時は世紀末、まるで北斗の拳のような世界観で描かれる「 ザ・ウォーカー 」
テーマは聖書です。
個人的にすごく好きな作品でして、10回以上は見てますね多分。
ザ・ウォーカー
公開日
2010年6月19日
上映時間
118分
キャスト
- アルバート・ヒューズ(監督)
- デンゼル・ワシントン
- ゲイリー・オールドマン
- ミラ・クニス
予告編
公式サイト
なし
考察レビュー
好きだった点
世界観、ストーリー設定が素晴らしい点ですね。
今作と似た世界観の作品は、「 マッド・マックス 怒りのデス・ロード 」などがあります。
聖書にまつわる題材でして、宗教が持つ強大な力を知ることができる作品かと思います。
聖書を題材にした作品は、「 ノア 約束の時 」も好きな作品の1つ。
嫌いだった点
イーライは盲目なのかそうでないのか?が分からない点。
どうせなら明確にして欲しかったですね。
監督が意図的にそうしたのでしょう。
印象に残ったシーン
ビリー・カーネギーがイーライから奪った聖書。
念願の聖書を手にしたカーネギーですが、鍵で閉じられた聖書を開くとビックリ。
そこに文字は一切なく、なんと点字だけだったという衝撃の展開。
点字は、盲目の人が触って読む文字のことです。
カーネギーは点字など読めるはずはなく、絶叫して途方にくれるのでした。
考察・疑問点
イーライは盲目だったのか
イーライは盲目だった説、盲目まではいかないけど相当に視力が悪い説と意見が分かれるところではあります。
劇中ではイーライが盲目だということを匂わすシーンがいくつも出てきますが、
僕としては、盲目にしては超人すぎると思いました。
イーライが盲目だと仮定した場合、「 ドント・ブリーズ 」に出てくる盲目おじさんよりレベルが高いです。
冒頭で複数人に襲われるシーン、酒場での乱闘シーン、終盤での銃撃シーン。
イーライが神に守られているとしても、盲目の人間がこんなに超人なわけないですよね。
盲目がゆえに異常に聴力が発達しているのは、わからなくはないですが。
イーライが盲目だと暗示するシーン
- カラスを弓矢で射るシーン
- カセットプレイヤーを連打するシーン
- 道が分かれた時に太陽を見たシーン
- 銃撃戦のシーン
- 目がアップで映るシーン
イーライは何者なのか
映画を見る限り、神に選ばれた人類と解釈するのが自然ですね。
聖書を奪われれた時に稲妻が鳴り響いたこともそうですし、銃撃戦で銃弾がイーライに当たらない点もそうです。
ソラーラを奪おうとしていたハゲの男が、「 あいつは何か見えない力に守られているようだ 」と発言したシーン。
彼は、銃撃戦でイーライを撃てたのに撃たなかったですよね。
見えない力を恐れていたのか、それともソラーラさえ手に入ればいいと考えていたので敢えて撃たなかったのか。
どっちなのでしょうかね。
イーライが西に向かう理由
イーライは終末戦争が勃発した際、地下に逃げて生き延びました。
1年ぶりに地上に這い出た時に神の声が聞こえたと言っていましたね。
その声は、瓦礫の下に聖書が眠っているという神のお告げです。
神の声は、「 西に向かえ 」というものでした。
聖書はなぜ燃やされたのか
劇中で「 終末戦争以降、意図的に全ての聖書が燃やされた 」とありました。
終末戦争の原因は宗教戦争と考えられるので、その原因となった聖書は処分されたのでしょう。
キリスト教と他の宗教が対立して核戦争に発展したと考えるのが妥当かと思います。
聖書を完全暗記していた
イーライは聖書を奪われてしまいますが、クライマックスで聖書を持ってきたと言います。
聖書がないのに聖書があると言った理由は、イーライが聖書を完全に暗記していたからですね。
おそらく30年間も歩き続けて毎日のように点字の聖書を読んでいたので、暗記してしまったのでしょう。
聖書が奪われる最悪の場合を想定して意図的に暗記していた可能性もあります。
聖書が完全に失われた世界
世界中のキリスト教徒たちにとって、聖書は空気のような存在であり生活の一部となっています。
無人島に行かなければいけないとなった時に、聖書を持っていくと答える人も相当数います。
今作をキリスト教徒が見た場合と、無宗教の人が見た場合とで感想が大きく違ってくるのではないでしょうか。
自分がキリスト教徒だったらと考えて見ると面白いと思いますよ。
まとめ
仮にイーライが盲目だったとしましょう。
イーライが盲目だという前提でもう1度映画を見てみましょう。
2度目は気付きがあって作品を楽しめると思います。
それにしてもイーライは、なぜあんなに強いのでしょうか。
盲目よりもそこが気になって仕方ない。