こんにちは、Johnです。
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム( @ジョナ )さんからの投稿レビューです。
3年前に原作の小説「 罪の声 」を読みました。
その年は80冊の本を読んだのですが、その年のマイベスト5に入った程よく覚えています。(ちなみに本屋大賞3位、このミス1位でした)
小説の持つ力強さ・真実を追う者の姿・事件の闇にただただ引き込まれ、どうしてもフィクションとは思えませんでした。
では、映画はどうでしょうか?
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
罪の声

公開日
2020年10月30日
上映時間
142分
キャスト
- 土井裕泰(監督)
- 小栗旬
- 星野源
- 松重豊
- 市川実日子
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 3]映像[/value]
[value 5]脚本[/value]
[value 4]キャスト[/value]
[value 4]音楽(BGM)[/value]
[value 2]リピート度[/value]
[value 1]グロ度[/value]
[value 4 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー

好きだった点
あの厚みも内容も重みズッシリの原作「 イズム 」を残しながら、しっかりと脚本に落とし込んでいたのが良かった。
原作ベースの映画でありがちなのが、筋だけを拝借して空気感を表せず「 映画は別物 」と割りきってしまう残念なパターンですよね。
今作では、そのようなパターンにはならず、それどころか原作の良さと映画の良さをうまく融合させて、さらなる名作に仕上げていました。
脚本を担当した野木亜紀子の功績が大きいでしょう。(ドラマのMIU404も担当したと知り納得しました)
主人公たち(星野源=テーラーの曽根俊也、小栗旬=記者の阿久津英士)がハマリ役だったのも良かったです。
嫌いだった点
気にしなければ気にならないのですが、主人公2人の関西弁に、随所で違和感を覚えました。
気にし始めたら気になるんですよね(笑)
見どころ
星野源と小栗旬の演技が見事でした。
実話をベースにしてはいますが、両者は架空の人物です。
しかし、実際に存在するとしか思えないほど違和感がありませんでした(関西弁はさておき)
特に星野源(曽根俊也)は、押し入れから幼少時の自分の声が録音されたテープを発見します。
それは、グリコ森永(作中ではギンガ満堂)事件の犯人グループが、身代金の受け渡しの指示をするために録音した子どもの声と同じものだった。
それを知った時の曽根俊也の驚き、事実を追いたい気持ちと家族を守りたいという気持ちのせめぎ合い、そして調査の末に辿り着く境地を見事に演じていました。
また、35年前に子どもであった実在する人物は、もう40代の成人だという事実に愕然とします。
本当の「 声 」の主は、今どこでどう暮らしているのでしょうか?
(曽根とは対象的に、不遇な半生を送ったもう1人の声の主を演じた宇野昌平も凄い存在感でした)
そして、当事者とは違う視点で事件の真相を求める小栗旬(阿久津英士)の存在が、作品に立体感をもたらしています。
文化部でスカスカの記事を書いていた阿久津が、事件を追う過程で、ジャーナリズムの在り方を模索しながら、記者として成長していきます。
飄々(ひょうひょう)としながらも、少しずつ成長する心の機微を演じられるのは名優だからこそですね。
考察・疑問点
今作は原作を凌駕するほどの作品だと思います。
ところで、映画は現実を動かす力を持っているのでしょうか?
韓国では映画「 トガニ 」を見た人たちが、作中に登場する実在の学校や裁判所に対する抗議運動を広げ、新しい法律を作らせたという事例もあります。
例えば「 罪の声 」を見た、実際の被害者や当時のジャーナリストや警察、または新たな証言者たちのアクションによって、戦後最大の未解決事件の真相が明らかになるとか?
まとめ

過去と現在、未来の子どもたちを考えながら物語の余韻に浸っていると、おなじみのナレーションがスクリーンに記されました。
「 この作品はフィクションです。実際の人物や団体などとは、一切関係ありません 」
もしその通りだとすれば、ドキュメンタリーとフィクション、ノンフィクションの境目はどこにあるのでしょうか?
今作に限って、そのような感慨がふと浮かびました。
やがて、素晴らしい歌声が劇場内を包み込みました。
奥深い歌詞が、静かに心に染み渡ります。
これから劇場へ足を運ぶ方は、くれぐれも Uru の歌う主題歌「 振り子 」を聴き逃しませんように。