文・ライター:@キングギドラ
1976年に公開された「 犬神家の一族 」は大ヒットし、数々の作品に影響を与えました。
この作品を機に、石坂浩二版の金田一シリーズは70年代を代表する東宝の看板映画となった。
最も有名な金田一を演じた役者の1人、石坂浩二版のシリーズがヒットする以前から、東宝は金田一を世に送り出していました。
今回は1950年代にまで時代を遡り、東宝が制作した金田一シリーズを紹介していきます。
金田一シリーズに興味はあるけれど、どの作品から観賞すれば良いのか分からない。
そんな方の参考になれば幸いです。
【 東宝版 】金田一シリーズの見る順番(公開順)
- 幽霊男(1954)
- 吸血蛾(1956)
- 犬神家の一族(1976)
- 悪魔の手毬唄(1977)
- 獄門島(1977)
- 女王蜂(1978)
- 病院坂の首縊りの家(1979)
- 八つ墓村(1996)
- 犬神家の一族(2006)
金田一の代表的なシリーズとなる石坂浩二版が公開される前、東宝は2作の怪奇ミステリー映画を制作。
そのどちらも、金田一の服装や性格は原作とは異なり、タキシード姿というクールな印象です。
1976年に公開された「 犬神家の一族 」から始まる金田一シリーズ。
1996年に原作の金田一シリーズの中でも、特に有名なエピソード「 八つ墓村 」が公開されました。
そして、2006年に「 犬神家の一族 」のリメイク版を公開。
東宝は1954年 〜 2006年にかけて、4人の金田一を世に送り出しました。
現在では主流となっているボサボサ頭に袴という原作に忠実な金田一像は、東宝が「 犬神家の一族 」で初めてスクリーンに登場させたのです。
公開順に観ることによって、金田一や日本映画の変遷を感じ取ることができます。
第1作目「 幽霊男 」
ストーリー
幽霊男と自称する謎の人物による連続殺人事件が発生。
ターゲットとなったのは、モデルの女性ばかりだった。
事件現場に駆けつけた名探偵・金田一耕助は、幽霊男が残した「 次の犯行予告 」を発見。
金田一はその犯行予告の謎を解き明かし、幽霊男を止めることができるのか。
キャスト
- 小田基義(監督)
- 河津清三郎(主人公:金田一耕助)
- 清水元(警部:等々力大志)
- 田中春男(猟奇クラブの幹部:菊地陽介)
- 岡譲司(猟奇クラブの大御所:加納三作)
- 山本康(画家:津村一彦)
- 藤木悠(記者:建部健三)
- 三條美紀(銀座服飾店のあるじ:三橋絹子)
見どころ
本作は1954年の10月に公開されました。
翌月には初代「 ゴジラ 」が公開され、後に東宝の人気シリーズとなる二大キャラクターが同時期に世に送り出されたのです。
金田一役を演じたのは、若手時代劇スターと呼ばれていた河津清三郎。
原作の冴えない風来坊の金田一像とはかけ離れたジェームズ・ボンドのようなクールなキャラクターとなっています。
河津清三郎は、東宝でゴジラの後に制作された「 透明人間 」にも主演として起用されています。
モノクロ映像の当時だからこそ、幽霊男の不気味さがより際立っている印象です。
幽霊男の真の目的と正体を考察しながら観る事をオススメします。
第2作目「 吸血蛾 」
ストーリー
フランスから帰国したデザイナー・浅芽文代の元に、歯形のついたリンゴが送られる。
それは狼男からの犯行予告であった。
次々とモデルの女性を狙う狼男の犯行を、金田一は阻止できるのか。
ラストの逃亡劇は圧巻。
キャスト
- 中川信夫(監督)
- 池部良(主人公:金田一耕助)
- 小堀明男(警部:等々力大志)
- 久慈あさみ(ファッションデザイナー:浅芽文代)
- 有島一郎(快楽殺人鬼:村越徹)
- 東野英治郎(浅芽文代の同棲相手:伊吹徹三/江藤俊作)
- 塩沢登代路(浅芽会のリーダー格:滝田加代子)
- 万里陽子(浅芽会のモデル:有馬和子)
見どころ
金田一を演じた池部良は、東宝が制作した金田一の中で最も原作に忠実ではない風貌をしています。
今回のダンディで頼れる金田一は、狼男が3人のモデルを殺害するまで登場しません。
次のターゲットとされた4人目のモデルを守る救世主的な立ち位置として中盤から登場。
狼男に扮する犯人を追う金田一は、シャーロック・ホームズのようなヒーロー要素もあります。
ラストの廃ビルを活かした狼男を追い詰めるシーンは迫力があり、妖艶な不気味さの漂う昆虫館等、当時にしか出せない独特の雰囲気のある金田一作品となっています。
第3作目「 犬神家の一族 」
ストーリー
製薬会社で財を築いた犬神佐兵衛が死去。
彼はとある遺言状を遺していた。
その内容には、佐兵衛の恩人の孫娘である野々宮珠世に全財産を相続するとあり、犬神一族は愕然とする。
遺言書を覗き、何者かに殺害された若林の調査を依頼された名探偵・金田一は、一族に起こる凄惨な連続殺人事件の真相を解明できるのか。
キャスト
- 市川崑(監督)
- 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
- 加藤武(警察署長:橘)
- 高峰三枝子(犬神松子)
- 草笛光子(犬神梅子)
- 三条美紀(犬神竹子)
- あおい輝彦(犬神佐清)
- 島田陽子(犬神家の令嬢:野々宮珠世)
見どころ
東宝と角川春樹事務所が共同で制作した本作は、当時の日本での年間興収第2位の大ヒットを記録。
後に社会現象となる角川映画の第1作目であり、東宝の看板シリーズとして発展する作品です。
湖から浮かび上がる足、白いゴムマスクをつけたスケキヨといった演出は、強烈なインパクトを残します。
そして、愛憎と欲望が渦巻く犬神一族の真相を解き明かすのは、石坂浩二演じる風来坊の金田一です。
原作に忠実となるボサボサ頭に帽子、袴に下駄といった金田一は、今回が初めて実写化作品で再現されました。
音楽を手掛けたのは、後に「 ルパン三世 」のメインテーマを生み出した大野雄二。
映画公開に合わせて関連書籍やグッズを発売し、宣伝の幅を広げるメディアミックスの手法を初めて取り入れた作品です。
それが功を奏し、当時は劇場の外まで長蛇の列ができる程の集客力を発揮しました。
第4作目「 悪魔の手毬唄 」
ストーリー
古い因習や家系同士の勢力争い等、独自の文化が今も根付く鬼首村。
名探偵・金田一は、鬼首村で起こった20年前の事件の調査を依頼される。
次第にその事件は、村で恐れられる「 底なし沼 」が関係していることが明らかとなった。
一方、村では古い手毬唄に準えた連続殺人事件が発生し、村民は騒然とする。
金田一は鬼首村の過去と現在の事件を解明できるのか。
キャスト
- 市川崑(監督)
- 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
- 加藤武(捜査主任:立花)
- 若山富三郎(岡山県警の警部:磯川)
- 岸恵子(「亀の湯」女将:青池リカ)
- 中村伸郎(庄屋の末裔:多々良放菴)
- 頭師孝雄(由良家の当主:由良敏郎)
- 辰巳柳太郎(仁礼家の当主:仁礼嘉平)
見どころ
本作は市川崑監督の「 前作とは違った作風にしたい 」という想いから、村全体を舞台とした原作を実写化する事になりました。
芸宛社の市川喜一は、「 悪魔の手毬唄 」というインパクトのあるタイトルが選定の理由だとしています。
今回の物語は、かつて鬼首村で勢力争いをしていた仁礼家と由良家の関係、過去に底なし沼で起きた事件等、様々な要素が現在の連続殺人事件と結びつきます。
そして、キーパーソンとなるのは謎の老婆の存在です。
その正体は予想もしない人物となっています。
仁礼家と由良家は互いを煙たがっていますが、両家の子ども同士は派閥争い等はどうでもよく、頻繁に交流している描写も面白い。
この親族と子どもの関心の違いにも注目です。
本作から石坂浩二版の金田一シリーズは角川春樹事務所の手を離れ、東宝主体で制作することになりました。
第5作目「 獄門島 」
ストーリー
引き揚げ船の中で戦死した鬼頭千万太の遺書を託された金田一は、瀬戸内海に佇む獄門島を訪れる。
そこでは、島の名家として知られる鬼頭家の本家と分家が対立関係にあり、その内情は島民に広く知れ渡っていた。
鬼頭家に遺書を届けた金田一は、その夜に行れた千万太の通夜に参列する。
その時、千万太の妹であり本家の跡継ぎ候補の三人の娘の1人・花子が死体として発見され、悲惨な連続殺人の幕が上がる。
キャスト
- 市川崑(監督)
- 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
- 加藤武(警部:等々力)
- 大原麗子(鬼頭一の妹:鬼頭早苗)
- 大滝秀治(分鬼頭の当主:分鬼頭儀兵衛)
- 佐分利信(和尚:了然)
- 太地喜和子(分鬼頭の側室:分鬼頭巴)
- 草笛光子(鬼頭与三松の妾:お小夜)
見どころ
「 獄門島 」の原作は、1985年と2012年に「 週刊文春 」が行った「 東西ミステリーベスト100 」の国内編で1位を獲得。
金田一シリーズの中でも名作として知られています。
公開当時、テレビでは古谷一行演じる金田一のドラマ「 横溝正史シリーズ 」が放送されていました。
その中には「 獄門島 」のエピソードもあります。
公開時に犯人が周知されていると集客力が落ちるだけでなく、新鮮味が薄れると判断した東宝は、原作と犯人を変えるという大胆な手法を講じました。
予告編では、原作者の横溝正史が「 金田一さん、私も映画の中の犯人を知らないんですよ 」と語っており、劇場には「 テレビとは犯人が違います 」と書かれた看板を立てる等、原作の改変点を見所の1つとして大いに盛り上げました。
本作は島が舞台ということもあり、海賊の襲撃や島全体を活かしたアドベンチャー要素もあります。
大原麗子演じる鬼頭早苗は、鬼頭家の派閥争いに辟易しており、彼女が唯一心を開ける存在がよそ者の金田一です。
この2人の関係も見どころの1つ。
第6作目「 女王蜂 」
ストーリー
名家として知られる大道寺家の智子を巡る連続殺人事件が発生。
殺害されたのは、いずれも智子の婚約者候補の男だった。
警察は殺人現場に姿を見せる素性不明な男・多門連太郎を容疑者にする。
一方、金田一は、大道寺家のミステリアスな家庭教師・神尾秀子から名家のとある秘密を知らされた。
キャスト
- 市川崑(監督)
- 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
- 加藤武(警部:等々力)
- 中井貴恵(大道寺家の娘:大道寺智子)
- 沖雅也(謎の美青年:多門連太郎)
- 岸恵子(大道寺家の家庭教師:神尾秀子)
- 高峰三枝子(東小路家の当主:東小路隆子)
- 司葉子(大道寺家の女中:蔦代)
見どころ
本作は、かつて化粧品等を扱う会社だった「 カネボウ 」とのタイアップ作品。
カネボウは公開に合わせて口紅の新製品を発売しました。
そのCMに起用されたのは、大道寺智子を演じた中井貴恵です。
カネボウとのタイアップに伴い、大道寺智子が親の遺品の口紅に入っていたメモで「 開かずの間 」を発見するという、原作にはなかった展開も追加されています。
さらに、それを知った加藤武演じる等々力警部がCMの宣伝文句であった「 口紅にミステリー 」と発言する等、タイアップを強調した演出が用いられました。
本作の連続殺人事件の真相は、大道寺家と東小路家の両家による過去の罪業によるものです。
そこから導き出される犯人も予想外の人物でした。
今回のキーパーソンとなる人物は、岸恵子演じる神尾秀子です。
彼女が智子に対して寄せる好意の真意に事件のカギがあります。
「 大道寺家の開かずの間 」だけでなく、謎のコウモリの存在や源頼朝伝説といった、ロマン溢れる要素も魅力の作品です。
第7作目「 病院坂の首縊りの家 」
ストーリー
名探偵・金田一は、渡米用のパスポート写真を撮る為に本條写真館を訪れた。
その際、写真館の主人・徳兵衛は、何者かに狙われている予感があると金田一に打ち明ける。
時を同じくして、写真館に可憐な女性が現れる。
彼女は結婚写真を撮ってほしいと徳兵衛の息子に依頼した。
写真撮影の舞台として用意されたのは、なんと「 首縊りの家 」として恐れられる廃病院だった。
キャスト
- 市川崑(監督)
- 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
- 加藤武(警部:等々力)
- 佐久間良子(法眼家・五十嵐家の当主:法眼弥生)
- 草刈正雄(写真館の下働き:日夏黙太郎)
- あおい輝彦(バンドのトランペット奏者:山内敏男)
- 桜田淳子(法眼家の娘:法眼由香利)
- 菊地勇一(法眼由香利の父:法眼琢也)
見どころ
本作は、金田一耕助最後の事件として知られる、当時最新刊として発売されていた原作を題材としています。
洋風のバンド「 アングリーパイレーツ 」の面々が事件のキーパーソンであるため、これまでの昭和20年代を舞台にした作風とは異なり、和風の風情の中でアメリカンな雰囲気が漂う金田一作品になっています。
シリーズの集大成ということもあり、小説家役として登場した原作者・横溝正史が金田一と会合する場面や、草刈正雄演じる黙太郎が金田一に似た調査を行う等のセルフパロディ演出が多々みられます。
「 金田一耕助最大最後の事件 」との宣伝文句の通り、本作は石坂浩二版の金田一作品の中で、最も複雑で残酷なストーリーだと思います。
事件の真相に驚きました。
本作で桜田淳子は、謎の名家・法眼家の娘である法眼家法眼由香利と瓜二つの謎の美女・山内小雪の二役を演じています。
公開前までは、桜田淳子のそっくりさん公募で選ばれた前野礼子が小雪役を演じると宣伝されていました。
最終的に前野礼子は、吹き替えとして本作に出演することになります。
第8作目「 八つ墓村 」
ストーリー
母を亡くし、天涯孤独となった寺田辰也は、かつて村民を大量殺害した資産家・田治見要蔵の遺児であった事を知らされる。
まるで運命に引き寄せられるかのごとく、辰也は田治見家のある都会から離れた八つ墓村へと赴いた。
村で田治見家の跡継ぎとして期待される辰也に対し、謎の老婆が「 八つ墓明神の祟り 」が起こると言い放つ。
八つ墓村は、かつて財宝目当ての村民に殺害された8人の落ち武者の祟りを恐れ、その遺体を村の守り神として祀っている地域であった。
辰也が村を訪れてから始まる連続殺人の謎を名探偵・金田一が解き明かす。
キャスト
- 市川崑(監督)
- 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
- 加藤武(警部:等々力)
- 浅野ゆう子(金田一の依頼者である野村荘吉の義妹:森美也子)
- 高橋和也(田治見家の跡取り候補:寺田辰也)
- 岸辺一徳(田治見家先代:田治見要蔵/田治見家当代:田治見久弥)
- 喜多嶋舞(田治見要蔵の甥である里村慎太郎の妹:里村典子)
- 萬田久子(田治見家の長女:田治見春代)
見どころ
本作を企画するにあたり、東宝は1970年代に金田一を演じた石坂浩二を再起用しようと考えていました。
しかし、最終的に若者に人気の役者であった豊川悦司に決まりました。
その理由は「 新しい金田一像を作る 」という方針があったからです。
物語の題材に「 八つ墓村 」を選んだ理由は、当時アメリカでリメイク作品が盛んであり、日本国内ではミステリーがブームだったことが影響しています。
東宝はこの機会に、かつて1977年に松竹が制作し大ヒットを記録した「 八つ墓村 」を自社でリメイクし、再ブーム化させようと考えたといいます。
劇中で田治見要蔵が村民を襲撃するシーンは、実際に起きた事件を元としています。
それは1938年に岡山県津山市加茂町行重の貝尾・坂元集落で起きた「 津山事件(加茂の30人殺し)」です。
21歳の青年が村民30人を殺害し、自殺したというものです。
犯人の都井睦雄は肺結核を患ったことを機に、村民から冷たい扱いを受けたとされる。
その他にも様々な不幸が彼を襲い、この凄惨な蛮行を決行することになったと言われています。
その背景にあったであろう犯人の葛藤描写も、劇中では田治見要蔵の心情描写として再現されています。
第9作目「 犬神家の一族 」
ストーリー
製薬会社で財を築いた犬神佐兵衛は、とある遺言状を遺し亡くなった。
遺言状には、佐兵衛の恩人の孫娘・野々宮珠世に全財産を相続するとあった。
名探偵・金田一は、何者かに殺害された若林の調査を依頼されており、犬神一族の身辺を探る事となる。
その時、一族に起こる凄惨な連続殺人事件が巻き起こった。
キャスト
- 市川崑(監督)
- 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
- 加藤武(警察署長:等々力)
- 富司純子(犬神松子)
- 萬田久子(犬神梅子)
- 松坂慶子(犬神竹子)
- 尾上菊之助(犬神佐清)
- 松嶋菜々子(犬神家の令嬢:野々宮珠世)
見どころ
東宝と角川が製作し、大ヒットを記録した1976年の「 犬神家の一族 」を市川崑監督と石坂浩二の再タッグでリメイク。
演出やセリフの多くが旧作のまま用いられています。その分、旧作で原作改変した部分を本作では原作から忠実に取り入れてある要素が多いです。
それ以外にも、細かいエピソードが追加されています。しかし本作において、現代版のアレンジや再解釈された演出を期待している方は、少し物足りない印象を受けるかもしれません。
ファンの方や「 犬神家の一族 」を初鑑賞する方にとっては問題なく楽しめると思います。
石坂浩二は約30年ぶりに金田一耕助を演じるにあたり、自分の年齢まで生きてきたキャラクターの人生を加味した演技がしたいと、本作のパンフレットのインタビューで語っています。
石坂浩二の掲げる金田一像の変化によって、今回の金田一は旧作よりも人間味があります。
まとめ
金田一作品は、怪奇ミステリーというジャンルで呼ばれることが多いです。
怪人や呪い、祟りといったオカルトテイストの事件や犯人が登場する物語だからです。
その全ては、人間の複雑な感情がもたらした出来事です。
ファンタジーではなく、人間の罪業が事件を引き起こしているのです。
非情に残酷な物語ですが、その殺人事件を解決する人物は、探究心だけが取り柄の風来坊。
名探偵・金田一耕助です。不完璧な名探偵が愛憎渦巻く人間模様を調査するという、対照的な構図が見所です。
東宝と角川が制作し、後に東宝主体で制作されたシリーズは、金田一耕助の名を世に知らしめる一翼を担った作品群であることは間違いないです。
じっくりと鑑賞してみると、何か人生観が変わるかもしれません。