【 完全網羅 】ピーター・ジャクソン監督映画作品まとめ

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ピーター・ジャクソンは、言わずと知れたファンタジー大作「 ロード・オブ・ザ・リング 」三部作を撮り、

アカデミー監督賞をはじめとする、数多くの部門を受賞した名手です。

世界的なフィルム・メーカーとして知られるジャクソンですが、一方でカルト映画の巨匠としての一面も持っています。

この記事では、彼の多様性に富んだフィルモグラフィーを紹介していきます。

目次

ピーター・ジャクソン作品一覧

  1. バッド・テイスト(1987)
  2. ミート・ザ・フィーブルズ 怒りのヒポポタマス(1989)
  3. ブレインデッド(1992)
  4. 乙女の祈り(1994)
  5. 光と闇の伝説 コリン・マッケンジー(1996)
  6. さまよう魂たち(1996)
  7. ロード・オブ・ザ・リング(2001)
  8. ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002)
  9. ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還(2003)
  10. キング・コング(2005)
  11. ラブリーボーン(2009)
  12. ホビット 思いがけない冒険(2012)
  13. ホビット 竜に奪われた王国(2013)
  14. ホビット 決戦のゆくえ(2014)
  15. 彼らは生きていた(2018)
  16. ザ・ビートルズ:Get Back(2021)
  17. ザ・ビートルズ:Get Back ルーフトップ・コンサート(2022)

カルト映画からはじまり、お馴染みの大作映画まで幅広いジャンルがありますね。

最近では、ビートルズのドキュメンタリー映画に自ら監督として名乗りを挙げるなど、精力的に活動を続けています。

バッド・テイスト(1987)

©Bad Taste

原題(英題)

Bad Taste

公開日

1989年9月30日

キャスト

  • ピーター・ジャクソン(監督、出演ともに)
  • ピート・オハーン
  • マイク・ミネット
  • テリー・ポッター

考察レビュー

本作は、長編デビュー前のピーター・ジャクソンが、新聞社に勤めながら4年もの歳月をかけて完成させたSFホラー映画です。

製作にあたり、ジャクソンは自身の製作プロダクション、ウィングナット・フィルムを立ち上げ、

監督・脚本・主演・特撮を兼任しています。

本作がカンヌ国際映画祭で上映されると、ジャクソンはカルト映画監督として一躍有名になりました。

劇中の悪趣味なゴア描写は、まさに大手の配給会社に頼らない

インディペンデント映画だから許されたと思えるほどの過激さで、万人受けを気にしない監督の潔さを感じます。

ストーリーは、田舎に派遣された特殊部隊がエイリアンを駆逐し、村人を救うといったシンプルなものです。

エイリアンといっても終盤まで人間に擬態しているため、

全編に渡って描写されるエイリアンの肉体破損描写はグロテスクで気持ち悪いです。

明るいポスターとは裏腹に作風はしっかりしたSFホラーで、当時のチープな素材も不気味さとして際立っています。

結構怖い映画です。

ミート・ザ・フィーブルズ 怒りのヒポポタマス(1989)

©Meet the Feebles

原題(英題)

Meet the Feebles

公開日

1990年12月7日

キャスト

  • ピーター・ジャクソン(監督)

考察レビュー

本作は、かわいらしい動物のパペット人形で構成されたブラックコメディ映画です。

公開時、タイトルの「 フィーブルズ 」は「 フィーブル 」と改題されていましたが、

DVD発売時には原題通りの複数系で表記されています。

大人向けのミュージカルと上品に宣伝されていますが、中身は下品なジョークのオンパレードです。

フィーブルズとは、本作に登場する動物一座のことです。

表向きは、町で人気を集める華やかな団体を装っていますが、実際はドラッグや不倫が横行する集団という設定です。

前作よりも悪趣味さが際立った作品となっています。

その他にも、性病を患ったウサギやベトナム戦争のトラウマからドラッグに依存するカエルなど、

さまざまな社会風刺が盛り込まれています。

戦争映画「 ディア・ハンター 」(1978)のロシアンルーレットをはじめ、 映画のパロディが多いです。

作り手の人間性を疑うレベルの気持ち悪い描写が続くため、人間が実際に演じていなくてよかったと安心させられる一本です。

「 セサミストリート 」と、イルミネーションのミュージカル映画「 シング 」の R指定版といえます。

ブレインデッド(1992)

©Braindead

原題(英題)

Braindead

公開日

1993年6月19日

上映時間

104分

キャスト

  • ピーター・ジャクソン(監督)
  • ティモシー・バルム
  • ダイアナ・ベニャルヴァール
  • エリザベス・ムーディ
  • イアン・ワトキン
  • ブレンダ・ケンドール
  • スチュアート・デヴァニー
  • ジェド・ブローフィー

考察レビュー

本作は、映画史上最大量の血飛沫描写のあるゾンビ映画として有名です。

前作2作で培った悪趣味なゴア描写を、ゾンビという題材で最大限に披露しています。

ジャンルとしてはスプラッター要素のあるホラー映画ですが、

謎の猿に噛まれてゾンビになった母親を匿う主人公や、ゾンビの食事会、多種多様な殺され方のオンパレードといった

荒唐無稽な描写はもはやコメディです。

その過激なシーンの数々からは、単なるB級映画として片付けられない、常軌を逸したエンターテインメント性を感じます。

本作は、1973年から1993年にかけて開催された、ファンタジーやオカルトに特化した

フランスの映画祭「 アボリアッツ国際ファンタスティック映画祭 」でグランプリならびに批評家賞とSFX賞を受賞しました。

ピーター・ジャクソンが作るカルト映画の集大成といえる作品ですが、正直なところ見ていて気持ちが悪くなりました。

普通のホラー映画に飽きた人におすすめの一本です。

乙女の祈り(1994)

©Heavenly Creatures

原題(英題)

Heavenly Creatures

公開日

1995年9月9日

上映時間

100分

キャスト

  • ピーター・ジャクソン(監督)
  • メラニー・リンスキー
  • ケイト・ウィンスレット
  • サラ・パース
  • ダイアナ・ケント
  • クライブ・メリソン
  • ジェームズ・メイソン
  • メル・ファーラー
  • オーソン・ウェルズ
  • マリオ・ランザ

考察レビュー

本作は、1954年にニューヨークのクライストチャーチで実際に起きた、アン・ペリーによる殺人事件をもとに作られました。

タイタニック 」(1997)のローズを演じたケイト・ウィンスレットの初出演作です。

ピーター・ジャクソンは本作で、ヴェネツィア国際映画祭で監督賞の銀獅子賞を受賞しました。

内気な女子高生のポーリンは、イギリスから転校してきたジュリエットと親友になり、

やがて2人は自分たちだけの空想の世界を持つようになります。

2人の想像する” 幻想の国 “は白馬が駆け回り、花びらが舞う美しい風景です。

のちにロード・オブ・ザ・リングを撮るジャクソンのファンタジックな感性が垣間見えるシーンです。

やがてポーリンとジュリエットの間には愛が芽生えます。

しかしそれを周囲はよく思わず、2人を引き離そうと画策します。

冒頭の血まみれになって走るポーリンとジュリエットのシーンがここで繋がり始める構図です。

純朴な少女が残虐に変わる過程と、得体のしれないものに対する人々の偏見という、

2つの恐ろしさを丁寧に描いた作品です。

光と闇の伝説 コリン・マッケンジー(1996)

©FORGOTTEN SILVER

原題(英題)

FORGOTTEN SILVER

上映時間

53分

キャスト

  • ピーター・ジャクソン(監督)
  • サム・ニール
  • ハーヴェイ・ワインスタイン

考察レビュー

ピーター・ジャクソン本人率いるクルーが、

伝説の映画監督とされるコリン・マッケンジーの足跡を追うモキュメンタリー映画。

モキュメンタリーとは、ドキュメンタリーのように見せたフィクションのことですが、

ジャクソンは観客を騙す気など到底ありません。

なぜなら本作をドキュメンタリーとして認識している方でも、きっと鑑賞中に嘘ではないかと疑ってしまうほど、

次々と明かされる真実は荒唐無稽なものだからです。

例えばコリン・マッケンジーという映画監督は、世界で初めて映画に

トーキー(音声と画面が同期した、現在では主流の映画)を導入し、カラー映像までも発明したと語られます。

この時点で映画に精通している方は本作が嘘だと気付くでしょう。

さらに飛行機をはじめ、さまざまな発明品の歴史を改竄しています。

モキュメンタリーの手法で撮られた作品にもかかわらず、明らかに本物だと思わせる気のない設定の数々は、

まさにカルト映画の巨匠としてのジャクソン節が炸裂した結果です。

しかし映像には謎の信憑性の高さがあるため、幻の映画「 サロメ 」を巡る密林への「探検は臨場感があってワクワクしました。

さまよう魂たち(1996)

©The Frighteners

原題(英題)

The Frighteners

公開日

1997年2月15日

上映時間

110分

キャスト

  • ピーター・ジャクソン(監督)
  • マイケル・J・フォックス
  • トリニ・アルバラード
  • ピーター・ドブソン
  • ジョン・アスティン
  • ジェフリー・コムズ
  • ディー・ウォレス・ストーン
  • ジェイク・ビューシイ
  • チー・マクブライド
  • ジム・フィフェ
  • ジュリアーナ・マッカーシー
  • R・リー・アーメイ

考察レビュー

本作は、ピーター・ジャクソン監督のハリウッドデビュー作です。

バック・トゥ・ザ・フューチャー 」を撮ったロバート・ゼメキスが製作を担当しています。

幽霊と交流できる主人公・フランクをマイケル・J・フォックスが演じたことでも話題になりました。

さらに、劇中に登場する幽霊の特殊メイクを、” 特殊メイクの神様 “として知られるリック・ベイカーが担当しました。

彼は本作以降も「 グリンチ 」(2000)や「 PLANET OF THE APES 猿の惑星 」(2001)などの有名作品を手掛けています。

そしてスタンリー・キューブリック監督の戦争映画「 フルメタル・ジャケット 」(1987)に登場する

ハートマン軍曹がまさかの幽霊としてゲスト出演しています。

主人公のフランクは幽霊の友達を作り、彼らに怪奇な事件を起こさせて自ら解決するという詐欺師まがいな人物です。

その幽霊とフランクのコミカルなシーンがある一方で、人や幽霊が次々と悲惨な死に方をする点は

まさにホラーコメディらしい描写といえます。

また、本作の配給元がメジャーな会社というだけあって、

ジャクソンの悪趣味な演出はやや控えめになっている印象を受けました。

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