刑事ドラマ好きにはたまらない。
ズートピアは、今こそ大人が見るべきディズニーアニメ!
男性社会からか弱い女性が、持ち前の機転と行動力で成功を果たす物語としても見てもよし。
事件の真相に迫っていく刑事ドラマとしても見てもよし。
ズートピア
公開日
2016年4月23日
原題
Zootopia
上映時間
108分
キャスト
- リッチ・ムーア(監督)
- バイロン・ハワード(監督)
- ジャレド・ブッシュ(監督)
- ジニファー・グッドウィン
- ジョイソン・ベイトマン
予告編
公式サイト
感想レビュー
あらすじ
片田舎のバニーボロウの子うさぎジュディの夢は、大都会ズートピアの警察官になることでした。
しかし、警察官になれるのは肉食動物と大型動物だけ。
ウサギの警察官は一匹もいません。
夢を諦めることが幸せになる道だと信じている両親や周囲は、ジュディの夢を否定します。
でもジュディの信念は諦めないこと。
人一倍の努力で体力と知力を鍛え、持ち前のすばしっこさで肉食動物を圧倒。
警察学校を主席で卒業、ついに警察官になることができました。
ところがズートピア警察署の署長ボゴが、ジュディに与えたのは駐車違反の切符きりでした。
署長が課したノルマも達成し、さらに花屋の強盗事件を解決したにもかかわず、ボゴ署長はジュディを認めません。
ジュディは、自分の実力を示すために行方不明になったカワウソ・オッタートン氏の捜索をかってでます。
署長の示した期限は48時間。
ジュディは、詐欺で生計を立てる小悪党のキツネ・ニックの弱みを握って捜索の協力をさせます。
捜索をすすめるうちに、オッタートンの失踪は、連続肉食動物失踪事件と関与しているのを突き止めます。
ジュディが発見した建物の中には失踪した肉食動物が檻の中に。
肉食動物は一様に野生に戻り凶暴化していました。
犯人はライオンの市長ライオンハート。
凶暴化した肉食動物を知られると、草食動物が恐れを抱くと思い事実を隠蔽しました。
ライオンハートは逮捕され、肉食動物の凶暴化でズートピアは肉食動物と草食動物の2つに分断されます。
ニックとの信頼関係も失ったジュディは、夢やぶれて両親のいるバニーボロウに引っ込みます。
ニンジン作りを手伝っているうちに「 夜の遠吠え 」という花の中に、動物を凶暴化する成分があることを知ります。
ジュディはズートピアに舞い戻り、ニックと再び手を組み、真犯人を追及するのでした。
好きだった点
かわいい動物が多く登場するお花畑的アニメと思っていたら大違い。
48時間以内に犯罪者と組み事件を解決するという展開は、エディー・マーフィーの出世作「 48時間 」と同じだし、
ネズミのギャング「 Mr.Big 」はあの「 ゴッドファーザー 」のドン・コルリオーネそのもの。
大人にしか分からないお遊びが散りばめられているのが嬉しいですね。
肉食動物と草食動物で価値観が分断されている社会は、人間社会の人種差別、格差差別のメタファーです。
最近もアメリカで警官による黒人男性の暴行死がありました。
エンタメ色が強いのに、メッセージ性には重いものがあります。
見どころ
ストーリーとはあまり関係ないですが、免許センターのナマケモノが印象的でした。
手がかりを求めて免許センターに行き、手続きが終わったら外はもう真っ暗。
アメリカの免許センターの手続きを皮肉っているんですかね。
ナマケモノの名前がフラッシュというのも笑えますね。
考察・疑問点
ジュディとコンビを組むのがキツネのニック。
せこい詐欺行為で日銭を稼ぐ小悪党ですが、最初はジュディの理想主義を冷たい目で見ています。
ジュディに感化されて、自分の夢を思い出します。
草食動物たちからのイジメがトラウマになっていたのです。
最終的には詐欺師の経験と知識が捜査に活かされます。
全く環境が違う者が分かり合えるのかというテーマが根底にあります。
その象徴がジュディとニック。
警官と犯罪者、真っ正直とひねくれもの。
全く正反対2人が事件を通して心が通じ合っていくプロセスが「 手錠のまゝの脱獄 」「 48時間 」を彷彿とさせます。
まとめ
大人の鑑賞にも耐えるというより、大人こそ最大限に楽しめるアニメです。