アラジン(2019)

原題(英題)
Aladdin
公開日
2019年6月7日
上映時間
128分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ウィル・スミス
- メナ・マスード
- ナオミ・スコット
- マーワン・ケンザリ
- ナビド・ネガーバン
- ナシム・ペドラド
- ビリー・マグヌッセン
- ヌーマン・アチャル
- アラン・テュディック
- フランク・ウェルカー
コメント
イスラム圏の民話「 アラビアン・ナイト 」をベースにしたディズニーアニメ「 アラジン 」の実写版です。
ガイ・リッチー監督作史上、最大のヒットとなりました。
魔法のランプをめぐる壮大なファンタジー・アドベンチャーです。
貧しくも清らかな心を持つ青年・アラジンをカナダの俳優メナ・マスードが演じています。
そしてイギリスの女優ナオミ・スコットが、自由に憧れる王女・ジャスミンを演じました。
双方とも見事な演技と歌唱力です。
アメリカ国外出身の俳優が起用されたことで、作品の世界観に説得力が増しています。
そしてランプの魔人・ジーニーを演じるのは、ハリウッドの名優ウィル・スミス。
名曲「 フレンド・ライク・ミー 」をヒップホップ調にアレンジするなど、グラミー賞ラッパーの経歴も活かされています。
さらに、アニメ版でアカデミー主題歌賞を受賞した名作曲家、アラン・メンケンによる新曲「 スピーチレス 心の声 」など、実写版だけの要素もあります。
特に、ジャスミンの一人の女性としての強さを表した歌詞は感動的です。
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ジェントルメン(2020)

原題(英題)
The Gentlemen
公開日
2021年5月7日
上映時間
113分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- マシュー・マコノヒー
- チャーリー・ハナム
- ヘンリー・ゴールディング
- ミシェル・ドッカリー
- ジェレミー・ストロング
- エディ・マーサン
- コリン・ファレル
- ヒュー・グラント
コメント
麻薬王の500億にのぼる利権をめぐって、私立探偵やマフィア、あらゆる強欲なアウトサイダーによる駆け引きを描いた映画です。
「 アラジン 」で万人から支持を集めたガイ・リッチー監督でしたが、今度は真っ向から自身の得意とする悪人同士の群像劇に挑みました。
序盤からノンストップで話が進み、気が付けば二転三転しています。
「 パルプ・フィクション 」(1994)のクエンティン・タランティーノ監督が愛用する時系列シャッフルの手法も随所に見られます。
「 シャーロック・ホームズ 」や「 アラジン 」などのメジャー作をヒットに導き、時に作家性を出しすぎるあまり、観客を振るいにかけたこともありました。
そうした紆余曲折を経て、まさに2008年の「 ロックンローラ 」以降、約10年ぶりに原点回帰の映画を撮ったわけです。
SNSなどのデジタル機器を使った駆け引きもあり、現代版のギャング映画になっています。
キャッシュトラック(2021)

原題(英題)
Wrath of Man
公開日
2021年10月8日
上映時間
118分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ジェイソン・ステイサム
- ホルト・マッキャラニー
- ジェフリー・ドノバン
- ジョシュ・ハートネット
- ラズ・アロンソ
- ラウル・カスティーロ
- デオビア・オパレイ
- エディ・マーサン
- スコット・イーストウッド
- ニアフ・アルガー
コメント
リベンジ・アクション映画「 ブルー・レクイエム 」(2003)を、ガイ・リッチーがジェイソン・ステイサム主演でリメイクしました。
現金輸送車の武装警備として雇われた謎の男の秘密に迫るサスペンスで、リッチー監督作にしてはめずらしくシリアスな作風です。
ステイサムとは2005年の「 リボルバー 」以来、4度目のタッグになります。
その間、「 トランスポーター 」シリーズなどで名アクション俳優としての地位を確立したステイサムを、リッチーはどう描いているのかにも注目です。
本作のステイサムは他作品と違い、肉弾戦やジョークは控えめのミステリアスな存在です。
いつもの敵を薙ぎ倒すステイサムを期待すると、アクションの面でやや拍子抜けするかもしれません。
しかし銃撃に特化したアクションがあり、それはかっこいいです。
リッチー作品というわけで、脚本にもひねりが効いており、一つの核となる事件を3つの視点から映す斬新な構造になっています。
オペレーション・フォーチュン(2023)

原題(英題)
Operation Fortune: Ruse de guerre
公開日
2023年10月13日
上映時間
114分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ジェイソン・ステイサム
- オーブリー・プラザ
- ジョシュ・ハートネット
- ケイリー・エルウィズ
- バグジー・マローン
- ヒュー・グラント
コメント
ジェイソン・ステイサム演じる英国諜報局MI6の凄腕、スパイ・フォーチュンの活躍を描いた本格スパイ・アクションです。
果たしてフォーチュンは、最高機密「 ハンドル 」をめぐる陰謀を阻止できるのでしょうか。
ケイパー(強奪)物語を得意とするガイ・リッチー監督がついにスパイ映画に挑みます。
ステイサムとリッチーは本作で5度目のタッグ。
今回もリッチーは新たなステイサムを観客に見せようとしています。
それは「 ミッション:インポッシブル 」のトム・クルーズを思わせるチームリーダーとしての姿です。
一匹狼の役柄が似合うステイサムに、「 理想の上司 」という新境地を開拓したのです。
そして本作のキーとなる「 ハンドル 」の売買疑いのある武器商人グレッグを名優ヒュー・グラントが演じています。
彼はリッチー監督作の「 コードネーム U.N.C.L.E. 」や「 ジェントルメン 」にも出演しており、今やステイサムに並ぶリッチーの相棒と言えるかもしれません。
コヴェナント 約束の救出(2023)

原題(英題)
Guy Ritchie’s the Covenant
公開日
2024年2月23日
上映時間
123分
キャスト
- ガイ・リッチー(監督)
- ジェイク・ギレンホール
- ダール・サリム
- エミリー・ビーチャム
- ジョニー・リー・ミラー
- アレクサンダー・ルドウィグ
- アントニー・スター
- ボビー・スコフィールド
- ジェームズ・ネルソン・ジョイス
- ジェイソン・ウォン
コメント
アメリカ軍に協力するアフガニスタン現地通訳の実話をベースにした、ガイ・リッチー監督初の戦争映画です。
舞台となるアフガニスタン戦争とは、9.11同時多発テロの首謀者ウサマ・ビンラディンをイスラム主義組織「 タリバン 」政権が匿っているとし、アメリカが同国アフガニスタンへ侵攻した出来事です。
リッチーは、タリバンの武器を捜索するアメリカ軍曹長・キンリーとアフガニスタン現地通訳者のアーメッド、2人の義理と人情の物語に着目しました。
キンリーは爆発物工場を発見するも、タリバン兵の襲撃に遭い、重傷を負います。
彼を救出し、アメリカへ受け渡した人物がアーメッドです。
帰国したキンリーは、通訳の報酬としてアメリカへの移住ビザが約束されていたはずのアーメッドとその家族が行方不明になっていると知ります。
今度は自分がアーメッドを救う番だとキンリーは再度アフガニスタンへと赴きます。
リッチーは、過酷な環境の中に潜む、宗教や国境を超えた絆を描きたかったのです。

文・ライター:安田貴輝