大人気映画シリーズ「 スパイキッズ 」が20年の時を経て同ロバート・ロドリゲス監督により再始動!
シリーズのオマージュをふんだんに織り込み、レトロな世界観に最新ガジェットを組み合わせた懐かしさと新しさが楽しいファミリースパイ映画です。
スパイキッズ アルマゲドン

あらすじ
超強力コンピューターウイルスが、ゲーム開発者によって世に放たれてしまう。真相を知った兄と妹は、スパイの両親を助け出し、世界を救うべく立ち上がる。
原題
Spy Kids: Armageddon
公開日
2023年9月22日
上映時間
125分
予告編
キャスト
- ロバート・ロドリゲス(監督)
- ジーナ・ロドリゲス
- ザカリー・リーヴァイ
- コナー・エスターソン
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー

内容的には同シリーズの中では評判がイマイチだった「 ~ゲームオーバー 」とストーリーが重なっている部分が多いので、ロドリゲス監督のリベンジといったところか。
それがデジタル世代だけどレトロテイストにもエモさを感じる現代の子どもたちに上手くハマっている・・・と言いたいところだが、肝心のストーリーが随分と大味で、シリーズ特有の格好良さやワクワクが消えてしまっている。
ロドリゲス監督の持ち味は、低予算で緻密かつユニークな世界観を創り出すところだが、ネトフリに多額の予算を与えられた結果、残念なことになってしまった作品たちの仲間入りすることに・・・。
まず、ストーリーがご都合主義でトントン拍子に進み過ぎだし、ゲームが得意な主人公がゲームノリのまま何でも簡単にクリアしていってしまうので、登場人物も観客もいまいちハラハラドキドキを味わえないのが敗因のひとつ。
「 命=ライフ 」があるという意味で、同じゲーム映画「 ジュマンジ 」などと比べると差が一目瞭然になってしまっている。
ふたつめは、アクションの質の低さ。
スパイ映画なはずなのに、普通の人間がやる普通の速度のアクションを観させられるのはなかなか厳しいものがある。
「 キック・アス 」のヒットガール的なスペシャルでハイスペックなアクションシーンが観たかった。
隠れ家のギミックや「 どこでもブーツ 」「 お好み爆弾 」などのスパイガジェットは、ドラえもん映画に出てくるものと似ていて子ども心をくすぐるし、20世紀のゲーム好きな悪役が作ったリアルゲームな世界は「 マリオ 」や「 パックマン 」世代にドンピシャだ。
小学校低学年くらいまでなら親子で楽しめるはず。
クライマックスで、それまでは戦って勝つか、ズルしてでも勝つ主義だった両親と兄トニーが、妹パティの「 暴力ではなく対話で解決できるはず。
そうすれば被害は最小になり、皆ハッピー 」という考え方を実践していく展開は、監督のメッセージが込められていて胸アツだった。
争いは何も生まない。大人の汚い暴力を見てきたこれからの子どもたちは、これを教訓にパティの頭の中のような優しい世界を目指してほしいと心から願う。