「 マティアス&マキシム 」考察レビュー、切なくも美しい純粋な同性愛が描かれる

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マティアス&マキシム
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映画ライフ楽しんでますか?

今回は、ペンネーム(@ayahhi)さんからの投稿レビューです。

苦悩と愛おしさが交錯する、切なくも美しい、青年同士のラブストーリー。

 

画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

目次

マティアス&マキシム

マティアス&マキシム
©マティアス&マキシム

公開日

2020925

原題

Matthias & Maxime

上映時間

120

キャスト

  • グザヴィエ・ドラン(監督)
  • ガブリエル・ダルメイダ・フレイタス
  • ピア・リュック・ファンク

予告編

公式サイト

マティアス&マキシム

作品評価

[rate title=”5つ星”]

[value 4.5]映像[/value]

[value 4]脚本[/value]

[value 5]キャスト[/value]

[value 4]音楽(BGM)[/value]

[value 5]リピート度[/value]

[value 2]グロ度[/value]

[value 5 end]総合評価[/value]

[/rate]

感想レビュー 

©マティアス&マキシム

好きだった点

友情を壊したくなくて、思いを打ち明けないマキシムの感情や、本当はマキシムを離したくないのに、婚約者のいるマティアスの後戻りのできなさ。

苦悩が痛いほど伝わってきて、感情移入せずにはいられませんでした。

嫌いだった点

パーティーシーンでの男子校ノリというのでしょうか、意地悪さや人をコケにする空気がちょっと苦手でした。

見どころ

全体を通して、美しい映像と豊かな表情にあふれていますが、特に終盤のシーンは印象的。

人生をやり直すべく、オーストラリアで暮らすビザ申請のため、マティアスの父に推薦状を頼んだマキシム。

ところが、一向に推薦状は来ず、何度もマティアスに確かめてもあやふやな答え。

実はこれ、マティアスがマキシムを行かせたくなくて、本当は父からもらっていた推薦状を、わざとマキシムに渡さなかったからだと判明します。

実は高校生の頃にも1度キスを交わしている2人。

そのことをマティアスは忘れていて、マキシムは大事な思い出として覚えています。

友人のパーティー宅で気持ちを確かめ合う行為に及ぶも、そっけなく去ってしまうマティアス。

マキシムに対する気持ちが噴き出してしまい、それを押し殺そうと、必死にそっけない態度をとるマティアスに、マキシムは自分の片想いなのかと思います。

しかし、推薦状の件により、マティアスの自分への思いを確信し、喜びと切なさが押し寄せるマキシムの嗚咽シーンは胸を締め付けられます。

考察・疑問点

ラストシーンは人によっていろんな解釈ができるのでは?と思います。

マティアスが自分を愛していたと知ったマキシムは、それでも旅立とうと家を出ます。

ドアを開いたその瞬間、一番会いたかったマティアスが笑顔でそこに。

マティアスは、苦悩や戸惑い・作り笑いなどばかりで1度もこんな屈託のない笑顔は見なかったな、と思わせる笑顔でした。

空港へ送ってくれる友人も、笑顔で「 ほら、お前の好きなマティアスだよ 」とばかりに側にいます。

彼もまた、全てを悟っているのでしょう。

そして、息子のようにマキシムをかわいがるマティアスの母もまた、自分の息子が本当に好きなのはマキシムだと知っていたのではないでしょうか。

幼い日、マティアスが描いた「 マティアスとマキシムの世界 」という絵を20年以上も大事にしまっていたのですから。

息子の美しい婚約者を誇らしく思いながらもマティアスの母もまた、自分の息子の境遇を理解し、その切なさを明るさやユーモアで乗り切っていたのかもしれません。

これは、ハッピーエンドだったのかどうか?

マティアスが婚約者と別れる描写も、マックスが空港へ向かうのをやめる描写もありません。

もしかしたら、全てが明るみになった上で、そのまま何事もなかったかのように、互いの決めた道に進んでいったのかもしれない。

そして、それが幸せな選択だったのかもしれないのです。

正解なんてないし、誰も彼らの感情や選択を責めたり、指図なんてできないですよね。

それがまた、切なく、また救いのあることでもあるなと思うのです。 

まとめ

©マティアス&マキシム

お互いを好きで、求め合っているのに、状況がそれを許さない。

なんて切ないことかと思います。

彼らの場合、同性愛による差別や偏見が、婚約者のいるマティアスや新たな世界に旅立つマキシムの将来を奪うのです。

状況だけ見ると切なくてどうしようもないのですが、随所にみられる友情や愛情、人の温かさに救いがあり、見終わった後に「 ああ、いい映画だったなあ 」と心が温かくなる1本です。

本作でマキシムを演じ、監督、脚本、衣装、プロデューサーも務めるグザヴィエ・ドラン氏の多才さ、多彩さに今後も目が離せません!

同性愛を描いた作品「 ブローク・バック・マウンテン 」もオススメ。

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