みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
今回紹介するのはクエンティン・タランティーノのデビュー作「レザボア・ドッグス」です。
タランティーノは今や世界的名監督ですが、そんな彼はデビュー作からタランティーノ節が全開です。
斬新なストーリー構成と独特のカッコよさは未だに根強いファンを獲得しています。
レザボア・ドッグス
あらすじ
互いを色で呼び合う黒スーツの男たちは、それぞれの素性を知らず宝石店強盗のために集められた犯罪集団。やがて計画を実行に移した時待ち構えていた警察と打ち合いになる。間一髪で逃げ延び集合場所に集まった男たちは、仲間の中に裏切り者がいることを考え始める。
原題
Reservoir Dogs
公開日
1993年04月24日
上映時間
100分
予告編
キャスト
- クエンティン・タランティーノ(監督)
- ハーヴェイ・カイテル
- ティム・ロス
- マイケル・マドセン
- クリス・ペン
- スティーヴ・ブシェミ
- ローレンス・ティアニー
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
20代半ばのタランティーノは、ビデオショップでアルバイトをしながら映画監督としてデビューする日を待ち望んでいました。
その間に「 トゥルー・ロマンス 」「 ナチュラル・ボーン・キラーズ 」という2本の脚本を執筆し映画を撮ろうとしましたが、当時まだ無名のタランティーノに配給会社はメガホンを持たせてくれるはずもなく…。
しかし、上記の2本の脚本は売れ、彼をアルバイト生活から脱却させてくれました。
でも、自分は脚本家ではなく映画監督になりたいんだ!という欲求が抑えられなくなったタランティーノは、2本の脚本で得た資金をもとに低予算の映画を作ることに決めました。
それがこの「 レザボア・ドッグス 」です。
強盗集団を主人公にした犯罪映画ですが、犯行シーンは描かず、倉庫の中での会話劇を主体とした映画になってます。
何より高評価を得られているのが、冒頭のレストランでの無駄話からのオープニング。
これから強盗に向かうメンバーがただ坂道を歩いてるのをスローモーションで取ってるだけなのですが、センスある音楽も併せて僕が今まで見た映画の中で一番カッコいいオープニングだと思います。
そして、その斬新なストーリー構成も話題となりました。
冒頭、スーツ姿の男たちが意味のない会話をしオープニングが終わると、何の説明もないままメンバーの1人が血を出して車の中で叫んでいるシーンになります。
観客はそこで驚きますが、徐々に何が起こったのか、この人たちは何者で、何のために集められたのかが分かってきます。
この時間軸をシャッフルした構成は、後のタランティーノ作品に受け継がれていきますが、30年以上前の作品ということを考えるとかなり斬新なものだったでしょう。
文・ライター:たかを