「 インソムニア 」考察レビュー、クリストファー・ノーラン作品を制覇しよう

当ページの画像はIMDbより引用
インソムニア
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映画ライフ楽しんでますか?

今回は、ペンネーム(@御縁あやの)さんからの投稿レビューです。

1997年製作、エーリク・ショルビャルグ監督の同名のノルウェー映画「 インソムニア 」のノーラン版リメイク。

ただの焼き直しではなく、キャラクターや物語も複雑になっているので、見る価値大いにあり。

画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

目次

インソムニア

インソムニア
©インソムニア

公開日

200297()

原題

Insomnia

上映時間

118

キャスト

  • クリストファー・ノーラン(監督)
  • アル・パチーノ
  • ロビン・ウィリアムズ
  • ヒラリー・スワンク
  • モーラ・ティアニー

予告編

公式サイト

なし

作品評価

[rate title=”5つ星”]

[value 3]映像[/value]

[value 4]脚本[/value]

[value 4]キャスト[/value]

[value 3]音楽(BGM)[/value]

[value 2]リピート度[/value]

[value 1]グロ度[/value]

[value 4 end]総合評価[/value]

[/rate]

クリストファー・ノーラン作品(一覧)

  1. Following2001
  2. メメント(2001
  3. インソムニア(2002
  4. バットマン ビギンズ2005
  5. プレステージ(2006
  6. ダークナイト(2008
  7. インセプション(2010
  8. ダークナイト ライジング2012
  9. インターステラー(2014
  10. ダンケルク(2017
  11. TENET2020

感想レビュー

インソムニア
©インソムニア

好きだった点

原作よりも、アル・パチーノ演じる主人公の刑事の置かれた状況がより複雑になっている点。

ロビン・ウィリアムズを犯人に置いたというキャストの妙。

嫌いだった点

特にはないが、敢えて挙げるとするならば、エンディングは原作とは違って結末がモヤモヤする人が一定数いると思う。(原作がモヤモヤしないかと言えばそうではない)

これも原作映画を比べてになってしまうが、原作映画における白夜の光の眩しさは今作よりも強烈であり、

あの明るさは本当に素晴らしかったので、その点が個人的にはマイナスをつけてしまうところ。

ノルウェー(原作)とアラスカ(今作)の環境差もあるのかもしれない。

見どころ

前述した、主人公の状況が複雑になったことにより、犯人を捕まえたいが捕まえると自分の罪が暴かれる恐れがあると共に、

過去に捕まえた凶悪犯までもが釈放されてしまうという危機感が、より強くなっている点は見事な改変であると思う。

またその複雑さが、白夜に慣れない中、罪の意識も相まって眠ることが出来ず朦朧(もうろう)とする意識の中で、

仲間を撃ってしまったのは本当に誤射だったのか?

故意だったのか?

判断がつかなくなっていく様は秀逸である。

ヒラリー・スワンク演じる、主人公に憧れる女性刑事の真っ直ぐな姿勢も彼を追い込む要素の1つとしており、これもまた良い。

キャストについて言及すると、普段明るく優しい「 陽 」そのもの、といったイメージの役を演じることが多いロビン・ウィリアムズを犯人役に置いたことはとても興味深い。

人好きのいい笑顔の下に隠した静かな凶暴性が発露するシーンには、明るいロビン・ウィリアムズしか知らない方ならゾクゾクと背筋が冷たくなることだろう。

ファンとしては、何度も聞いたあの優しい声音から犯罪のすべてが語られていくことに何とも言えない興奮を覚える。

考察・疑問点

インソムニア
©インソムニア

モーラ・ティアニー演じる宿屋の女レイチェルが、「 アラスカには2種類の人間がいる。ここで生まれた人と、何かから逃げてきた人。私は後者よ 」と言う。

なぜ逃げてきたのか?

やはり疑問に思うし何も描かれないので気になる点ではあるが、その一言だけで彼女のバックボーンやその街の空気や閉塞感を想像できるので、気に入っている台詞の1つである。

正義側に身を置きたいのに、結果的に悪に加担することになってしまうこと、

地位や立場から自らの罪を隠さなければならないこと。

環境も相まって眠れない中で、どんどん判断力が鈍っていき朦朧(もうろう)としていくアル・パチーノの表情から、見ている側もズルズルとこの悪循環にハマっていく。

犯人を捕まえる、捕まえないという分かり易い構造のサスペンスではなく、主人公の心の葛藤にフォーカスをしている作品だが、そもそも主人公の心が覚束ないという、

ジリジリと先の見えない感覚も中々いいのでオススメだ。

原作とのエンディングの違いは、見ているものの正義感・倫理観を揺さぶるかもしれない。

どちらがよりよい終わり方だと思うか?

1人1人に聞いて回ってディスカッションしたくなる作品である。

また、この作品の製作にソダバーグ監督とクルーニーのタッグが関わっていることを知り、「 ああ… 」となぜか納得がいったのは私だけではないと思う(笑)

まとめ

インソムニア
©インソムニア

ノーラン監督ファンとしては「 脚本がノーラン監督ではないから 」と一歩引いてしまうかもしれないが、よくできたサスペンスなのでご覧あれ。

もし余裕があるなら、原作のエーリク・ショルビャルグ監督のリメイク版「 ITのビル・スカルスガルド、

「 バトルシップ 」のアレクサンダー・スカルスガルドの父、ステラン・スカルスガルド主演もご覧いただき、是非違いを楽しんでいただきたい。

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記事の監修者

ドキュメンタリー制作を専門とする独立系の映画会社 / 最新映画 〜ドキュメンタリーまで、幅広いジャンルを配信中 /

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