第2作『ザスーラ』(2005)

あらすじ
今度の舞台は宇宙。ケンカに明け暮れる幼い兄弟ウォルターとダニー。ある日、弟ダニーは地下室で”ザスーラ”と書かれた古いボードゲームを発見した。興味本位でゲームを始めたダニーだったが、想像を絶する事態が次々と起こり始める。
公開日
2005年12月10日
原題
Zathura: A Space Adventure
上映時間
101分
キャスト
- ジョナ・ボボ
- ジョシュ・ハッチャーソン
- ダックス・シェパード
- クリステン・スチュワート
予告編
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー

宇宙を舞台としているだけあって、スケールは大きい。
流星群の到来やエイリアンの襲撃、燃える惑星による重力異常など、こうして並べただけでも少しワクワクするような出来事が立て続けに発生する。
しかし、科学考証をすれば目も当てられない瑕疵だらけ(なんと宇宙空間で火が燃える)なので、そこに目をつむれるだけの余裕と努力は必要になる。
さて、「 ジュマンジ 」が、父子の絆をテーマとしていたのに対し、今作は兄弟の絆を軸に展開する。
弟ダニーと兄ウォルターはとにかく仲が悪い。
口を開けば口論ばかりで、追いかけまわして取っ組み合いになることもしばしば。
とはいえ、お互いを心底嫌っているというわけではなく、ダニーはウォルターに遊んでくれとうっとうしいちょっかいを出すし、
ウォルターの可愛げのある意地悪もダニーのことが気になるが故のもののように感じられる。
兄弟がいる人であれば、2人の関係性を「 あるある 」と共感できるような部分も多いだろう。
そんな中、ダニーがザスーラを始めてしまい、兄弟は家ごと宇宙空間に飛ばされる。
次々と起こるめちゃくちゃな事象に「 もうゲームはしたくない 」と癇癪を起こすダニーに、元に戻りたい一心からゲームの継続を望み、弟を疎ましく感じるウォルター。
しかし、ゲームは2人のプレイヤーが順番に駒を進めなければならず、どちらか1人が欠けてもゴールは不可能になってしまう。
まとめ

途中、謎の宇宙飛行士が協力者として現れたり、意味不明な指令カードが伏線になっていたり、ストーリーのテンポのよさだけではなく、視聴者側を飽きさせない仕掛けが随所に観られる。
最後に明かされる宇宙飛行士の秘密も荒唐無稽と言えばそれまでだが、「 ジュマンジ 」シリーズに共通する浦島太郎的な時間の変質とは少し違った切り口になっていて、
「 新しい冒険 」らしさを感じることもできる。
興行的にはいまいちだったらしいが、評価は高く、シリーズが好きな読者ならば観ておいて損はない。
90年代の名作映画の続編に位置づけられる今作。
前作から20年以上経っており、当然〝ゲーム〟の在り方も時代と共に大きく変化している。
今作のジュマンジは、古いビデオゲームとなっているが、その実はフルダイブ式の仮想現実RPGといったところ。
技術が進歩していけば、ジュマンジの世界が決してあり得ないものではない、という事実に胸を躍らせつつ作品を鑑賞した。