【 世界最大規模 】アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)を解説!

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文・ライター:@竹内優実

アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭は、通称「 IDFA 」とも呼ばれる世界最大規模のドキュメンタリー映画の祭典です。

2023年は11月8日(水)〜19日(日)に開催され今年で36回目を迎え、世界中から映画ファンや映画関係者が集まります。

今回は、毎年30万人以上もの来場者を迎え「 世界一権威ある賞 」とも言われるIDFAの魅力や歴史を解説します。

目次

アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭(IDFA)とは?

1988年に創設され、毎年11月にオランダのアムステルダムで開催されています。

映画祭の目的は、真実の物語を描くドキュメンタリー映画の価値を高め、人々の心に訴える作品を世界中に紹介することです。

「 戦争 」「 市民運動 」「 人権 」「 病 」「 障害 」「 自然 」など多岐にわたるテーマが扱われ毎年、映画作りの新しい可能性が追求されています。

開催地はオランダの首都「 アムステルダム 」

映画祭の名前の通り、開催地はオランダ最大の都市・アムステルダム市内の劇場です。

ゴッホ美術館や、アムステルダム国立美術館、風車村など歴史ある名所が多い場所ですので、映画祭を訪れる観客にとっても大変魅力的な場所とも言えるでしょう。

「 アンネの日記 」で有名な、アンネ・フランクと家族が屋根裏部屋に隠れ住んでいた家も、アムステルダムで見ることができます。

IDFA(過去の受賞作品)

IDFAでは多くの有名監督が受賞しており、その中には後に世界的に成功した作品も少なくありません。

過去5年間の受賞作品の概要と、公式の紹介動画を下記にまとめました。

どの作品もジャンルやテーマは異なりますが、監督が心血を注ぎ撮影したことが、映像からも伝わってきます。

2022年 – Apolonia, Apolonia

アポロニア・ソコルが画家として芸術家の道を歩んでいく過程を13年間追った作品

2021年 – ミスター・ランズベルギス (Mr. Landsbergis)

リトアニアをソ連から独立させた元・国家元首を取材した作品。

2020年 – 家族のエックス線写真 〜ある一家のイラン革命〜(Radiograph of a Family)

家族を通して、イランの社会・政治的変革の時代を反映した作品。

2019年 – In a Whisper

キューバ・スペイン・スイス・フランス合作のドキュメンタリー映画。

二人の女性の交友うを通して、キューバの現状を考察する。

2018年 – 理性(Reason)

インドの政治や宗教・民族に焦点を当てた作品。

2021年には日本映画「 いまはむかし 」も三部門でノミネート

「 いまは むかし −父・ジャワ・幻のフィルム 」は、監督・伊勢真一が、戦時中に日本のプロパガンダ映画を撮影していた父・伊勢長之助の軌跡を30年間に渡って取材した作品です。

2021年に「 ルミナス部門 」「 無意識のバイアス部門 」「 映像資料の創造的活用部門 」の三部門にノミネートされました。

日本に占領されていた当時のインドネシアでの貴重な映像が見られる他、戦争や平和について深く考えさせられる作品です。

公式サイト:いせフィルムの映画いまはむかし

その他 – 世界の映画祭

世界にはアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭以外にも、多くの魅力的な映画祭が存在します。

今後、開催される2つの映画祭について紹介します。

ヴェネツィア国際映画祭(2023/8/30~2023/9/9)

ヴェネツィア国際映画祭は、1932年に創設された世界最古の映画祭。

カンヌ国際映画祭、ベルリン国際映画祭と並び「 世界三大映画祭 」として知られます。

最高賞は「 金獅子賞 」と呼ばれ、その他、監督賞である銀獅子賞の他、俳優賞や新人監督賞などさまざまな分野での賞があります。

1951年には「 羅生門 」(監督:黒澤明、主演:三船敏郎)が、日本で初めての金獅子賞を受賞し、日本映画の発展に大きく貢献。

ちなみに羅生門は、第24回のアカデミー賞でも名誉賞を受賞しています。

その他、2020年に「スパイの妻」(監督:黒沢清、主演:蒼井優、高橋一生)がそれぞれ、マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)と銀獅子賞を受賞する快挙を成し遂げました。

ヴェネツィア国際映画祭(公式サイト)

ワルシャワ国際映画祭(2023/10/6~2023/10/15)

ポーランドの首都ワルシャワで開催されるこの映画祭は、中央ヨーロッパ最大の映画の祭典のひとつ。

1985年から始まった映画祭で、ドキュメンタリー作品だけでなく、長編、短編、アニメーションなど、さまざまなジャンルの映画が上映され、新進の映画監督や俳優の登竜門となっています。

2020年のワルシャワ国際映画祭では、写真家・浅田政志の実話を元にした作品「 浅田家!」(監督:中野量太、主演:二宮和也)が最優秀アジア映画賞(NETPAC賞)を獲得しました。

ワルシャワ国際映画祭(公式サイト)

まとめ

アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭は、今後もドキュメンタリー映画の可能性を広げる舞台として、多くの作品が生み出されていきます。

2023年の開催は、11月8日(水)〜19日(日)です。

今回も、多くの国から新たな視点やメッセージを込めた作品が上映されるでしょう。

本記事を通じて、ドキュメンタリー映画に少しでも興味を持って頂ければ幸いです。

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