「 八つ墓村 」解説・考察レビュー【 金田一耕助シリーズ 】

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八つ墓村(1996)

©︎八つ墓村

市川崑監督による17年ぶりの金田一作品です。

主演に「日本沈没(2006)」や「20世紀少年」の豊川悦司を迎え、「 犬神家の一族 」に並ぶ金田一シリーズの代表作を実写化。

都会から離れた村で起こる連続殺人は、落武者の祟りなのか?

過去と現在の事件の謎を金田一が解き明かします。

主要な登場人物&キャスト

  • 市川崑(監督)
  • 石坂浩二(主人公:金田一耕助)
  • 加藤武(警部:等々力)
  • 浅野ゆう子(金田一の依頼者である野村荘吉の義妹:森美也子)
  • 高橋和也(田治見家の跡取り候補:寺田辰也)
  • 岸辺一徳(田治見家先代:田治見要蔵/田治見家当代:田治見久弥)
  • 喜多嶋舞(田治見要蔵の甥である里村慎太郎の妹:里村典子)
  • 萬田久子(田治見家の長女:田治見春代)

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

当時ハリウッドではリメイク作品が盛んとなり、日本国内はミステリーがブームとなっていました。

東宝はその機会を逃すまいと、金田一シリーズのリメイクを決定。

これまで自社で制作したことのない作品として、かつて1977年に松竹配給で大ヒットした「 八つ墓村 」を題材に選びます。

原作を執筆した横溝正史は、農村を舞台にした伝奇物語と本格ミステリーを合わせた、スケールの大きな構想があったといいます。

そこで物語の題材として、1938年に実際に起こった「 津山事件(加茂の30人殺し)」をモチーフにすることになりました。

津山事件とは、日本が近代法制を整えてから2019年の「 京都アニメーション放火殺人事件 」が起こるまで最大の犠牲者数を出した殺人事件です。

現在の岡山県津山市加茂町行重に位置する貝尾・坂元集落で21歳の青年が村民30人を殺害した後、自殺したというものです。

犯人の都井睦雄は肺結核を患った事を機に、村民からの冷淡な扱いに辟易していたといいます。

当時の男子は徴兵検査を通過することが「 一人前 」と認められる「 人生儀礼 」でありましたが、都井睦雄は肺結核の為に不合格を言い渡されたのです。

それ以外にも恋愛面の悩み等、様々な葛藤と不安を抱えた事が犯行に繋がった原因とされています。

「 八つ墓村 」では、田治見要蔵が大量殺人に至る過程や犯行時の装いを津山事件とほぼ同じ様に描写されています。

つまり、実話を元にしたフィクションです。

劇中では、この大量殺人を落ち武者の祟りの1つとして、怪奇ミステリーの題材と結び付けています。

トリビア

企画当初は1970年代に金田一を演じた石坂浩二を再起用することが決定していた。

しかし、結果的に「 新しい金田一像を創る 」という方針となり、若者に定評があるという理由で豊川悦司が抜擢された。

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