「 ドライブ・マイ・カー 」考察レビュー

ドライブ・マイ・カー

管理人

映画ライフ楽しんでますか? 今回は、ペンネーム@ジョナさんからの投稿レビューです。

ビートルズの「 ドライブ・マイ・カー 」をモチーフにした村上春樹の同タイトル短編が原作。
 
ぶっきらぼうなドライバー・渡利みさき(三浦透子)の運動するサーブ900は、主人公の家福(西島秀俊)と私たちを乗せて、何処へ連れて行ってくれるのでしょうか?
 
 

画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)

ドライブ・マイ・カー

ドライブ・マイ・カー

©ドライブ・マイ・カー

公開日

2021年8月20日

上映時間 

179分

キャスト

  • 西島秀俊
  • 三浦透子
  • 霧島れいか

予告編

公式サイト

ドライブ・マイ・カー

作品評価

作品評価
映像
(4.0)
脚本
(5.0)
キャスト
(5.0)
音楽(BGM)
(4.0)
リピート度
(4.0)
グロ度
(1.0)
総合評価
(5.0)

ドライブ・マイ・カー(感想レビュー)

ドライブ・マイ・カー

©ドライブ・マイ・カー

村上主義者(=ハルキスト)として、村上作品の映画化で気になるのは、原作の世界観や雰囲気が損なわれていないかどうか、に尽きます。
 
その点において、今作はばっちりクリアしていました。
 
それどころか、精緻かつ大胆な脚本で、物語全体がさらに豊かなものになっていました。
 
原作短編の収録されている「 女のいない男たち 」から、他の作品のエッセンスも加えられていたのが良かったです(「 シェエラザード 」「 木野 」)
 
チェーホフの「 ワーニャ伯父さん 」の演劇を世界各国から集まった作中人物たちが、稽古を積み重ねて作り上げていく過程も見どころでした。
 
カセットテープで繰り返し流される、亡くなった妻(霧島れいか)の抑揚をおさえた声も、耳に心地よかったです。
 
妻の不倫相手でもあり、演出家の家福がオーディションで採用した高槻(岡田将生)の言葉が、
 
「 彼の言葉は曇りのない、心からのものとして響いた。少なくともそれが演技でないことは明らかだった 」(原作より)
 
というものとして、放たれるシーンも、演技を越えたものとして、心に迫ってきましたよ。
 
演劇用語の「 本読み 」(ひたすらセリフを読み込む練習)を何度も繰り返すように、丁寧にじっくりと物語が進んでいきます。
 
3時間という長尺ですが、それは作中人物たちの「 再生 」を描くためには、必要不可欠な長さなのだと感じました。
 
「 喪失 」がテーマとも読める村上作品との、差異は、今作で、「 喪失のあとの再生 」までを見事に映像で示したことにあるでしょうね。
 
ひとつのものを共同で作り上げ、観客に感動を届ける。
 
言葉にすると簡単でも、実行するには困難であることに挑み、俳優たちを巻き込んで、それを成し遂げた濱口竜介監督の、快挙。

まとめ

ドライブ・マイ・カー

©ドライブ・マイ・カー

映画史の新しいページに、筆跡を残すことになる意欲作だと思います。
 
村上作品の映画化は、デビュー作の他に、「 トニー滝谷 」「 ノルウェイの森 」「 バーニング 」など幾つか挙げられます。
 
個人的には「 ハナレイ・ベイ 」がお気に入り。
 
今作は、それらとは一線を画した、邦画の新しい代表作として観るのが良いでしょうね。