「 フォードvsフェラーリ 」の映画情報・感想レビュー、伝説のル・マン耐久レース

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今回私は車好きにはたまらない映画「 フォードvsフェラーリ 」を見てきました。

一言で言うと体感型映画です。

自分が時速220kmでGT40に乗っている感覚を味わうことができます。

迫力あるスピードと唸るようなエンジン音。

これだけでル・マンの世界に引き込まれてしまうこと間違いなしでしょう。

もちろん車に詳しくなくても大丈夫!

男達の友情とプライドをかけた物語を見ていると心が熱くなるはずです。

目次

フォードvsフェラーリ

©︎フォードvsフェラーリ

公開日

2020年1月10日

上映時間

153分

キャスト

  • ジェームズ・マンゴールド(監督)
  • マット・デイモン
  • クリスチャン・ベール
  • カトリーナ・バルフ

予告編

公式サイト

フォード vs フェラーリ

感想レビュー

©︎フォードvsフェラーリ
レビュー ❶

終始エキサイト!

ただのカーレース映画じゃない。

これはドラマだ。

男たちのパッションと信念をかけた血湧き肉躍る熱い熱い戦い。

嫌いだった点を唯一、あげるとすれば、マット・デイモン演じるキャロル・シェルビーの、挫折と再起の道のり、元レーサーから車を販売する側の人間になった心情、洞察が少し足りない気がする。

カー・デザイナーというが、劇中を見る限りは自動車販売店のオーナーにしか見えない。

そして、主人公ケン・マイルズの最期。

あまりにあっけなさすぎて拍子抜けした。

もっと精緻に描いてほしかった。

見どころは、絶対王者フェラーリ族に牙をむくレーシング界では新鋭のフォード。

チカラの差が逆転するモータースポーツ、ル・マン24の世界でしのぎを削る両者の火花散るバトル。

それを核に、まるで生き写しの(笑)

クリスチャン・ベイル演じる暴れ馬なケン・マイルズが魅せる生粋のレーサー魂。

それを影で支える、マット・デイモン演じる、これまた骨太なキャロル・シェルビーの男の友情。

妻と子以外の誰にも心を打ち解けない、明かさない、頑固一徹なケン・マイルズ。

何度かすりよってきてくれるキャロル・シェルビーにもなかなか打ち解けない。

が、しかし。

フォードがモータースポーツに参入する発表となる式場への、キャロル・シェルビーの無鉄砲で派手な登場の仕方。

上層部への働きかけや、反発。

ケン・マイルズはオレのレーサーだ、と死守する姿勢。

そういった言動をそばで見て、頑ななケン・マイルズの心に変化が出てくる。

レーサーとしての情熱も、チームへの忠誠に等しいマイルドさ、敵であるエンツォ・フェラーリにも垣間見せる敬意。

すべてが美しい。

タイトル、スーパーカー、モータースポーツ、といった見出しに敬遠する人へ。

男臭く感じるだろうが、遠ざけてはいけない。

それはない。

終始エキサイティングに躍動感が襲ってくる。そして、観終わったあとの開放感、これはなかなかない。

年始め、これを観ないのは損します。映画人生において。

スーパースポーツ、レーシングに興味ない人も、女性も、観た方がいい。

間違いなく熱狂の渦に飲み込まれる。

レビュー ❷

レースの世界に引き込まれる。

とにかくレースの迫力がすごい映画です。

CGなしで撮影しているだけあって、車のスピード感をリアルに体感することができます。

そしてエンジン音。

アクセルを踏むと同時に聞こえてくる唸るような音によって体感度合いがどんどん増していきます。

映画を見ているはずなのに、スクリーンの中の車体の揺れと同時に自分の体も揺れているようにさえ錯覚してしまいます。

レーサーのケン視点で見る世界は、実際にレーサーの気持ちになることができます。

その分、とてつもないドキドキ感もあります。

少しでもハンドル操作を誤ってしまえば、車はクラッシュしてしまいます。

どこに悪魔が潜んでいるかわからない緊張感はレース中ずっと続くのです。

特に最後のル・マン24時間耐久レースに突入してからはゴールまで緊張しっぱなしです。

無事にゴールできるのか?

優勝できるのか?

色んな緊張感に包まれ、その会場にいる観客やレースクルーの一員と同じように祈るような気持ちでレースを見続けています。

ドライバーの気持ちとレースを見守る観客の気持ち。

その両方の気持ちを堪能できるのが「 フォードvsフェラーリ 」

レースが無事終わったあとにはぐったりしてしまうほどでした。

見どころは男の友情物語。

見どころはレースシーンですが、この映画は車が好きな2人の男の友情物語でもあります。

車が好きで大人になりきれないケンとシェルビー。

特にケンは、車について絶対に自分を曲げることができません。

そんなケンとシェルビーが殴り合いの喧嘩をしながら友情を深めていきます。

これぞ男同士の物語という感じでした。

そして二人を暖かく見守るケンの妻モリー。

良妻賢母の彼女が男性特有の熱い友情に嫉妬してしまうシーンは、なんだか彼女が可愛く見えてしまいました。

もちろんケンはなぜ妻が怒っているのか分かっていませんが。

喧嘩しながらも、お互いを信頼しているケンとシェルビーの2人が見せるラストは心が熱くなってしまいました。

レビュー ❸

レースシーンを主軸にしつつ、友情ストーリーや企業との対立、家族との関係性など、様々な要素を綺麗にまとめているところです。

さらに、演技は言うまでもないですが、時代を意識した音楽やカメラワークがすごくいいんです。

特に、レースシーンのカメラワークはレースカー特有の低い視点から展開し、運転席から見える景色にこだわっているのが伝わります。

もう、冒頭の靄がかかった視界から引き込まれます。

嫌いだった点は、実際の「 vsフェラーリ 」のレースシーンに入るまでが少し長いなという点。

また、企業側の立場へのフォローがなくて完全に悪役と化していた点です。

ビジネスとして成功させなくてはいけないという、企業側の苦しい立場への理解を促すシーンがあっても良いのではないかなと感じました。

印象に残ったシーンはラストのレースシーン。

フェラーリとの限界を極めた競り合いに勝った後、ミラーで後方の仲間を確認するシーンです。

ケンは独走状態で優勝は確実で周りの人たちも「 ケンはこのまま優勝するだろう 」と考えたはずです。

しかし、フォード側の「 一緒にゴールしてほしい 」という無茶なお願いを聞き入れるわけです。

一緒にゴールするため、ミラーで後方を確認するケン。

今までは、ミラーを確認するのは後続のライバル車を確認する時でした。

この対比を使って、ケンの心境の変化を暗に示しているのです。

< 考察 >

ただ熱いだけじゃない、作品としての魅力。

この作品が「 熱量のすごい 」作品であるのは間違いないのですが、ただ熱量があるだけではないのが魅力なんです。

この作品のうまいところは「 対比 」にあると思っています。

まず一つは前述した、ミラーを確認するシーン。

そして、もう一つ象徴的な対比のシーンを挙げるとしたら「 ケンが炎に包まれるシーン 」です。

最初にケンが炎に包まれるシーンでは、想像もしていなかったレースカーの恐怖に息子は呆然とします。

この出来事が、息子のレースへの考えが変わる転機となります。

今までは「 カッコいい世界 」だったものが、命を危険に晒しながら戦う世界へと変わるのです。

この変化が見て取れるからこそ、最後の炎に包まれるシーンが更に印象的になるのです。

その瞬間に至るまでに、ケンに長台詞を言わせたり、帽子をアップで写したりと…

そのシーンが何を意味するのかが分かりやすく提示されているというのもあるのですが、何よりも息子が炎に覆われた車に駆け寄らなかったという対比が何よりも印象的でした。

最初に炎に包まれたシーンでは「 予想だにしない事態 」に呆然とした一方で、最後のシーンでは「 いつか来てしまう瞬間 」に覚悟はしていたとも取れる行動をします。

この対比をスッと入れ込めるというのがうまいなと思います。

これ以外にも、家から車を眺めるシーンなど、似たようなシーンを別の意味合いで再度登場させる…といううまさがあります。

鑑賞1回目は、その世界観にどっぷりつかり、2回目からはそのうまさに注目して観るというのもアリかもしれません!

レースシーンの迫力だけではない、細かいところや演出にもこだわった作品で、男性だけでなく女性にも必ず何かが刺さるシーンが盛りだくさんでした!

何回観ても感動して泣いちゃいそうです(笑)

8年間、ペーパードライバーの僕でも楽しめた作品でした、はい。

まとめ

©︎フォードvsフェラーリ

何も考えずにレースの世界に入り込める映画、それが「 フォードvsフェラーリ 」です。

カーレースと男の友情、そんな単純な映画だからこそ、フォードGT40のスピードを感じることができるのです。

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