怪奇ではなく、サイエンスによるユニバースの創世!
表面上(予告知識レベル)なら薄いだろう。
ユニバースを知るならば深くなる。
マーベルによる吸血鬼の科学的解釈とヒーローの在り方とは。
画像の引用元:公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
モービウス
公開日
2022年4月1日
原題
Morbius
上映時間
104分
キャスト
- ダニエル・エスピノーサ(監督)
- ジャレッド・レト
- マット・スミス
- アドリア・アルホナ
- ジャレッド・ハリス
- アル・マドリガル
- タイリース・ギブソン
- マイケル・キートン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
多くのヒーローが活躍する物語の中で、吸血鬼(不死者)は善きにつけ悪しきにつけ、度々登場する。
かく言う、日本が生み出したヒーロ「 仮面ライダー 」は50周年祭が真っ盛り。
その約50年前の記念すべき第一話が「 怪奇 蜘蛛男 」で第二話が「 恐怖 蝙蝠男 」だ。
インスピレーション的に捕らえれば、正にスパイダーマンとバットマンであり、蝙蝠男の属性はモービウス的な要素を内包しているのが面白い。
更に興味深いのは「 仮面ライダー 」のショッカー怪人は全て改造人間である。
要するにサイエンスによって生み出された特殊能力を保持している。
それこそマーベル・ヒーローと類似的ではないだろうか?
今作のマイケル・モービウスが吸血鬼と化すのは不治の病の自身を呪い、健常な人間たちを凌駕したくて研究し続けた結果ではない。
あくまでも自身よりも、同じ病を持つ親友を助けたい思いだった。
その為に、自身への血清投与は第三者を利用しない自身の肉体を用いた臨床試験、いや、人体実験だった。
マイケルは、「 病 」と言う理不尽に曝されている弱者たちを救いたいと言う思いだ。
しかし、理不尽に対抗し得る強い力は異なる理不尽を生み出し、新しい苦難を背負わなければならなくなる。
「 スパイダーマン 」で、ベンおじさんが伝え、更にマルチバースのピーター・パーカーたちが現代のピーター・パーカーに繋いだ言葉「 大いなる力には、大いなる責任がともなう 」
責任には苦難がついて回るは必定だから、SPUMC(ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクターズ)&SSU(ソニーズ・スパイダーマン・ユニバース)でも継承されたと言えるだろう。
今作を「 ヴェノム 」の様なヴィラン物と期待し、ヴァンパイア物と期待した諸兄にとっては物足りなくご都合主義に感じたと思える。
僕は幼少時から「 吸血鬼ドラキュラ 」が大好きでゴシック・ホラーはテッパンだった。
多くの吸血鬼に関する小説や解説書や映画に触れてきたからこそ、伝えたいのは吸血鬼の「 強さ 」とは何か?
それは圧倒的なパワーとスピードから生み出される暴力に他ならない。
このスピードをコントロールするのに必要な補助能力が五感にあたる。
マイケルの風を読みコントロールする能力とエコロケーションの演出が、従来のネイティブ・ヴァンパイアではなく、
科学者としてのサイエンス・ヴァンパイアとして可視化した演出が、今作の真骨頂とは言えないだろうか?
今後、MCUシリーズで展開するダンピール(人間と吸血鬼のハーフ)を描く「 ブレイド 」も、どのように描かれるか?
期待に溢れてしまう。
まとめ
最近【 ○×△・ユニバース 】が増えすぎて、個々のユニバース内で時代を遡った作品やタイムリープ、平行世界融合のマルチバース、それこそマルチバースが製作会社すらも交えた演出を匂わせている。
せめて、マーベル同士で落ち着いて欲しいなと思う。
異なるユニバースの融合が始まると混乱でなく混沌になってしまいそう。