「 街の上で 」考察レビュー、今泉力哉ワールド全開

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街の上で
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文・ライター:@小松糸

下北沢の古着屋として働く荒川青。彼の周りで起こる、奇妙な人間関係の物語。

目次

街の上で

街の上で
©街の上で

公開日

2021年4月9日

上映時間

130

原題

OVER THE TOWN 

キャスト

  • 今泉力哉(監督)
  • 若葉竜也
  • 古川琴音

予告編

公式サイト

なし

感想レビュー

街の上で
©街の上で

好きだった点

今泉力哉ワールド全開。

個人的に、今泉力哉監督の作品のファンということもあり、今作もとても楽しみにしていた。

たくさんの個性的な登場人物が出てくるので、劇中で好きなキャラクターが必ずいる(わたしは警察官が好きでした)

嫌いだった点

特に何か大きな事件が起きるわけでもない、ゆったりとした時間の中で起こる様々な人間

関係を表した映画なので、喜怒哀楽や起承転結など、物語の波を好む人には不向きな映画か

と思った。

考察レビュー

街の上で
©街の上で

MAX のテンションで始まる会話のシーン。

別れ話をしているカップルの様子を描いているが、話を切り出すところから映すのではなく、あえてヒートアップしたシーンから出す、その導入が絶妙だった。

今泉さんの作品たちを総じて言うなら「 世界はとても狭い 」あの人とあの人が!?

のようなことがたくさん起きる。

画面の端でも面白いことが起きてるので、何度も見ればその度に新しい発見がある。

この作品には4人のヒロインがいる。

20代の至って普通な女の子たちが、惹かれ合うように下北沢に集まり、荒川青と出会い人間模様を繰り広げる。

荒川青を通じて、彼女たちが自分も知らないような一面に出会えたり、泣いたり笑ったり。

等身大の20代というような表現がよかった。

時にはクスッと笑えるようなシーンも、席が隣の人が同じように笑っているその空間自体が楽しかった。

劇場内が笑いに包まれる。

その時間がとても暖かい気持ちになったし、コロナ渦でいろいろ難しくなってる今、このようにみんなで笑える空間がとても好きだった。

今泉監督の作品、「 愛がなんだ 」で若葉竜也さんが演じた役名が「 仲原青 」今作は「 荒川青 」。

愛がなんだのファンからしたら、この繋がりはとても高まる。

映画「 ホットギミック 」で、間宮祥太朗さんが演じた役名が「 成田凌 」(なりたしのぐ)。

成田凌さんは、友情出演という形で映画に参加しているが、役名が「 間宮 」だった。

これは狙ってつけた名前らしいが、気づいた瞬間とても嬉しくなった点でもあった。

定点カメラで何分も進むシーンが多い。

2人の空気感を存分に楽しめる。

アクションとリアクション。

片方が話している時に、もう片方はどういった反応をしているか。

最低でも2回は見て、双方のお芝居をじっくり堪能したいと思った。

あまりにも雰囲気が自然なので、どこからどこまでが台本なのかとても気になった。

街の上で
©街の上で

東京に住むことがあれば、絶対に下北沢に住みたい。そう思わせられるような、下北沢の魅力、そして暖かさが全面に出ていた。すごく素敵な作品だった。

街の上で

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