【 Netflix 】「 ティアメイカー 」考察レビュー、惹かれ合う2人のダークロマンス(あらすじ・キャスト・予告編)
心を壊された少年と少女が、愛を取り戻すまでのコンテンポラリー・ダークロマンス。
エリン・ドゥームのYA小説の実写化ですが、26の言語で翻訳され、本国イタリアを始め世界中で大ヒットしている小説。
まだ日本に入ってきていないのが残念すぎるので、先に映画で楽しみましょう。
ティアメイカー
あらすじ
児童養護施設で過酷な幼少期を共に過ごしたニカとリゲルは、同じ家族の養子となった。家族として過ごしていた2人だが、次第に芽生えはじめる恋心を無視できず、お互いに惹かれ合っていく。
原題
Fabbricante di lacrime
公開日
2024年4月4日
上映時間
105分
予告編
キャスト
- アレッサンドロ・ジェノベージ(監督)
- シモーネ・バルダッセローニ
- カテリーナ・フェリオリ
- サブリナ・パラビチーニ
- アレッサンドロ・ベデッティ
- ロベルタ・ロベッリ
- オルランド・チンクェ
- エーコ・アンドリオーロ・ランツィ
- ニッキー・パッサレッラ
- スベバ・ロマーナ・カンデレッタ
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
考察レビュー
予告編から受ける「 トワイライト 」シリーズやドラマ「 ヴァンパイア・ダイアリーズ 」シリーズのような印象を大きく外すことのないダーク・ラブロマンス。
上記の作品がお好きな方にはオススメしたい。
主演の2人の美男美女ぶりが突出しており、2人の美貌と独特の近寄りがたい雰囲気が作品の世界観を高め、完成させています。
特にニカを演じたカテリーナ・フェリオリは、個人的にエル・ファニングが出てきたとき以来の衝撃の美少女!
2人とも本作がメジャー1作目のようですが、これからが楽しみです。
ただ、YA学園小説にありがちな複雑な人間模様、各キャラクターが抱えるそれぞれの心の傷や彼らの物語がとても2時間では描ききれるものではないので、明らかにドラマ向き。
案の定、シーンが変わったらいきなり問題が解決していたり、気まずかったキャラ同士が仲良くなっていたり、何があったかをこちらが深読みしてあげるしかない、空中分解状態に。
リゲルが恋するニカだけに冷たくしていた理由が、彼が児童養護施設の寮長から受けた洗脳だけでなく、寮長のニカへの虐待が酷くならないように遠ざけていた(=守っていた)というキュンポイントも物語の核にも関わらず、読み取りづらいです。
里親夫婦と亡き息子とその彼女の物語、リゲルとアデルの絆、ニカの友人、ビリーとミキのその後など、魅力的なサイドストーリーも尻切れトンボで消化不良…。
ベースがしっかりした物語なのに、原作を断片的に表面だけ掬っている印象を受けてしまい、非常にもったいなく感じました。
それでもダラダラ引き延ばさずに潔く105分で切り上げたのは賢明な判断だったけど…。
あと、おとぎ話を2人の関係のベースにするなら、“ティアスミス”の物語を映像で見せるとかもう少し世界観に没入させるための工夫ができたはず。
「 心が傷ついた 」ではなく「 壊された 」と断言するなら、過去に日常的にどれだけのことをされ、現在にどれだけ影響しているか、心の痛みや傷を映像なりキャラクターなりでもっと強く表現した方が、
よりダークに、キャラクターに共感しやすくなったのではないでしょうか。
素材が良くて、一度観ただけでも改善点がいくつも出てくるので、ドラマ化するかリメイク希望!
この作品はもっとよくなる可能性を秘めている!(笑)
文・ライター:リリヲ