「 サンクスギビング 」考察レビュー、殺人鬼のカリスマぶりに注目【 イーライ・ロス監督のキャリア集大成 】

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文・ライター:@UK

食人族へのオマージュを取り入れながら独自の解釈で観る者を圧倒した問題作「 グリーン・インフェルノ 」の発表から10年。

今回、更にギアをいれてホラー映画に注力したイーライ・ロス監督のキャリア集大成と呼ぶべき凱旋作。

監督自身も本作ではやれるだけのことは全てやり尽くした旨がメディアでも取り上げられていましたが、本記事では、そんな監督渾身の最新作の見所について独自の視点から解説します。

目次

サンクスギビング

©︎Thanksgiving

あらすじ

物語の舞台は感謝祭発祥の地とされるマサチューセッツ州プリマス。ある日、感謝祭の祝祭に沸く街で、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される事件が発生。以降、街の人々を恐怖に陥れる。

原題

Thanksgiving

公開日

2023年12月29日

上映時間

106分

予告編

作品評価

  • 映像
  • 脚本
  • キャスト
  • 音楽
  • リピート度
  • グロ度
  • 総合評価

考察レビュー

本作の見所は何といっても、主要キャラを抑えて、存在感をひと際放つ不気味な仮面をつけた猟奇的殺人鬼。

殺人鬼による数々の目を見張る所業、カリスマぶりにただただ脱帽します。

とにかく仕事が早くて要領がいい殺人鬼で、必殺仕事人の肩書きをつけてもいい程。

ボーガンや斧、時に工具など、その場の状況に応じて遊び心を入れながらキャストを血祭りにあげたり、お腹を空かせた猫に餌をあげたり、復讐にただ駆られているだけではなく、主題でもある「 感謝祭 」という記念すべき日を大切にしているその道徳心には頭が下がります。

何より今回SNSのInstagramがキーワードになっていますが、常時SNSの更新を怠らず、複数のマルチデバイスを使いこなしてキャストや警察官を煽り続けるITリテラシーの高さにも感心してしまいました。

殺人鬼の不気味な仮面が印象的でした。

思い返してみると、仮面をつけた名殺人鬼というと「 13日の金曜日 」のジェイソンや、「 ハロウィン 」のマイケルなどいますが、これらのキャラクターも主題以上に殺人鬼のカリスマ性が際立っています。

最も殺人鬼で片づけていいのかという点もあり、私は「 Vフォー・ヴェンデッタ 」のVも鑑賞中に脳裏をよぎりました。

ホラー映画という括りとは異なりますが、ダークヒーローとして悪人共を信念の名のもとに血祭りにあげ、時にテレビのチャンネルを一斉に電波ジャックしたりといった仕事ぶりを発揮するカリスマ性で主題以上にインパクトがあります。

今回の殺人鬼と重なって見える要素が多々ありました。

いずれにしても、本作も新たなカリスマ性のあるキャラクターが誕生しました。

この他にも流石だなと思った点は、印象的な殺人鬼の仮面もずっと同じものではなく、途中でプチハプニングで変形してしまいすが、それもスパイスとして逆手に取り、かえって不気味な出で立ちとなり、視聴者の恐怖心を掻き立てられる演出には監督の職人ぶりが発揮されていました。

まとめ

これまで極めて刺激の強い映像を通して人間のエゴなどをあぶりだし、痛烈なメッセージ性のあるストーリー展開で世のホラーファンを虜にしてきた監督。

今回もR-18指定ながら数多くの全国の劇場でも公開されており、筆者が初日に劇場で観に行った際はほぼ席は埋まっていました。

そんな本作が劇場で観ることが出来る喜びに感謝を捧げながら、是非、大画面のスクリーンで鑑賞して、気持ちよく映画始めをしていただきたいです。

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