韓国映画強化月間ということで、おすすめの1本を紹介します。
かなりバイオレンス&グロです。
それ系が苦手な人は、見るのを控えた方がいいかもしれません。
ではサクッといきましょう。
哀しき獣

公開日
2012年1月7日
上映時間
140分(R15指定)
キャスト
- ナ・ホンジン(監督)
- ハ・ジョンウ
- キム・ユンソク
- チョ・ソンハ
予告編
公式サイト
なし
感想レビュー

好きだった点
究極のバイオレンス骨肉バトル。
他のバイオレンス映画と次元がちがいすぎて衝撃を受けました。
刃物で血がブッシャー、斧でバッサバッサ、カーチェイス、暗殺、不倫、嫉妬、金と暴力、騙し、ギャンブル、
ありとあらゆる、この世の悪がこの映画には全てあります。
キム・グナン(主人公)の境遇があまりにもヒドく、かわいそすぎて感情移入してしまいました。
とにかく走って走って走って逃げまくるグナンは最高だった。
ヤクザの親玉がミョン・ジョンハクという男でして、グナンの悲劇は、全てこの男の一言から始まったのでした。
とにかくミョン・ジョンハクのタフネスぶりが半端ない。
使う武器は、ナイフ、斧、牛骨。
銃を使わないポリシーには好感がもてましたよ。
サクッとナイフで横腹刺されても、サクッと斧で背中刺されても、ミョン・ジョンハク死なない。
むしろ刺されるたびに強くなって、10人くらいのヤクザの部下たちを1人でやってしまうあたり不死身でした。
嫌いだった点
少しミステリーな展開があったとこですかね。
おそらくナ・ホンジン監督は、映画を見る側の人にとって、謎が残るよう意図的にミステリー展開にしたと思いました。
モヤモヤした部分は、嫌でした。
衝撃のオチ
全ての始まりは、キム・テウォンの愛人とキム・スンヒョンがやっちゃった(浮気)からでして、
キム・テウォンは、嫉妬心からキム・スンヒョン暗殺を部下に命じます。
キム・スンヒョンの奥さんは、こっそり銀行マンと不倫していたことがクライマックスにて判明。
真の黒幕は、この銀行マンです。(一瞬しか出てこない)
キム・スンヒョンの奥さんと銀行マンがグルだったというオチです。
銀行マンが中国の朝鮮族マフィアにキム・スンヒョンの暗殺を依頼。
銀行マンが依頼した人物こそ朝鮮族ヤクザの親玉ミョン・ジョンハク。
ミョン・ジョンハクは、銀行マンから依頼を受けた暗殺計画をキム・グナン(主人公)に依頼。
キム・グナン(主人公)は多額の借金をしていて、暗殺計画を成功させたら借金チャラにしてやると、ミョン・ジョンハクに依頼され承諾したのが運の尽きでした。
キム・テウォンが部下に命じたキム・スンヒョン暗殺計画の日と、銀行マンが殺し屋に依頼したキム・スンヒョン暗殺計画の日が見事にダブルブッキング、
キム・グナン(主人公)は、その現場に遭遇してしまい、容疑者として指名手配されるという天下一品の運の悪さ。
まとめ

近年のバイオレンス映画の中では傑作の部類に入るのではないでしょうか。
朝鮮族というのは、中国東北部(旧満州)を中心に生活している中国系コリアンの人たちです。(約200万人)
朝鮮族は、朝鮮語、中国語を話せるので、映画の中でも両方の言語を使い分けているシーンが登場します。
朝鮮族の人口は、アメリカに住む在米コリアン(約200万人)とほぼ同じ。
ちなみに、日本に住む在日コリアンは約50万人ほどです。
背景知識として知っておくといいかと思います。
なぜなら、他文化の歴史的背景を知らない状態で、その題材を扱う映画を見た場合、内容を理解できないことがあるからですね。
わかりやすいのが次の例。
クリント・イーストウッド監督のグラン・トリノは、主人公がモン族(英語は話せる)というアメリカに住むマイノリティ(少数派)の少年でしたよね。
ぼくは、モン族の友人がアメリカにいたので、モン族の歴史的背景を知った状態でグラン・トリノを見ました。
そういうことです。
ちなみに、キム・ユンソクは「 チェイサー 」で主人公を演じています。