第3作『ジュマンジ / ウェルカム・トゥ・ジャングル』(2018)

あらすじ
4人の高校生により偶然発見された古いカセットゲーム。ゲーム開始直後、彼らはゲームの世界に吸い込まれてしまった。自身が選んだキャラクターに変身し、ゲームの中で生き残りをかけてステージクリアを目指す。
公開日
2018年4月6日
原題
Jumanji: Welcome to the Jungle
上映時間
104分
キャスト
- ドウェイン・ジョンソン
- ジャック・ブラック
- ケヴィン・ハート
- カレン・ギラン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー

問題児4人が学校の居残り途中、古いビデオゲームを起動。
4人はそれぞれ選んだキャラクターの身体でゲーム世界に吸い込まれてしまう。
という序盤のあらすじを読むと、アニメやラノベに明るい読者であればソードアートオンライン(S.A.O)を思い浮かべるだろう。
しかし、S.A.Oのようなシビアな設定はなく、各キャラは3機分のライフポイントを持っている。
なので、映像や1つ1つの出来事にはスリルがあるものの、スペンサーら主人公たちのデスゲームに対する葛藤や不安は強く描かれない。
物足りなさを覚える方もいるだろうが、安心して眺められる。
また、気弱で冴えないスペンサーの選択キャラクターであるブレイブストーン博士を演じるのが、筋骨隆々で強さの象徴のような俳優ドウェイン・ジョンソンというミスマッチも、それだけで十分笑えるほど楽しめた。
惜しかったのは2点。
まず前作からのつながりが曖昧なこと。
どうやらビデオゲーム版「 ジュマンジ 」を作ったのは、前作の主人公であるアラン・パリッシャーらしいのだが、細かい事情や過去は語られない。
次回作への伏線なのかもしれないが、今作単体で観たときには消化不良に感じられる。
もう1つは、ステレオタイプ的なジェンダー観がところどころ感じられること。
前作も「 男なんだから~ 」と父が子に言うシーンはあったが、90年代後半という時代背景で許容できた。
しかし今作、乗り気ではないルビーに色仕掛けをするよう仲間が説得するシーンはさすがに引っかかるものがあった。
作り手は笑えるシーンとして描いているようだったが、実際かなり寒い。
小さい子供や家族で観られるシリーズだからこそ、そういった細やかな配慮がほしいところだ。
まとめ

ファミリー向けの映画としては、いささか気になる点も多かったが、手軽なファンタジー・コメディ映画としては十分に楽しめる。
ゲームを通して4人(5人)の間に固い絆が生まれる結末は、ややご都合主義的な側面も感じられるが、それは前作からのお約束なのだろう。
舞台は前作から2年後。
皆がそれぞれに充実した生活を送るなか、主人公のスペンサーだけはナゼかうだつが上がらない日々に逆戻り。
完璧だったあの頃を求めて再びジュマンジのプレイを始めてしまったスペンサーを追いかけ、仲間たちも再びゲームの中へと向かっていく。
前作の最後に鉄球で粉々に壊されたゲームが、どうやって起動したのかは不思議でならないが、きっと考えてはいけないことなのだろう。