こんにちは、Johnです。
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@mai)さんからの投稿レビューです。
東京オリンピックを機に注目が高まっている「 スポーツクライミング 」
それに一生懸命に打ち込む「 小寺さん 」を中心に、どんどんと変化していく高校生を描いた爽やかな青春映画です。
原作は、珈琲さんの同名漫画です。
「 仲間との絆 」「 勝利をもぎ取る 」とはまた違った「 自分のやりたいこと 」に対するひたむきさを丁寧に描いた今作の魅力を紐解いていきたいと思います。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
のぼる小寺さん

公開日
2020年7月3日
原作:珈琲「 のぼる小寺さん 」
上映時間
100分
キャスト
- 古厩智之(監督)
- 工藤遥
- 伊藤健太郎
- 吉川愛
- 鈴木仁
- 小野花梨
予告編
公式サイト
感想レビュー

好きだった点
高校生たちの、ひたむきに打ち込む爽やかな姿。
一生懸命な小寺さんに感化されて、進路も決まっていなかったような高校生たちがそれぞれ夢中になれるものを見つけ、周りの目を気にせずに取り組む姿が眩しかったです。
嫌いだった点
これは仕方ないことなのかもしれませんが、ツッコミどころが意外と多くある点。
小寺さんにネイルを完璧に施すシーンや、クラスメイトの前で進路の話をしたりするシーン。
スルー出来るのですが、ついツッコミを入れたくなるシーンが比較的多かったかなと思いました。
ただ、この作品は青春映画ですし、今作の伝えたいことを考えれば気にしなくてもいいのかなと思います。
見どころ
進路の決まっていないって人は大きく2つに分けられると思います。
自分の夢はあるけど飛び込めないでいる、もしくは夢がない。
今作は、どちらの立場の人も取り上げているのがまず素敵だと思います。
ネイリストやカメラマンなど、女の子2人は自分のしたいことが分かっているけど、それに飛び込めないでいます。
一方で、男の子2人は自分が何をしたいのか分からないけれど、一生懸命な小寺さんに魅力を感じています。
その4人に共通するのは「 どうせ… 」に続く「 自分に叶えられるわけない 」
「 一生懸命やるのって恥ずかしい 」という自己否定です。
この自己否定って多くの人が通る道だと思うのですが、小寺さんはそういう悩みを感じさせない真っすぐさでクライミングに取り組みます。
そんな姿に「 自分も頑張ってみようかな 」と各々が打ち込んでいくのです。
このラフさも良いなと思いました。
つい、何かに取り組むときに「 1位になる 」とか順位や資格で推し量ってしまいがちです。
しかし、小寺さんを見ていると、勝ち負け以前に自分が楽しいと思えることや打ち込めることに向かい合えてる時点で素晴らしいことじゃないかなと思えてきます。
そこが、まず他の青春映画とは違うところかなと思いました。
「 勝ち負け 」「 仲間との絆 」っていう熱さにも魅力は感じるのですが、自分と向き合っていくというひたむきさを売りにした作品も良いなと思いました。
次に、根っからの悪役がいないというのも、今作の爽やかさには必要不可欠の要素だと思います。
クライミング部の先輩は癖が強いですが、小寺さんたちの気持ちをちゃんと理解してくれる良い先輩です。
卓球部の同級生も、最終的には「 一生懸命に取り組むことに素直になれなかった 」という普通の高校生像で嫌いにはなれません。
そういう意味で、観賞後に「 あの人物だけはちょっと… 」というメインキャラクターがいないのは素敵だと思いました。
最後に、小寺さんの「 きっとあの人たちは寂しいんだよ 」という意味のセリフが印象的でした。
小寺さんが、文化祭のビラ配りに一生懸命な姿を笑う女の子が出てくるのですが、「 ムカつかないの 」と聞かれた小寺さんは「 寂しいんだね 」と返すのです。
頑張れば応援してくれる人は必ず現れてくれるけど、そこに至るまでには努力も必要だし、恥をかくこともたくさんあると思います。
そういう「 嫌な部分 」を笑うことで、自分からは遠ざけようとする姿に「 寂しい 」と感じる小寺さんは凄いなと思うシーンでした。
まとめ

最後には「 ザ・青春 」な感じの甘酸っぱい展開もあって、なかなか満足度の高い作品になっていると思います。
やっぱり伊藤健太郎さんの知名度がずば抜けているのかなと思いますが、主役を演じた工藤遥さんをはじめ、
役にぴったりとハマった演技の出来る若手役者の方々ばかりで、今後注目していきたいなと思いました。
工藤遥さんは11月に公開予定の「 461個のおべんとう 」にも出演されているので、そちらの作品も注目ですね!
頑張りたいけど頑張れないって人にも、今まさに頑張っているけどって人にもオススメの作品です。
鑑賞後、爽やかな余韻に浸れる作品です。