今回紹介するのはクエンティン・タランティーノの「 パルプ・フィクション 」です。
本作はカルト的大ヒットを記録し、批評家からも高評価を受けタランティーノを世界的映画監督に押し上げました。
時間軸をシャッフルした斬新なストーリー構成と独自の音楽センスは見るものを魅了し、未だ根強いファンを生み続けています。
パルプ・フィクション

あらすじ
レストランにて強盗を企てるカップルがいた。一方、盗まれたスーツケースを取り戻しに行くギャングのヴィンセントとジュールス。その道中でヴィンセントは相棒のジュールスにボスが留守にしている間、妻のミアの世話係を頼まれていると話す。そのまた一方では八百長試合により大金を手にしたボクサーは裏切ったギャングのボスから逃げるため恋人と荷造りをしていたが…。
原題
Pulp Fiction
公開日
1994年10月8日
上映時間
154分
予告編
キャスト
- クエンティン・タランティーノ(監督)
- ジョン・トラボルタ
- サミュエル・L・ジャクソン
- ユマ・サーマン
- ティム・ロス
- アマンダ・プラマー
- エリック・ストルツ
- ロザンナ・アークエット
- ヴィング・レイムス
- マリア・デ・メディロス
- ハーヴェイ・カイテル
- クリストファー・ウォーケン
- ブルース・ウィリス
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー

前作レザボア・ドッグスでカルト的ヒットを記録したタランティーノはもっと大衆に受けるため、エンターテイメント性及び笑いどころが必要だと考えました。
前作のヒットで資金も手に入れたタランティーノは、新たな脚本を執筆。
制作当時、誰もこの意味不明な脚本にお金を出さなかった中、ミラマックスはタランティーノに賭けた。
後にミラマックスは、ディズニーに買収され公開当時「 ディズニーで最も暴力的な映画 」と言われました。
僕自身、好きな映画の話になると必ずこの映画の名前を出すくらい大好きな映画です。
もはや説明不要の大名作「 パルプ・フィクション 」ですが、この映画を見た何割かの人は「 わかんなかった 」というリアクションが見受けられます。
よくよく考えてみれば、「 そりゃそういう人もいるか 」と思います。
そう思う理由は
- 明確なストーリーがない
- 会話劇が多いが、物語と関係ない話が多い
恐らく↑が映画に慣れてない人が「 ん? 」となってしまう要因かと思われます。
世の中、映画でも音楽でもお笑いでも一度で理解できない名作はたくさんあります。
この映画は何度も見る価値は十二分にあります。
理由①の「 明確なストーリーがない 」について、元々パルプ・フィクションとは(冒頭に説明もありますが)安っぽい・質の悪い小説を意味します。
アメリカではくだらない話を誰かがすると「 今の話、パルプ・フィクションだな 」というくらい安っぽい、くだらない話という意味です。
実際、ストーリーだけを考えると他の映画に比べて全然大したことないのは否めません。
でも、この映画の凄さはそんな安っぽいストーリーもタランティーノの構成、編集、音楽でここまでオシャレで面白く仕上げたのは脱帽でしかありません。
理由②の「 会話劇が多いが、物語と関係ない話が多い 」について。
この映画は150分もあり、そのほとんどのシーンで誰かが喋っており、それは物語と関係ない無駄話が多く「 一生懸命聞いたのに最後までなんも関係なかったじゃねえか! 」
となる人がいるようで、中々進まないストーリーに退屈を感じてしまう人がいるようです。
基本的にタランティーノ映画は娯楽作品であり、メッセージ性やリアリティなど追及していない物がほとんどです。(決してディスってはいません笑)
タランティーノは、リアリティよりも面白くカッコよければ何でもいいという思考の持ち主なので、肩の力を抜いて登場人物の会話を聞いていれば、この会話はとても楽しく感じると思います。
本作は時間軸をシャッフルさせたオムニバス形式となっており、目まぐるしくシーンが変わるので、家で家事などをしながらの鑑賞には向きません。
なるべく映画に集中できる環境で、いい音響・スピーカーで鑑賞することをおススメします。

文・ライター:たかを

