こんにちは、Johnです。
今回は、ペンネーム(@mai)さんからの投稿レビューです。
日々、口にはわざわざ出さなくてもちょっと不満に思うこと、またやってしまったなと自分で反省することはよくあると思います。
それを描くのが「 架空OL日記 」という作品でした。
誰しもが、今作のどこかしらで共感できてしまう面白さがあります。
どうしてこんなにも共感できてしまうのでしょうか。
紐解いていきます!
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
架空OL日記

公開日
2020年2月28日
上映時間
100分
キャスト
- 住田崇(監督)
- バカリズム
- 夏帆
- 臼田あさ美
- 佐藤玲
- 山田真歩
予告編
公式サイト
感想レビュー

好きだった点
とにかく共感の嵐!という点です。
月曜日の憂鬱問題、親と同姓同名の店員に会ったというどうでもいい奇跡を喜ぶ、隣人のロッカーの開け方が大きすぎるなど。
そんな些細なことを取り上げ、しかも自分だけじゃないよねやっぱり、と共感できる点が今作の面白いところだと思います。
嫌いだった点
わざわざ映画館で見る必要はないかなという点です。
劇的ドラマがあるわけでもなく、基本的にユルユルとOLの日常が流れていくだけなので、人によっては家でゆったり見たいと思うかもしれません。
見どころ
「 共感 」がポイントです。
彼女たちが口にする愚痴や不満が本気ではないのもまた良き。
日々の不満や愚痴がバカリズム演じる<わたし>の立場の心の声として主に発信されます。
なので、必然的にちょっと毒の入った言葉も出てきます。
ただ、それを聞いて不愉快になるかと言われると違うんですね。
それは、彼女たちが本気で誰かの悪口を言うために、会話の機会を作って場をセッティングしてるわけではないからです。
あくまで、全ての会話は何かのついでであって片手間なんです。
暇な休憩時間、ちょっとした歯磨きの時間。
そのちょっと空いた時間にするための、身のこもったようなこもってないような会話の「 リアルさ 」が良かったです。
上司に対する不満だって、実際に感じてはいるけれど、だからといって本気で大嫌いかと言われると、あくまで日常のちょっとした鬱憤を晴らす対象なだけです。
その点込みで「 リアル 」で、内容が自分に刺さってしまうのが魅力なのだと思います。
考察・疑問点

共感できると言っても、ただ共感だけでは作品は作れません。
これが作品として魅力的に映るには、共感があるのはもちろん、それに加えて2つの魅力があるからだと思います。
- キャラ立ての巧さ
- ラストにタイトルを回収する点
< キャラ立ての巧さ >
登場人物が話を始める前の登場するタイミングで、その人がどういう立ち位置でどういうキャラクターなのかが分かってしまいます。
部屋着かと思うくらいのラフな服装にトートバッグの人もいるかと思えば、アクセサリーまでバッチリとつけた女子力全開な服装の人もいます。
主要人物5人が各々で「 そういう女子いるよね 」を体現してるからこそ、今作は共感ポイントが多くあるのです。
鑑賞している側の女性タイプは違えど、きっと誰しもが登場人物のうちの誰かに自分を重ねることができるはずです。
まず、この「 自分を重ね合わせる 」ことができるという点が魅力を後押ししてくれる要因の1つとなっています。
< ラストにタイトルを回収する点 >
「 架空 」とタイトルにもあるように、ラスト数分で< わたし >は、実は5人の仲良しOLグループの一員ではないと明かされます。
架空の人物だったのです。
しかし、その種明かし後< わたし >を演じたバカリズムがその銀行に行くと、< わたし >が抜けても以前と変わりない会話や雰囲気が続いています。
これこそが、最後に放り込まれた「 共感 」のポイントになるのだと思いました。
いつも仲のいいグループの誰かが結婚したからといって、自分に何か変化が起きるわけではないのと同じように、誰かが抜けてしまってもその場は機能してしまうのがかなり「 リアル 」です。
制作者がそこまで意図してるのかは分かりませんが、その点まで含めて共感できてしまうなと思いました。
まとめ

「 共感 」を呼ぶ会話劇が癖になってしまう作品で、女性の方はもちろん、男性の方にもちょっとした怖いもの見たさに似た気持ちで見て欲しいなと思います。
今作を好きになった方には、池松壮亮と菅田将暉の2人による会話劇「 セトウツミ 」という作品もチェックして欲しいです。
タイプの違う男子高校生2人によるボケとツッコミのバランスの良さにハマるはずです。
また、今作で共演している夏帆とシム・ウンギョンは昨年「 ブルーアワーにぶっ飛ばす 」でも共演しています。
「 ブルーアワーにぶっ飛ばす 」は、3月20日にTSUTAYAで先行レンタルがスタートされます。