フェイブルマンズ(2022)

原題(英題)
The Fabelmans
公開日
2023年3月3日
上映時間
151分
キャスト
- スティーブン・スピルバーグ(監督)
- ミシェル・ウィリアムズ
- ポール・ダノ
- セス・ローゲン
- ガブリエル・ラベル
- ジャド・ハーシュ
- ジュリア・バターズ
- キーリー・カルステン
- ジーニー・バーリン
- ロビン・バートレット
- クロエ・イースト
- サム・レヒナー
- オークス・フェグリー
- イザベル・クスマン
- デビッド・リンチ
コメント
スピルバーグが自身の半生を映画化した自伝的映画。
主人公のサミー・フェイブルマンは、映画館で映画を見てから、作品作りに魅了されていく。
母から贈られた8ミリカメラを手に、列車と車の衝突を再現したり、家族の記録をしたりと、とにかく映画のことだけを考えて育っていく。
やがてフェイブルマン少年は、映画監督という夢を追いかけ、手にするのであった。
サミー役にガブリエル・ラベル、母親役に「 マンチェスター・バイ・ザ・シー 」(2016)のミシェル・ウィリアムズ、父親役に「 THE BATMAN ザ・バットマン 」(2022)のポール・ダノが起用された。
脚本は、スピルバーグと「 リンカーン 」「 ウエスト・サイド・ストーリー 」などを手掛けたトニー・クシュナーが筆を取り、緻密なストーリーを書き上げた。
見る者を驚愕させ、楽しませてきたスピルバーグの軌跡を、映画そのもので味わえる甘美な作品。
あらゆる感情の渦に巻き込まれながら、映画の素晴らしさを感じられるだろう。
スティーブン・スピルバーグが製作した作品たち
スピルバーグは監督以外にも、製作においてさまざまな作品に関わっている。
- 「 バック・トゥ・ザ・フューチャー 」シリーズ
- 「 メン・イン・ブラック 」シリーズ
- 「 トランスフォーマー 」シリーズ
- 「 グーニーズ 」(1985)
- 「 父親たちの星条旗 」(2006)
- 「 硫黄島からの手紙 」(2006)
世界的に大成功を収めた名作の製作までをも手掛けるスピルバーグ。
己のビジョンを映像に落とし込む多彩な技術は、次世代の監督たちに大きな力を与えている。
まとめ
「 激突! 」から「 フェイブルマンズ 」までの全作品を振り返ってみたが、これほどまでに振り幅の大きい監督もそうはいないだろう。
「 ジョーズ 」や「 ジュラシック・パーク 」のように生き物を対象としたパニック映画をハイクオリティで描き、「 未知との遭遇 」や「 E.T. 」では、これまでの宇宙人の常識を覆しながら革新的なストーリーを描き切っている。
かと思えば「 シンドラーのリスト 」や「 プライベート・ライアン 」では、戦争映画を新たな取り組みでリアルに再現し、重厚なヒューマンドラマを完成させている。
自身の内に眠る少年の心を忠実に映画に落とし込んだり、独創的なアイデアをものの見事に映像化する彼の監督業は、既に神の領域に達しているとさえ思えてしまう。
そして、スピルバーグはあらゆる作品を早撮りすることでも有名だ。
「 ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書 」は「 レディ・プレイヤー1 」の合間を縫って、わずか9ヶ月で制作完了。
1993年に公開された「 ジュラシック・パーク 」と「 シンドラーのリスト 」に至っては、並行作業にて完成させている。
他にも早撮りの伝説的所業は多々あるが、とにかくスピルバーグは監督として異例の速さで作品を仕上げている。
飛び抜けた想像力と早撮りの技術、監督としての演出手腕、どれをとっても一流のスピルバーグ。
彼が次に手掛けるのは、果たしてどのような作品なのだろうか。
私たちの期待をいい意味で裏切ってくれることを望まずにはいられない。

文・ライター:みくと