1800年代終わり頃、マジックに取り憑かれてしまった2人の男の物語。
どちらもマジシャンだけあって、お互いの騙し合いが続きます。
そしてラストに観客を驚かせる壮大な結末が待っていました。
プレステージ
あらすじ
19世紀末のロンドン。2人の天才マジシャン、ロバート・アンジャーとアルフレッド・ボーデンは、互いを尊敬しながらイリュージョンの腕を競い合っていた。しかしそんなある日、アンジャーの妻が脱出マジックに失敗して命を落とす。彼女の縄を縛ったのがボーデンだったことから、アンジャーはボーデンへの復讐を誓う。やがて、驚異的な瞬間移動のイリュージョンでロンドン中を熱狂させたボーデンに対し、アンジャーはその秘密を盗み出そうと助手のオリヴィアをボーデンのもとへ差し向ける。
公開日
2007年6月9日
原題
The Prestige
上映時間
128分
キャスト
予告編
クリストファー・ノーラン作品(一覧)
- Following(2001)
- メメント(2001)
- インソムニア(2002)
- バットマン ビギンズ(2005)
- プレステージ(2006)
- ダークナイト(2008)
- インセプション(2010)
- ダークナイト ライジング(2012)
- インターステラー(2014)
- ダンケルク(2017)
- TENET(2020)
- オッペンハイマー(2024)
感想レビュー
好きだった点
マジックに魅了されてしまった2人の男の戦いというキャラクター設定は分かりやすいのに、
そこに複雑なマジックのトリックが入ってきて、いかにもノーランらしい世界観が表現されていました。
ノーランのよく使うテクニックの1つ、「 時間軸を入れ替える 」
キャラクター設定は分かりやすくても、物語は複雑化していきます。
マジックなのにほとんど派手さがなく、男同士の復讐の世界という暗さという点でもノーランらしさ満載でした。
「 メメント 」「 インセプション 」「 インターステラー 」「 ダークナイト 」シリーズなど、
数あるクリストファー・ノーランの名作に隠れて、それほど知名度の高い作品ではありませんが、ある意味ノーランのやりたいことが全て詰まっている作品でした。
嫌いだった点
マジックという題材からラストの展開をかなり期待していましたが、案外簡単なトリックだったなと感じてしまいました。
トリックをそれを最後まで引っ張り続け、じっくり考えれば途中にいくつもの伏線が張られてたんだと納得させるのは、さすがノーランです。
見どころ
それは何と言ってもマジックのトリックでしょう。
「 人間瞬間移動 」のトリックはどうなっているのか?
作品中のヒュー・ジャックマン演じるアンジャーが、その種明かしを知りたがったように、真実を知りたいという欲求に駆られていきます。
だからこそ待っていたラストには驚きましたが、それでもどこまでが真実なのか疑問が残るところです。
途中何度も「 マジシャンの言うことは信じられない 」と言うセリフが出てくるので、これもまたトリックなのか?
裏があるのか?
などと考えてしまいます。
見終わったとにスッキリしない疑問が残る感じもノーランらしい結末でした。
考察・疑問点
一体「 人間瞬間移動 」とはなんだったのか?
クリスチャン・ベール演じるボーデンの「 人間瞬間移動 」は、双子だったというオチ。
一方で、アンジャーの「 人間瞬間移動 」は、なんと複製装置だった。
このちょっとしたSF的な展開には驚きました。
マジックに取り憑かれてしまった2人の男は、どちらも自分の人生を失ってもマジックの成功を求め続けました。
ボーデンは2人で1人の人間を演じ続け、半分の人生を生きることを選びました。
途中で奥さんは気付いていた様子ですが。
アンジャーは複製される時に、マジックのために死を選びました。
人生を狂わせてでも成功したかったマジック。
彼らの人生自体が「 プレステージ(偉業) 」だったのかもしれません。
まとめ
認知度は低いかもしれませんが、クリストファー・ノーランの「 時間 」「 暗さ 」「 取り憑かれた男 」という全てのものが詰まっている作品でもあります。
男同士の戦いをノーランらしさ全開で描いた作品でした。