第4作『ジュマンジ ネクスト・レベル』(2019)

あらすじ
かつてジュマンジを体験した4人組は大学生になっていた。ある日、ジュマンジの体験を忘れられない仲間の1人が、ゲームを再構築しようとするも、ジュマンジの世界に吸い込まれてしまった。友人救出のため、再びジュマンジの世界に繰り出す仲間たちが見た風景は、かつての世界とは全く違ったものだった。
公開日
2019年12月13日
原題
Jumanji: The Next Level
上映時間
123分
キャスト
- ドウェイン・ジョンソン
- ジャック・ブラック
- ケヴィン・ハート
- カレン・ギラン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー

今作はジュマンジが壊れているためにキャラ選択ができず、前作とはキャラクターがあべこべ。
しまいには、無関係でビデオゲームには縁遠いおじいちゃんまで訳も分からずに巻き込まれている。
登場人物たちの混乱はもちろん、中身は偏屈な老人のドウェイン・ジョンソンなど、キャラクターたちの掛け合いは軽妙で観ていて飽きない。
後半、ひょんなことから元の選択キャラに戻るあたりは、クライマックス前のちょうどいい盛り上がりにもなっていた。
また劇中で十全に機能していたかはさておき、前作までと異なり、今作は砂漠や雪山などジャングル以外のステージがあり、アドベンチャー感はより強く感じられる。
だが、物語としては粗と不足が目立つ仕上がりだった。
というのも、冒頭で書いた通り フレディたち皆が充実した日々を送るなか、スペンサーだけは冴えない学生生活を送って悶々としているわけで、根本的な部分が何も解決していない。
もちろん別人になり、仲間と協力してゲームをクリアし、一時の充足感を得ることには成功している。
しかし、これでは前作をなぞっているだけ。
また現実に戻ってしばらくすれば、冴えない生活が待っていることが予感されてしまう。
加えて、スペンサーは自分勝手にジュマンジに入った自分を助けに来てくれた仲間に感謝するわけでもなく、スキルなどない現実の自分に対して、何らかの答えを得た描写も見えない。
父と息子の関係を軸にその成長を描いていた1作目の「 ジュマンジ 」(1996)には、作品の根幹を為すテーマがしっかりと据えられていた分、
ただのお気楽なドタバタコメディになってしまった今作は残念に思えた。
まとめ

エンタメとして眺めている分には、シリーズの他作品同様に今作も申し分ない。
キャラクターはどれも愛嬌があって好きになれるし、展開もテンポよく進み、ストーリー自体も実に分かりやすい。
しかし、費やした2時間に値する何らかのカタルシスが欲しいと、個人的には思ってしまう作品だった。