日本にも無関係ではないハリウッドのストライキ
日本ではそれほどピンと来ない人も多いと思われるが、2023年のアメリカ映画界における最大の事件は、脚本家と俳優の数か月間に及ぶ大規模なストライキだったと言って間違いない。
ストを行ったのは、1万1500人が所属する全米脚本家組合(WGA)と16万人が所属する全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)
ストの相手となったのは、映画スタジオやテレビ局、配信会社など350社からなる全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)だ。
脚本家組合が5月2日から、続いて映画俳優組合が7月14日からストに突入。
前者は9月26日、後者は11月8日にそれぞれ終結したが、これほど長期にわたるストはハリウッドの歴史上初めてだと言われている。
その結果、ストの期間中、ハリウッドにおける映画製作がほぼストップした。
予定されていた作品の製作や公開が次々と延期。
スタッフ・キャストのスケジュールが合わせられず白紙に戻ってしまった作品もある。
あるいはすでに完成していた作品でも、俳優陣がキャンペーンに参加できないという理由で公開が今年まで延期になった「 デューン 砂の惑星PART2 」のような例もある。
「 ミッション:インポッシブル / デッドレコニング PART ONE 」の場合、公開直前にストが始まり、トム・クルーズがキャンペーンに参加できなかったことが、期待されたほど興収が伸びなかった一因だろう。
昨年後半は、そのような事情による作品不足からハリウッド以外の作品が全米の劇場にかかりやすくなり、その結果「 ゴジラ -1.0 」「 君たちはどう生きるか 」などの日本映画がボックスオフィスの上位に入るヒットを記録した。
特に「 ゴジラ -1.0 」に関しては、「 デューン 砂の惑星PART2 」が昨年中に公開されていれば、アカデミー視覚効果賞を受賞できたかは疑わしいので、日本の映画人にとってはむしろ僥倖だったと言えそうだ。
(逆に「デューン」は、「 オッペンハイマー 」との対決を回避したことで、来年のオスカーで作品賞などを獲得できる可能性が高まったと言える)
ハリウッド映画の作品不足は今も深刻で、2024年公開予定作品を見渡すと、いわゆる大作・話題作の類はいつになく少ない。
今後のめぼしい作品は「 ゴジラxコング 新たなる帝国 」「 猿の惑星 / キングダム」「 マッドマックス:フュリオサ 」「 デッドプール&ウルヴァリン 」「 ジョーカー:フォリ・オ・ドゥ 」、アニメの「 インサイド・ヘッド2 」「 スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース 」くらいだろうか。
しかし日本でのヒットとなると、興収30億円超えの可能性がありそうなのは、前作の成績から見て「 ジョーカー:フォリ・オ・ドゥ 」と「 インサイド・ヘッド2 」くらい。
あとは「 マッドマックス:フュリオサ 」が、前作の高い評価と予告編からも感じられる未知のパワーでどこまで伸びるかといった程度だろう。
アメリカで大ヒットとなっている「 デューン 砂の惑星PART2 」が、日本では衝撃的なまでに当たっていない。
もし「 オッペンハイマー 」(アメリカでは昨年7月公開)まで伸び悩むような事態になれば、洋画の興行成績が著しく落ち込んでいる日本の映画興行界にとって、今年は歴史的な転換点にもなりかねない状況だ。
もちろん前述の作品が、唯一「 オッペンハイマー 」を除き全てシリーズものであることに象徴されるように、洋画興行の不振には複合的な理由がある。
しかしこの先の作品不足を眺めるかぎり、ハリウッドのストライキが、日本での洋画マーケットを決定的に縮小させてしまう最後のダメ押しとなる可能性は十分にある。
そんな大事件であるハリウッドのストは、そもそもなぜ起きたのか?
基本的な労働条件の改善や配信サービスにおける二次使用料の分配などいくつもの争点があるが、中でも大きなものに「 AIの使用 」を巡る問題があった。
本稿では、その点に絞って書いてみたい。
生成AIとは何か?
すでにさまざまなところで話題になっている生成AIだが、そもそも生成AIとは何なのかを、生成AIの一種であるChatGPT自身に聞いてみよう(MicrosoftのAIアシスタントCopilotでの使用)
生成AIとは何ですか?
生成AI(ジェネレーティブAI)とは、人工知能の一種で、画像、文章、音声、プログラムコード、構造化データなどさまざまなコンテンツを生成することができます。生成AIは、大量のデータを学習し、その学習結果を基に新しいコンテンツを生成します。
生成AIの特徴としては以下のようなものがあります:
新しいコンテンツの生成:生成AIは、人間が作成したような絵や文章を生成することができます。
・学習能力:生成AIは、大量のデータを学習し、その学習結果を基に新しいコンテンツを生成します。
・多様な応用:生成AIの応用はとても多岐にわたり、現在も研究が活発に進められています。
生成AIは、ビジネス、教育、医療、エンターテインメントなど、多くの分野での応用が期待されています。しかし、生成AIの利用には様々な課題やリスクも存在します。例えば、著作権の侵害、偽情報(ディープフェイク)の氾濫、情報漏洩などが挙げられます。これらの課題を理解し、適切に対処しながら生成AIを利用することが重要です。
時々もっともらしい嘘をつくことで知られるChatGPTだが、バージョンが4.0になってからはだいぶ精度が上がったようで、まずは無難な答えだと思う。
つまり、膨大なデータを駆使して、これまでは人間の専売特許だと思われていたクリエイティブな分野において、人間に代わってものを作りだしてしまうAIということだ。
なお、実際の画面では元ネタがどこから来ているかも示されていて、本文の内容は、以下のサイトの「生成AIによる課題とリスクを把握しておこう!」という記事に多くを頼っているようだ。
そのままの引用ではなく、ちゃんと要約されているので著作権的には問題ないと思うが、もし元ネタが間違っていたらどうなるのだ?という点を含め、この回答自体が生成AIの抱える問題を明示している点が皮肉ではある。