ジュラシック・パーク(1993)

原題(英題)
Jurassic Park
公開日
1993年7月17日
上映時間
127分
キャスト
- スティーブン・スピルバーグ(監督)
- サム・ニール
- ローラ・ダーン
- ジェフ・ゴールドブラム
- リチャード・アッテンボロー
- ボブ・ペック
- マーティン・フェレロ
- B・D・ウォン
- サミュエル・L・ジャクソン
- ウェイン・ナイト
- ジョセフ・マッゼロ
- アリアナ・リチャーズ
コメント
誰もが腰を抜かしたであろう、恐竜を現代に蘇らせたスピルバーグの傑作パニック映画。
マイケル・クライトンの原作を映画化し、CG技術で見事な恐竜を作り上げ、歴史を塗り替えた。
恐竜たちのリアルな姿を再現し、サスペンス要素を組み込んだスピルバーグの演出は、まさに神業。
子どもの頃に見た方も多いだろうが、下手をするとトラウマになりかねない恐怖シーンもある。
しかしながら全世界の子どもも大人も、スピルバーグが描く恐竜世界に目を光らせ、煌々とした興味をそそられたことは間違いない。
30年以上が経った今でも色褪せない革新的な映像技術と創造的な設定は、映画を映画たらしめている。
スピルバーグを名実ともに一流の映画監督に押し上げた傑作と言っても過言ではない。
科学者たちは遺伝子工学で恐竜を蘇らせ、夢のテーマパークを完成させる。
しかし、システムの不具合で恐竜たちが暴走。
パーク内に閉じ込められた人々は、人間に牙を剥き始めた恐竜たちから逃げることになる。
出演は「 ピアノ・レッスン 」(1993)のサム・ニールと「 ワイルド・アット・ハート 」(1990)のローラ・ダーンらが名を連ねる。
「 ジュラシック・パーク〜ワールド 」シリーズはこの順番で見るべし
シンドラーのリスト(1993)

原題(英題)
Schindler’s List
公開日
1994年2月26日
キャスト
- スティーブン・スピルバーグ(監督)
- リーアム・ニーソン
- ベン・キングズレー
- レイフ・ファインズ
- キャロライン・グッドオール
- ジョナサン・サガール
- エンベス・デイビッツ
コメント
「 ジュラシック・パーク 」で映画界に新たな歴史を刻んだスピルバーグは、本作でさらなる転換点を迎える。
「 ジュラシック・パーク 」と同年に公開された本作は、第66回アカデミー賞では12部門にノミネート。
作品賞や監督賞をはじめとする7部門で、初の受賞を果たす。
第二次世界大戦中にナチスから大量虐殺の標的となったユダヤ人を救う一人のアメリカ人“ オスカー・シンドラー ”の真実の物語を、リアリティにこだわり制作した。
例えば、凝ったカメラ技術を使わず手持ちカメラを採用し、歴史の中に入り込んだかのような演出をした。
本編はモノクロにして、ドキュメント風な主張を押し出す。
残虐な所業を静かに映し出すために、ジョン・ウィリアムスが手掛けた音楽が流れるシーンは、全編を通じて20%にも満たない。
演者に対しても、微妙な動きまでつぶさに指示を出し、真実味を追求・徹底した。
とことんリアルだからこそ、観客は非道な所業を目の当たりにして心を痛めると同時に、シンドラーの偉業について考えさせられる。
観客の心に疑問や失意を抱かせ、同時に平和の尊さを芽生えさせる偉大な映画なのだ。
なお、スピルバーグは本作で得た収益を寄付に回している。
ロスト・ワールド ジュラシック・パーク(1997)

原題(英題)
The Lost World: Jurassic Park
公開日
1997年7月12日
上映時間
129分
キャスト
- スティーブン・スピルバーグ(監督)
- ジェフ・ゴールドブラム
- ジュリアン・ムーア
- ピート・ポスルスウェイト
- アーリス・ハワード
- リチャード・アッテンボロー
- ビンス・ボーン
- バネッサ・リー・チェスター
- ピーター・ストーメア
- ハーベイ・ジェイソン
- リチャード・シフ
- トーマス・F・ダフィ
- ジョセフ・マッゼロ
- アリアナ・リチャーズ
コメント
「 ジュラシック・パーク 」から4年後を舞台にした続編であり、スピルバーグが監督したジュラシックシリーズでは、最後の作品となる(スピルバーグは、その後の作品で製作に回った)。
前作と同じくジェフ・ゴールドブラムがイアンを演じ、ジュリアン・ムーアが恋人のサラ役で新たに登場。
本作は、閉鎖されたまま放置された島で、恐竜たちが繁殖し、野生化していると聞かされたイアン博士。
イアン博士はハモンドから島の調査を依頼されるも危険だと拒否する。
しかし、恋人の古生物学者・サラが現地に足を踏み入れていることを知り、駆けつけることに。
一方、ハモンドの甥のルドローは島に恐竜ハンターたちを送り込み、パークの再建を企てていた。
前作「 ジュラシック・パーク 」の勢いは失速したものの、アメリカ本土で暴れ狂うティラノサウルスとの攻防は、手に汗握るハラハラな展開。
再び蘇った恐竜たちの姿に興奮するも、あっという間に恐怖の渦に巻き込まれるパニック超大作が誕生した。
アミスタッド(1997)

原題(英題)
Amistad
公開日
1998年2月28日
上映時間
155分
キャスト
- スティーブン・スピルバーグ(監督)
- モーガン・フリーマン
- ナイジェル・ホーソーン
- アンソニー・ホプキンス
- ジャイモン・フンスー
- マシュー・マコノヒー
- デビッド・ペイマー
- ピート・ポスルスウェイト
- ステラン・スカルスガルド
- アンナ・パキン
コメント
本作は、スピルバーグが「 ドリームワークス 」を設立して初めての監督作品。
黒人奴隷制度に異を唱える勇敢な人々を主人公に、実際に起こった事件をモデルとして制作された。
「 評決のとき 」(1996)のマシュー・マコノヒーや「 セブン 」(1995)のモーガン・フリーマン、「 羊たちの沈黙 」(1991)のアンソニー・ホプキンスなど、名だたる名優が出演。
1839年、アフリカのとある村が奴隷省に買い取られ、シンケは仲間とともに連れ去られてしまう。
アミスタッド号に乗せられ酷い仕打ちを受けながらも、なんとか首枷を解いたシンケと仲間たち。
鎖を解いた彼らは、乗組員を惨殺し船を乗っ取るが、船が着いたのはアメリカだった。
奴隷制度が認められていたアメリカでの生々しくおどろおどろしい現実は、重厚なドラマを何倍にも重くする。
シンケ役のジャイモン・フンスーを筆頭に、演者たちの演技が物語のコントラストを強め、人間の在り方を問う。
「 シンドラーのリスト 」に続き、歴史的意義を持つ大作が誕生した。
プライベート・ライアン(1998)

原題(英題)
Saving Private Ryan
公開日
1998年9月26日
上映時間
170分
キャスト
- スティーブン・スピルバーグ(監督)
- トム・ハンクス
- エドワード・バーンズ
- マット・デイモン
- トム・サイズモア
- バリー・ペッパー
- アダム・ゴールドバーグ
- ビン・ディーゼル
- ジョバンニ・リビシ
- ェレミー・デイビス
- テッド・ダンソン
- ポール・ジアマッティ
- デニス・ファリナ
- ジョーグ・スタドラー
- マックス・マーティーニ
- ディラン・ブルーノ
- ディミトリ・ゴリトサス
コメント
「 シンドラーのリスト 」で念願のアカデミー賞を手にしたスピルバーグの再受賞は早かった。
第二次世界大戦中のノルマンディー上陸作戦を題材に、壮大なヒューマンドラマを描ききったスピルバーグは、第71回アカデミー賞で監督賞と編集賞、撮影賞、音響賞、音響効果編集賞の5部門を受賞。
1人の兵士を救出するべく、8人の兵士が戦火をくぐり抜けていく壮大な歴史ドラマを描いた本作は、ナイランド兄弟と呼ばれる実在の兄弟がモデル。
ロバート・ロダットが脚本を手掛け、主演にトム・ハンクスを迎えスピルバーグが映画化した。
のっけから残酷描写が冷淡に映し出され、戦争の悲惨さをこれでもかと見せつける。
まさに地獄絵図としか言いようがない有様に、観客は唖然とするほかないだろう。
カメラワークも非常に卓越している。
「 シンドラーのリスト 」でもそうだったように、手持ちカメラで徹底したリアリズムを演出。
映像に臨場感と現実味を加えているため、観客は劇中の戦火に無理やり巻き込まれていくのだ。
戦争映画としての歴史を塗り替えた戦闘シーンは、瞬く間にハリウッドを席巻した。
アカデミー賞に輝き、多くの監督たちの作品作りにも影響を与えた。