
1976年に香港で「 少林寺木人拳 」が製作され、3年間で10作のジャッキー・チェンの「 拳シリーズ 」が生まれました。
日本では、79年に「 酔拳 」が公開され、ヒットしたことにより「 蛇拳 」「 笑拳 」が続けて公開され大ブレイク。
この3作は「 モンキーシリーズ 」とも呼ばれます。
今回は「 拳シリーズ 」のうち「 モンキーシリーズ 」3作を紹介します。
画像の引用元:IMdb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
ドランク・モンキー 酔拳


あらすじ
公開日
1979年7月21日
原題
Drunken Master
上映時間
111分
キャスト
- ユエン・ウーピン(監督)
- ジャッキー・チェン
- ユエン・シャオティエン
予告編
なし
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


カンフーアクションの型といえばブルース・リーでしたが、それを覆したジャッキー・チェンの日本初上陸作。
ジャッキー演じる主人公のウォン・フェイフォンは、清朝末期に実在した広東の武術家です。
コミカルでいたずら好きな設定のジャッキー版フェイフォン以前は、高潔で威厳のある人物として定着していたそうです。
今作は、子どもの頃、テレビの再放送で観ただけだったのに、成人してからの宴会では瓶ビール片手に酔拳を演じて、大ウケしたことがあります。
酔えば酔うほど強くなる。
否、酔うほど面白くなる?
道場の館主である父ウォン・ケイインに追い出され、酔八仙(酔拳)の師匠となるソウ・ハッイーに預けられ、1年間みっちり修行でしごかれます。
師匠に「 酔拳を覚えるには酔うのが一番 」と言われ、2人で飲みながら、唐詩を詠み合うシーンが乙でした。
香港では、学校で唐詩を暗唱するんですね。
クライマックスは、父の命を狙う殺し屋ティエ・シンと、修行帰りのフェイとの一騎打ち(この格闘シーンだけで心地よく酔えます)
酔っているようで酔っていない。
柔と剛、虚と実を駆使し、師匠の教えを自己流にアレンジしたジャッキーの技に見惚れたまま、終劇。
スネーキーモンキー 蛇拳


あらすじ
公開日
1979年12月1日
原題
Snake in the Eagle’s Shadow
上映時間
97分
キャスト
- ユエン・ウーピン(監督)
- ジャッキー・チェン
- ユエン・シャオティエン
- ウォン・チェンリー
予告編
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


モンキーシリーズ2作目。
香港での制作と公開は、今作が先です。
道場門下生のチャン・フー(ジャッキー)は、ひょんなことで老人バイ・チャオティエン(ユエン・シャオティエン)に助けられ、蛇拳を教わることに。
蛇拳とは、中国の伝統武術にある形意拳のひとつで、動物の動きをヒントにあみだされたもの。
ヴィランの鷹爪派の殺し屋シャンクアン(ウォン・チェンリー)が、タオパイパイにしか見えませんでした。
ドラゴンボールには、ジャッキー・チュンというキャラが登場するくらいですから、作者の鳥山明にも大きな影響を与えたのでしょう。
格闘ゲーム「 バーチャファイター 」にもそっくりなキャラや、「 酔拳 」を使う老人キャラがいましたね。
映画作品への影響といえば、師匠役を演じたユエン・シャオティンの息子ユエン・ウーピン監督が、後年「 マトリックス 」の武術指導でハリウッドデビューを果たします。
息の合った師弟コンビのかけ合いは、石丸博也(ジャッキー)と小松方正(シャオティン)の吹き替え版で楽しみたいですね。
少年時代は、ほとんど吹き替え版で観ていたので、懐かしさがよみがえりましたよ。
「 お師匠さまは熱いお茶がお嫌いなんだよ、入れ替えたのさ 」
クレージーモンキー 笑拳


あらすじ
公開日
1980年4月19日
原題
The Fearless Hyena
上映時間
98分
キャスト
- ジャッキー・チェン(監督)
- ジャッキー・チェン
- ジェームス・ティエン
- ヤム・サイクン
予告編
なし
公式サイト
なし
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー


モンキーシリーズ3作目、ジャッキー・チェン初監督作。
「 ルパン三世 」のモンキー・パンチが日本公開版に合わせた作画を描いています。
日本版では、Dr.スープによる独自の主題歌「クレージーモンキー」や挿入歌「モンキーマン」が流れます。
作曲家はキース・モリスン(昔は外国人だと思い込んでいました)
主人公シンロン(ジャッキー)は、行意門派の開祖である祖父(ジェームズ・ティエン)の仇を打つために、祖父と同門のチェンから奥義「 笑拳 」を学びます。
復讐のために修行に励むシーンは、まるで「 ロッキー(1976)」のようでもありますが、ジャッキー独自のユーモアと本格アクションが見どころですね。
基本の型、四股立ち、前屈の動作で、昔、自分も空手を習いに道場へ通っていたことを思い出しました。
ジャッキーのアクションは、基本を極めているからこそ編み出されるのだと思います。
体の動きと感情の動きを一体化させ、攻撃と防御に心の喜怒哀楽を体で表現する。それ即ち笑拳の極意なり。
ユーモアとカンフーの塩梅が良い感じに高まりクレイジーな金的で敵を叩きつけた後、なぜか「 子連れ狼 」のような演出がされたまま、終劇。
まとめ
シリーズは、このあと、日本公開順に、「 拳精 」「 少林寺木人拳 」「 龍拳 」「 蛇鶴八拳 」「 天中拳 」「 成龍拳 」と続きます。
ジャッキー映画の礎ともいえる今シリーズ。
中国3000年の歴史を背負った、ジャッキー拳法を堪能しましょう。