照的に、マーベルのコミックス事業は絶好調でした。
1991年創刊X-MEN第1号は、アメリカ国内で800万部近くの売り上げを記録。
ここもマーベルの営業がうまかった。
創刊されたX-MEN第1号の表紙は全部で5種類あり、全ての表紙を合わせることで1つの絵になるなるという仕掛けでした。
当然コミックスファンは、中身が同じ本を表紙を揃えるため、5種類購入するわけです。
ファンに同じ本を5種類も買わせて、売り上げ部数を稼いでいたマーベル。
思わず「 ヤクザじゃねえか 」とツッコミをいれたくなりますが。
コアなファンの間では、いずれ購入したコミックスの価格が高騰すると予想されていました。
1990年代前半のアメコミはまさにコミックバブルの時代。
ある日、調子に乗りまくっていたマーベルに天罰が下ります。
以前の「 トッド・マクファーレンとスポーン 」で紹介したイメージコミックスのお話に戻ります。
マーベルの若手コミックス作家たちは、自分たちが作り上げたキャラクターが爆売れしても、利益の多くをマーベルに持っていかれていました。
当然のように不満分子が出てきます。
「 もっと売り上げの分け前くれよ!」状態だったわけです。
その代表的な人物がトッド・マクファーレンといった有望株の若手コミックス作家でした。
彼らの不満が爆発し、マーベルに所属していたトッド・マクファーレンをはじめとした若手作家は、マーベルを離脱してイメージ・コミックスという会社を設立します。
マーベルの株価は急落することになります。
人材育成は大事ですね。
自社の有望な人材のほとんどを失ったマーベル。
普通は反省しますよね?
調子に乗りまくっていたマーベル社は、反省すらしなかった。
そんなものはお構いなしに、トレーディングカード会社や玩具会社を買収しあらゆる事業を継続した結果。
どうなったと思いますか?
最終的には大量の在庫を抱えて、アメリカ全土のコミックスショップでは倒産が相次ぎ、マーベルは借金地獄と化しました。
自業自得ですね。
そして1996年。
とうとう「 ヤベエ。これは尋常じゃなくヤベエ。ヤベエじゃねえかこれは!」と言って裁判所に破産申告を申し立てます。
マーベルが瀕死状態になった瞬間でした。
残りHP1状態です。
ストリート・ファイターでいうと弱パンチ1発でKO状態に陥ったのでした。
ブレイド(1998)

公開日
1999年5月22日
上映時間
120分
キャスト
- スティーヴン・ノリントン(監督)
- ウェズリー・スナイプス
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
コメント
DCコミックスのように、大ヒット映画に恵まれていなかったマーベル。
どれもスーパーマンやバットマンのように、会社の業績を左右するほどのヒットはせず。
落ちるところまで落ちたマーベル。
でも、底まで落ちたなら、あとは上がるだけです。
ブラックホールの闇に堕ちたマーベルに救世主が現れます。
主人公は、吸血鬼のヒーロー。
ブレイドは、マーベル原作のキャラクターです。
敵の吸血鬼をウェズリースナイプスが切って切りまくるだけのアクション映画です 。
最終的に、制作費4000万ドルのこの映画は世界で1億3000万ドルの大ヒット。
マーベル社にとって、記念すべき大ヒット映画の第1号は、救世主ブレイドなのです。
ちなみに、当時のマーベルはブレイドの映画権を手放していたため、ブレイドの大ヒットでマーベルが稼いだ収益は2万5000ドルのみだったと言われています。
救世主ブレイドは利益をもたらしたというよりも、マーベルブランドを世間に広めたという意味合いが強かったですね。
エックスメン(2000)

公開日
2000年10月7日
上映時間
104分
キャスト
- ブライアン・シンガー(監督)
- ヒュー・ジャックマン
- パトリック・スチュワート
- イアン・マッケラン
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
X-MENシリーズ(まとめ)
コメント
映画製作をしていなかったのかと思いきや、マーベルは3本の映画を公開しました。
キャプテン・アメリカ、ファンタスティック・フォー、パニッシャー。
ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリー、パトリック・スチュワートらが出演。
全世界興行収入で約3億ドルを記録。
デア・デビル(2003)

公開日
2003年4月5日
上映時間
103分
キャスト
- マーク・スティーヴン・ジョンソン(監督)
- ベン・アフレック
- コリン・ファレル
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
コメント
デア・デビルは、スタン・リー原作のキャラクターとして1964年に登場。
1980年代、フランク・ミラーによって人気に火が付いたキャラクターです。
X-MEN2(2003)

公開日
2003年5月3日
上映時間
135分
キャスト
- ブライアン・シンガー(監督)
- ヒュー・ジャックマン
- パトリック・スチュワート
- イアン・マッケラン
- ハル・ベリー
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
ファンタスティック・フォー(2005)

公開日
2005年9月17日
上映時間
110分
キャスト
- ティム・ストーリー(監督)
- クリス・エヴァンス
- ジェシカ・アルバ
- ヨアン・グリフィズ
- ジュリアン・マクマホン
- マイケル・チクリス
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
コメント
マーベルコミックス原作の映画はコンスタントに公開されるようになります。
「 デア・デビル 」「 ファンタスティック・フォー 」も評価はイマイチでしたが、興行的には成功を収めています。
マーベルにとって救世主のブレイドは大ヒットを記録しました。
ブレイドの件もありマーベルの中では、映画製作について変革を求める声が次第に増えていきます。
その中には、現マーベルスタジオズ社長ケヴィン・ファイギの姿がありました。
彼はのちのマーベルスタジオズを牽引することになる重要人物です。
スパイダーマン(2002)

公開日
2002年5月11日
上映時間
121分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- トビー・マグワイア
- キルスティン・ダンスト
- ウィレム・デフォー
予告編
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
コメント
倒産の危機から立ち直ったマーベルを勢いづける映画が公開されます。
スパイダーマンは、世界中でブレイドやX-MENを超える凄まじい大ヒットを記録しました。
X-MENの実写化までに13年もの歳月を要しましたが、スパイダーマン実写化はなんと、それを上回る17年!
なぜここまで時間がかかったのでしょうか。
それは、1985年にキャノン・フィルムズがマーベルからスパイダーマンの映画権利を獲得していたことが大きな要因でした。
スパイダーマンの映画権利は、 下記の通り。
- キャノン・フィルムズ
- カロルコ・ピクチャーズ
- MGM(メトロ・ゴールドウィン・メイヤー)
- コロンビア・ピクチャーズ
1〜4の順に映画権利が移り変わります。
映画「 スパイダーマン 」の監督を務めたのがサム・ライミ。
彼は超が付くほどのコミックスファンで、いわゆるアメコミオタク。
アメコミを知り尽くした人物でした。
「 大いなる力には大いなる責任が伴う 」というフレーズはスパイダーマンでは有名ですよね。
サム・ライミは、原作を忠実に再現。
やはり、アメコミ映画はアメコミを熟知している人物が担当するべきだと思いますね。
当然のように続編も製作され、スパイダーマン2が公開。
スパイダーマン2(2004)

公開日
2004年7月10日
上映時間
127分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- トビー・マグワイア
- キルスティン・ダンスト
- ジェームズ・フランコ
予告編
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
スパイダーマン3(2007)

公開日
2007年5月1日
上映時間
139分
キャスト
- サム・ライミ(監督)
- トビー・マグワイア
- キルスティン・ダンスト
- ジェームズ・フランコ
予告編
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
コメント
パート3はイマイチでしたね。
こうして振り返ってみると倒産危機からサム・ライミ版スパイダーマンシリーズまでの復活劇が見えてきます。
まとめ
【 マーベル映画 】順番と時系列を解説、MCUフェーズ5、6はマルチバース・サーガへと続く
現在のマーベルを形成したのは間違いなくブレイドから始まった下記の作品群です。
とりわけ、スパイダーマンの貢献度はかなり大きい。
マーベルを勢いづけたといっても過言ではないでしょう。
- ブレイド
- X-MEN
- デア・デビル
- X-MEN2
- ファンタスティック・フォー
- スパイダーマン
- スパイダーマン2
- スパイダーマン
マーベルの歴史を知ることは大切です。
MCUシリーズもおすすめですよ。