疑問点を解説
DNA鑑定
映画のクライマックスでDNA鑑定の結果が判明。
DNAは容疑者パク・ヒョンギュのものと一致しなかったので、逮捕できずというオチでした。
1980年代のDNA鑑定技術は、現在と比べるとかなり精度が落ちると言われています。
結局、パク・ヒョンギュは犯人だったのか?という疑問が残った人も多いかと思います。
当時のDNA鑑定技術が不正確だっただけで、実はパク・ヒョンギュが犯人だった可能性もありますね。
当時の韓国は軍事政権下
華城連続殺人事件が起きた時代背景を知っておいて損はないでしょう。
当時の韓国は朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の暗殺事件に乗じて、クーデターを起こし政権を掌握した全斗煥(チョン・ドゥファン)政権時代。
光州事件が起きたのも全斗煥政権の時代です。
ぼくは、全斗煥あんまり好きじゃないですけど。
全斗煥政権の時代は、軍事演習が盛んに行われ夜間外出禁止令が出ていた時期として覚えておきましょう。
今作で夜間にサイレンが鳴ったりするのは、夜間外出禁止令があったからですね。
33年ぶりに犯人が特定される
迷宮入りと思われた華城連続殺人事件。
なんと2019年になってようやく犯人が特定されました。(33年ぶり)
時効成立のため、犯人に事件の罪は問えないものの、犯人は別の殺人事件で服役中の男性ということが判明しています。
すでに無期懲役なので、どのみちあれですけど犯人が特定できただけ良かったんじゃないですかね。
1986~1991年の華城連続殺人事件日誌(引用元:ハンギョレ新聞社より)
現在のDNA鑑定技術により、犯人として特定された男性。
韓国警察によると、彼が犯人でない確率は10の23乗分の1とのことです。
99.99%犯人と言えますね。
最後は雨の降る日ではなかった
最後に犠牲になったのは中学生の女の子でした。
夜のラジオ放送で、リスナー男性が憂鬱な手紙という曲をリクエストする日に必ず事件が起きていることを発見した女刑事。
しかもその日は、必ず雨が降っているという偶然にしては出来すぎということで浮上した容疑者がパク・ヒョンギュです。
疑問として、最後に中学生が殺された日は雨が降っていなかったですよね。
言い代えるのであれば、事件は別に雨の日ではなくて、いつでも起こり得た可能性があったということじゃないですかね。
ラストシーン
刑事を退職して久しぶりに事件現場に来たパク・トゥマン。
そこに通りがかった小学生の少女がこんなことを言いました。
「 ついこの間もおじさんが同じ場所を見ててなぜ見てるの?って聞いたら、昔ここで自分がしたことを思い出して久しぶりに来てみたって言ってたの。そのおじさんの顔は普通の顔だったわ 」
思いっきりそいつ犯人じゃねえか!と愕然とするパク・トゥマン。
彼は一体何を思ったのでしょうか。
どう思ったのかは映画を見ている人にご想像をお任せします的な感じで映画は終了。
このラストシーンは少しゾッとしました。
犯人は普通の顔してたらしいですね。
斎藤工がわざわざポン・ジュノ監督に話を聞いてくれました。
ラストシーンでソン・ガンホの顔面がアップされたのは、監督いわくスクリーンから主人公が犯人を覗き込んでいる意図があるとのこと。
なるほど納得ですね。
ポン・ジュノ作品
ポン・ジュノマスターになる為に、彼の作品を制覇しましょう。
まとめ
今作で唯一の犯人目撃者は、クァンホという知的障害をもつ男性。
クァンホが列車にはねられて死んでしまったので、事件の目撃者はいなくなってしまいます。
この時点で迷宮入り確定じゃんと思いました。
今作は、作品としても評価が高いので見てない人は是非チャレンジしてみては?
ぼくは、チェイサーの方が好きでしたけどね。
斎藤工がテレビで今作を絶賛していた影響で、このブログ記事アクセスが爆増しました。
韓国映画「殺人の追憶」の記事アクセスがありえない数字になっていたので調べてみた。
斎藤工よお前が犯人だったのか。
「殺人の追憶」についてTVで語っている。— chicosia (@chicosia_com) November 26, 2019
犯人は先月に捕まったと言っていましたが、犯人はすでに別の罪で服役中の男なはずなんですけどね。
まあどのみち時効が成立しているので罪には問えず、今更どうすることもできないという悲しき事件。
作品としては素晴らしい。