マイアミ・バイス(2006)

原題(英題)
Miami Vice
公開日
2006年9月2日
上映時間
132分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- ジェイミー・フォックス
- コリン・ファレル
- コン・リー
- シアラン・ハインズ
- バリー・シャバカ・ヘンリー
- ジョン・オーティス
- ナオミ・ハリス
- エリザベス・ロドリゲス
- ジャスティン・セロー
- エディ・マーサン
- ジョン・ホークス
コメント
マイケル・マンはリメイクの多い監督だが本作もリメイクである。
オリジナルは自身が製作総指揮を務めた「 特捜刑事マイアミ・バイス 」で、舞台はオリジナルの1980年代から映画製作時リアルタイムの2000年代に移っている。
オリジナルキャストの続投もなく、話もオリジナル。
キャラクターの設定は何となく受け継いでいるが、ほぼ別物と言っていいだろう。
南国・マイアミを舞台にした刑事ドラマだが、オリジナルのテレビシリーズに少しはあった南国らしいくつろいだ雰囲気はほぼない。
麻薬組織とそれを取り締まるマイアミ・デイド郡警察特捜課(バイス)のハードな攻防を描いている。
彼らしい、ガンマニアとコンバットシューティングマニアにはたまらない内容だが、わざわざ劇場に持っていく内容なのか疑問符が付く。
残念ながら興行的にも批評的にも冴えない結果だった。
この監督の作品で度々見るキャスティングだが、前作に引き続きジェイミー・フォックスがメインキャストで出演している。
パブリック・エネミーズ(2009)

原題(英題)
Public Enemies
公開日
2009年12月12日
上映時間
141分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- ジョニー・デップ
- クリスチャン・ベール
- マリオン・コティヤール
- J・エドガー・フーバービリー・クラダップ
- スティーブン・ドーフ
- スティーブン・ラング
- ジョバンニ・リビシ
- ロリー・コクレイン
- デビッド・ウェンハム
- スティーブン・グレアム
- ジョン・オーティス
- チャニング・テイタム
- ジェイソン・クラーク
コメント
マイケル・マン監督にはめずらしい歴史もの。
禁酒法時代の1930年代を舞台に、実在の銀行強盗ジョン・デリンジャーの半生を描いている。
ブライアン・バーロウのノンフィクション「 Public Enemies: America’s Greatest Crime Wave and the Birth of the FBI, 1933–34 」を原作としている。
今まで縁がなかった監督の生まれ故郷・シカゴが舞台で、実際にシカゴでも撮影が行われている。
デリンジャーは義賊的な側面があり、スターのジョニー・デップをキャスティングしたことでそういった側面も描かれている。
時代ものなのでコンバットシューティングはないが、ギャング映画につきものの銃撃戦はあり、マイケル・マンらしいハードなアクション描写を見ることができる。
ジョニー・デップ、クリスチャン・ベール、マリオン・コティヤールとスター俳優が揃う豪華なキャスティングだったが、興行的には今一つの結果だった。
ブラックハット(2015)

原題(英題)
Blackhat
公開日
2015年5月8日
上映時間
133分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- クリス・ヘムズワース
- ワン・リーホン
- タン・ウェイ
- ビオラ・デイビス
- ホルト・マッキャラニー
- アンディ・オン
- リッチー・コスター
- クリスチャン・ボール
- ジョン・オーティス
- ヨリック・バン・バーヘニンゲン
コメント
ネットワークに不法侵入する謎のブラックハッカーを相手に繰り広げられる攻防戦を描いたサスペンスアクション。
「 マイティ・ソー 」(2011)でアクションヒーローのイメージが強いクリス・ヘムズワースがFBIに協力する天才ハッカー役で主演を務めている。
ロサンゼルス、香港、クアラルンプール、ジャカルタの4都市で大規模ロケが敢行された。
マイケル・マンはクリストファー・ノーラン同様CG嫌いな監督で、可能な限りCGを使わない実物主義を貫いている。
本作も大規模ロケに加えて、大人数のエキストラを集めてインドネシアの伝統祝祭を再現するなど、実物主義を圧倒的な物量で実現している。
そんなアナログ人間の彼がIT技術に関する話を手掛けるのだからおもしろい。
だが、本作においてその力の入れようはいい方向に作用しなかった。
7,000万ドルと巨額の制作費を投じたが、世界興行収入はその半分にも満たず、批評的にも振るわない結果に終わった。
フェラーリ(2023)

原題(英題)
Ferrari
公開日
2024年7月5日
上映時間
130分
キャスト
- マイケル・マン(監督)
- アダム・ドライバー
- ペネロペ・クルス
- シャイリーン・ウッドリー
- サラ・ガドン
- ガブリエル・レオーネ
- ジャック・オコンネル
- パトリック・デンプシー
コメント
イタリアの自動車メーカー・フェラーリ社の創業者エンツォ・フェラーリを描いたドラマ。
ロック・イェーツのノンフィクション「 エンツォ・フェラーリ 跳ね馬の肖像 」を原作にしている。
マイケル・マンはスポーツカー耐久レースの世界で繰り広げられたフォード対フェラーリの覇権争いを描いた「 フォードvsフェラーリ 」(2019)で製作総指揮を務めており、「 フェラーリ 」のタイトルが付く作品に関わるのは2度目である。
もともと自身もフェラーリには格別の愛着を抱き、テスタロッサなど数台を所有しているとのことである。
本作は待望の企画だったのだろう。
アメリカ映画なので、劇中のキャラクターはイタリア人も全員英語を話すが、実物主義は変わらずで、本作でもエンツォ・フェラーリの本拠地・モデナでの撮影を敢行している。
ベネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品され、金獅子賞を争った。

文・ライター:神谷正倫