【 Netflix 】「 トスカーナ 」考察レビュー
イタリアの美しい都市、トスカーナ。
もし、その土地が手に入るとなったら、あなたはどうしますか?
遺産相続の当事者である、デンマークの世界的シェフは、どうしたでしょうか。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
トスカーナ
公開日
2022年
原題
TOSCANA
上映時間
90分
キャスト
- メヒディ・アヴァス(監督)
- アナス・マテセン
- クリスティアーナ・デランナ
- アンドレア・ボスカ
予告編
公式サイト内を参照
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
景観が最高です。
トスカーナは、雄大で心の癒されるイタリアの名所として知られています。
今作の良さは、あえてそれを前面に出さず、舞台として背景として、さりげなく設定している点にあります。
まるで絵画のような美しさ。
さらに、そこに牧歌的なクラリネットの音色が静かに流れます。
ストーリー自体も、ゆったりと展開されていくので、ぼーっと観賞しても楽しめるでしょう。
頑固な一流シェフ・テオ(主人公)が、父の残した遺産であるトスカーナで、それを相続するかどうか逡巡する中、その土地に住む1人の女性と出会います。
お互いのファーストコンタクトは、ややこしい客と、意地悪な店員の対決のようでハラハラしましたが、
感情を押し殺さずにオープンにするところが、イタリアらしいというか、裏表のないところに清々しさを感じました。
デンマークから来たテオも、いつしかイタリアマジックにかかっていきます。
今作の魅力は、観光さながらの追体験、人との出会いを楽しめることにあると思います。
そして、料理好きの人には、厨房の徹底した掃除や調理、食材のこだわり、配膳に感心することでしょう。
私自身も飲食店で働いているので、見習いたい点もありました。
サンドイッチを作る前に、三時間も掃除することは、なかなか真似できそうにないですが。
時と場所は違いますが、山本周五郎の小説(「 青べか物語 」「 ちいさこべ 」他)のような趣で、純朴な人との出会いの中で、人が変わっていく過程が、自然に描かれていました。
トスカーナを舞台にした映画は、「 モンテクリスト伯(2002)」「 トスカーナの贋作(2010)」など、少なくありませんが、
中でも、家族の大切さと戦争の悲惨さをテーマにした「 ライフ・イズ・ビューティフル(1997) 」が、お気に入りです。
まとめ
特別な人などいない。
でも誰もが特別になれる。
ふさわしい相手が見ていたら。
美しい風景、クラリネットの奏でる音楽、心のこもった料理を味わえる一品です。