映画ライフ楽しんでますか? 今回は、ペンネーム@小松糸さんからの投稿レビューです。
「 石橋ユウ 」という同じ名前の子どもを育てる3人の母。
ささいな日常のズレや違和感から、今まであったはずの幸せな日常が、だんだんと狂い始める。
明日の食卓

公開日
2021年5月28日
上映時間
124分
予告編
公式サイト
作品評価
[rate title=”5つ星”]
[value 2]映像[/value]
[value 4]脚本[/value]
[value 5]キャスト[/value]
[value 2]音楽(BGM)[/value]
[value 2]リピート度[/value]
[value 1]グロ度[/value]
[value 3 end]総合評価[/value]
[/rate]
感想レビュー

繋がっているようで繋がってない。
3本のオムニバス映画のような感覚。
3人の「 ユウ 」は、同じ国の違う場所で全く交わらない世界線で生きている。
なのになぜか3人とも運命が狂い始める。
静岡に住んでいるユウの演技がすごい。
大人の前では優踏生。
でも裏の顔を隠し持つ複雑な心理描写を見事に表現していた。
演じていたのは、ドラマ「 テセウスの船 」で注目を浴びた柴崎楓雅くん。
予告でも流れていた「 僕はいい子じゃない。お母さんもいいお母さんじゃない。」というセリフ。
台本にはなくその場で作られた言葉だったらしいが、彼の鬼気迫るお芝居も相まって、映画の中でも個人的にとても印象に残るシーンだった。
お芝居の観点で言うと、主演の菅野美穂さんのクライマックスシーンはスクリーンに目が釘付けになった。
心の内をそのまま吐き出すような絶叫。
結婚もしていなければ子どももいない私は、今作を見ていつか自分の家庭をもって子どもを叱りつけるシーンを想像してしまい、胸が苦しくなってしまった。
そこまで観客を引き付けたのは、彼女のクライマックスシーン。
そしてそれを一瞬たりとも逃さなかったカメラワーク。
まるで自分の実体験のようにトレースさせる臨場感は圧巻だった。
まとめ

最近、瀬々監督の作品に出会って観ている。「 楽園 」「 友罪 」「 64 」など、共通して見えるのが「 人間の本質 」
人間の汚い部分もさらけ出して映画にするイメージがある。
一方で「 8年越しの花嫁 」など、泣ける作品も多い。
誰にでも起こりうるような、でもある種フィクションのような、その狭間にあるリアルが絶妙で好きだ。