前作「 ブラックパンサー 」は、大絶賛を受けた名作でした。
ところが、突然の主役ブラックパンサー演じるチャドウィック・ボーズマンの訃報。
今作では、彼の遺志がどのように受け継がれるのでしょうか?
ブラックパンサー ワカンダフォーエバー
あらすじ
公開日
2022年11月11日
原題
Black Panther: Wakanda Forever
上映時間
161分
キャスト
- ライアン・クーグラー(監督)
- レティーシャ・ライト
- ルピタ・ニョンゴ
- ダナイ・グリラ
- ウィンストン・デューク
- フローレンス・カサンバ
- ドミニク・ソーン
- ミカエラ・コール
- テノッチ・ウエルタ・メヒア
- マーティン・フリーマン
- ジュリア・ルイス=ドレイファス
- アンジェラ・バセット
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
おなじみのMARVELロゴが登場するオープニング。
例の音楽は鳴りひびかず、無音で彼の在りし日の姿が映写されます。
チャドウィック(ティ・チャラ王)はもういないんだ。
今作は彼の追悼作品になるんだなと感じました。
前作と監督とメインキャストもほぼ同じ。
国王であり守護者であったブラックパンサーの突然の死に、ワカンダ全土が悲しみに包まれます。
そして、ワカンダ流の盛大な葬儀で彼を送り出すところから、物語は進み始めます。
演技ではなくキャストと観客が一体となって、家族の死を受け入れ、乗り越えていくというイニシエーションとして機能していました。
チャーミングで凛々しかったチャドウィックは、もう現世にはいません。
シリーズの主役が途中で亡くなるというケースは、「 ワイルドスピード 」シリーズのブライアン(ポール・ウォーカー)がそうでした。
ワイスピでは、代役(兄弟)を登場させたり、まだブライアンが作中では生きているという設定で、ヒーローの不在を乗り越えました。
しかし、今作では、代役を立てずCGも用いず、ヒーローの不在を受け入れるという選択をしました。
ティ・チャラ(チャドウィック)の代わりは、彼以外にいないのです。
今作のテーマの1つは、戦争。
戦争に正義も悪もありません。
立つ位置によって、どちらにも変わります。
ワカンダ王国と対峙することになる、敵国の王もマーベル最古のヒーロー。
どちら側にも、戦争の最中、守るべき国民たちが、日常を暮らしています。
海、陸、空を駆けめぐる戦闘シーンの迫力は、もの凄かったですが、一方が相手を屈服させるのが戦争だとすれば、果てしなく続く報復の世界が待ち受けているのでしょう。
ビアス「 悪魔の辞典 」の言葉が浮かび、悲しくなりました。
それでも映画が現代の映し絵だとしたら、新ブラックパンサーの決断に希望を見いだすことができるでしょう。
「 愚者は壁を築き、賢者は橋を架ける 」
まとめ
チャドウィックの意志は、正しくワカンダ王国に継承されました。
エンドロールは必見。
新ブラックパンサーと、ワカンダの、これからに注目ですね。