平凡なリスがスーパーヒーローになって正義のために戦うというヒーローアクションと思いきや、ハートウォーミングなファミリーコメディでした。
スーパーリスが悪いやつらをバッタバッタとなぎ倒すシーンは全くありません。
ヒーローは僕らの心の中にいると思えるとホッコリするドラマ。
フローラとユリシーズ
公開日
2021年3月1日
原題
Flora & Ulysses
上映時間
95分
キャスト
- レナ・カーン(監督)
- マチルダ・ローラー
- アリソン・ハニガン
- ベン・シュワルツ
- ベンジャミン・エヴァン・エインズワース
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー
物語はフローラがコミックショップの中古本を売りに出すシーンから始まります。
10歳と言えば、ヒーローは現実には存在しないと分かる年頃です。
ヒーローを夢見ることはやめて、現実的になろうと決意するフローラ。
ジョージ(フローラの父)は漫画家でしたが、今は落ち目になり、家電量販店で働いている。
フィリス(フローラの母)はロマンス小説家でして、別居して以来、小説が書けなくなっている。
ヒーローにはなれないと自覚した後は、現実的になれる職業に憧れます。
小説家も漫画家も憧れの職業ですが、夢を叶えてもそれを維持していくのは厳しい。
夢見がちな10歳のはずなのに、フローラはすっかり現実的というより悲観的になって「 期待するな観察しろ 」という言葉を自分に言い聞かせています。
これマインドフルネスとか禅などの教えです。
10歳で悟りとは達観しすぎだと思います。
本当は夢見る気持ちはまだあって、コミックのヒーローたちの幻がウロウロしています。
ひょんなところからリスがスーパーヒーローになってしまい、そこからフローラと家族の運命が変わっていきます。
嫌いだった点
ヒーロー、家族の再生の物語と言うと、それがメインのように感じますが、内容のほとんどはドタバタコメディと言っていいでしょう。
父からのアメコミの刷り込みで、ヒーローには絶対使命があると。
フローラはユリシーズの使命を探すことを決心する。
ユリシーズが特殊能力があるリスであるのは間違いないのですが、スパーヒーローで使命があるというのは、あくまでフローラの思い込み。
ユリシーズはリスとして本能のままに生きているだけ。
なので最初の頃はユリシーズの本能と、世間のものさしが合わずにやることなすこと裏目に。
悪気はないのに、気がついたら世間から追われる立場に。
コメディなんだけど、追い詰められていく様は「 ランボー 」の第1作や、「 テルマ&ルイーズ 」「 アウトサイダー 」、
あるいは「 キングコング 」「 フランケンシュタイン 」のように、図らずもお尋ね者になるパターンで追い詰められいきます。
なんとも気の毒なユリシーズですが、ドタバタしてるうちに最終的には丸く収まる感じです。
見どころ
スーパーリス・ユリシーズのCG。
CGなのを忘れてしまうほどナチュラルでした。
日本でも動物が登場するドラマもあるのですが、いかにも作り物で残念な感じなのは否めません。
その点、ディズニーはマーベルの「 ガーディアンオブギャラクシー 」のアライグマ・キャラ「 ロケット 」のCGもナチュラルで違和感がありませんでした。
マーベルの技術が今作にも活かされています。
マーベルコミックスの世界観と、CG技術があってこその作品ですね。
前回のディズニープラスのオリジナルは「 フェアリーゴッドマザー 」
シンデレラの魔法使いの妖精が、夢見ることを忘れた中年女性と家族に奇跡を起こす物語でした。
今作の続編があるのならば、本格的に敵と戦うスーパーヒーロー・ユリシーズの活躍を見たいなと思いました。
まとめ
スパイダーマンやX-MENが実写化されて以来、すっかりマーベルヒーローが日本にも定着して、マーベル世代として育った人も多いでしょう。
そんな人に捧げる物語です。
大人になっても、やっぱり夢は手放したくないですね。