息をつかせぬカーチェイス&K-ゾンビ。
果たしてディストピアで生き残れるか?
舞台は前作「 新感染 ファイナル・エクスプレス 」から4年後の世界。
前例のない継続世界として描かれているのは見どころです。
ゾンビ物と言うよりは韓国映画的な感動ストーリー。
新感染半島 ファイナル・ステージ
公開日
2021年1月1日
原題
Peninsula
上映時間
116分
キャスト
- ヨン・サンホ(監督)
- カン・ドンウォン
- イ・ジョンヒョン
- キム・ドユン
- クォン・ヘヒョ
- イ・レ
- イ・イェウォン
- キム・ミンジェ
- ク・ギョファン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー
好きだった点
予想以上に主演のカン・ドンウォンがカッコイイね。
軍人時代の短髪でガッチリした体格、長髪で少し締まった雰囲気作りが良い。
他のキャストも同様。
ストーリーとしては難しくもなく、スピード感あふれる作品になっている。
4DXで鑑賞したらジェットコースター的で楽しそう。
ゾンビ映画にあるようなホラー感はほぼないので、怖いのが駄目でも耐えられそうですよ。
嫌いだった点
ヨン・サンホ(監督)がアニメーション監督であるため、ストーリーの三分の一ほどを占めるカーチェイス。
群がったゾンビが自動車に弾き飛ばされていくシーンが、どうしてもPlayStationなどのゲームシーンに見えてチープなシーンに感じる。
この部分は邦画も韓国映画も、ハリウッドに勝てない分野だと実感してしまった。
ゾンビ好きでジョージ・A・ロメロを信奉する僕としては、K-ゾンビなるクリーチャーは人間を食べない。
襲って噛みつくけれど、食べずに次の人間に襲いかかる繰り返し。
これは野生化したペット同様に、野生化した人間?
そんな風に感じてしまった。
見どころ
前作「 新感染 ファイナル・エクスプレス 」は、日中の出来事として描かれ、永遠にゾンビに追われていた。
「 暗いと目が見えず、音にのみ反応する 」というK-ゾンビの特性上、作戦行動は音を出さずに夜間に行われる。
戦争サバイバル的な緊張感を継続させているため、カーチェイスなどのスピード感とバランスが絶妙で快感。
バトルシーンというよりも、韓国映画的な「 人間関係と勧善懲悪的な感動ストーリー 」に仕上がっている。
考察レビュー
2019年から世界的危機に発展してしまった新型コロナウィルスの感染。
過去の「 バイオハザード 」シリーズ「 ワールド・ウォーZ 」のように、ウィルスが世界的パンデミックを起こさず、朝鮮半島にのみ広がる。
大韓民国以外は平和であることに注目したい。
劇中の台詞で「 南北統一前で良かった 」とある。
北朝鮮はゾンビ進入を一切許さない武力封鎖を行った。
アメリカ軍を中心に航空・海上封鎖を行ったと考えられる。
船舶での脱出者も一定期間は海上で様子見して「 感染者=ゾンビ」 発生を確認したのだろう。
ゾンビ発生から1日で韓国は国家機能を喪失した事態にもかかわらず、韓国という地理的特性を理由に、今作は韓国内のみの出来事として帰結させている脚本の妙が凄い。
この徹底した封鎖検疫は新型コロナウィルスと変異株を世界にアウトブレイクさせてしまったことに対するアンチテーゼとUN(国連軍)の在り方への示唆なのではないだろうか?
劇中に韓国から脱出して他国で生活する韓国人に対する現地民の「 オマエたち!感染してるんじゃねーか?」という怒声を浴びせるシーン。
このシーンは東京からの移動者に向けられる「 不寛容は日本国内だけでなく、世界中で起きている悲劇 」に対する示唆でもある。
まとめ
最期はやはり韓流ドラマ的に感動を期待したい。
欲望にまみれ我の為のみに生きるのか?
贖罪はあるのか?
生き残るのは誰なのか?
暗闇から陽光の射す世界への脱出。