
もし近未来、”ある薬”によって人の感情が操作され、人間が絶対に過ちを起こすことがなくなったら…?
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
スパイダーヘッド


公開日
2022年6月17日
原題
Spiderhead
上映時間
107分
キャスト
- ジョセフ・コジンスキー(監督)
- クリス・ヘムズワース
- マイルズ・テラー
- ジャーニー・スモレット
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


ある天才的な男(クリス・ヘムズワース)が管理する施設では、入居した囚人たちに、謎の新薬を投与して感情がどのように変化するかという実験を行っていた。
そんな中、ある治験者が実験中に自殺するという悲劇が起こる。
囚人のひとりであり、過去の罪に苦しむ治験者の男(マイルズ・テラー)は不信感が募り、この薬の秘密を暴いていく。
監督は初監督作「トロン:レガシー 」で注目され、現在日本でも劇場公開されている「 トップガン マーヴェリック 」のジョセフ・コジンスキー。
囚人を演じたマイルズ・テラーも「トップガン マーヴェリック 」で主人公マーヴェリックの相棒(グースの息子)を演じるなど、監督とは何本かの映画でタッグを組んでいる。
予告編はとてもよくできている。
クリス・ヘムズワース、マイルズ・テラーといった豪華キャストを迎え、SFスリラーを感じさせながらも、コメディ要素も盛り込んでいる気がする。
人間ドラマのようなストーリーも見せてくれるのではと大いに期待させる。
予告編の散漫したこの内容を、うまく本編でまとめ上げていってくれるのだろうと大いに期待は高まる。
が、どうだろう。
この予告編で高まった気持ちは映画鑑賞と共に徐々に薄まり、中盤以降はこの気持ちの高まりが消化されることもなく終わっていくのだ、
という若干の確信と虚しさのようなものを抱えながら見ることになる。
今作は、レット・リースとポール・ワーニックの脚本家コンビが担当した。
彼らはこれまでマーベル・コミックス原作「 デッドプール 」シリーズでお下品だけど魅力あふれるヒーローを描き出し、かと思えば、
真田広之も出演したSFスリラー「 ライフ 」を、最後までスリル溢れる展開で描ききった。
だが、今作ではあれこれ中途半端に手を付けて、上手くまとめきれず終わってしまった感がするのだ。
コメディ要素は入れず、人間が起こした罪との向き合い方だけに絞って描いていたら、最後のメッセージがもっと活きたのではと思ってしまうのが残念ではあった。
まとめ


少々辛口になってしまったけれど、見どころもちゃんとある。
マーベル・コミック原作「 マイティー・ソー 」のクリス・ヘムズワースしか観たことがないという方には是非オススメしたい。
一見温和だが、自分の欲望と身勝手な夢のために暴走する狂ったクリヘムが見られることだろう。