【 韓国映画 おすすめ 】「 悪人伝 」考察レビュー、マ・ドンソク演じるヤクザの復讐劇
映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@幕田たつき)さんからの投稿レビューです。
国内外に多くのファンを持つマ・ドンソク主演作「 悪人伝 」
大きな体格、睨まれれば足がすくむほどの強烈な目力を放つマ・ドンソクが最強の組長を演じています。
そんな組長が、なんと連続殺人犯に襲われ入院!
復讐を誓った組長と共闘するのは、犬猿の仲とも言える警察官でした。
この警察官もまた、悪人も黙るほどの凶暴な刑事ゆえ、事態は過激さを増していくのです。
今作の魅力や、ノワール・アクション作品として面白かった点をご紹介します。
サクッといきましょう。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
悪人伝
公開日
2020年7月17日
上映時間
110分
キャスト
- イ・ウォンテ(監督)
- マ・ドンソク
- キム・ムヨル
- キム・ソンギュ
予告編
公式サイト
感想レビュー
好きだった点
凶悪組長が予想の斜め上を行く凶悪さだった!
マ・ドンソク演じる組長は、同業者からも一目置かれている存在(それゆえ敵も多いのですが)
会食の席でべらべら喋る男を、文字通り鉄拳制裁で黙らせたり。
サンドバッグを使っていい汗を流しているかと思いきや、サンドバッグの中には人が入っていたり。
その凶悪さを象徴するシーンがたくさんあるので、期待値を超える演技が楽しめます。
その凶悪さに裏打ちされた強さも見どころの1つ。
連続殺人犯に襲われたマ・ドンソク演じる組長は、その名に恥じない反撃を見せてくれます。
生半可な人間なら間違いなく死んでいるであろう傷を負いながらも、犯人に深傷を負わせる姿は圧巻です。
部下思いの組長
対抗組織には敵意を剥き出しにする組長。
自分を襲った犯人を追いつめるため、仕刑事と手を組みますが最初は反発気味。
自分の部下に対しては思いやりのある一面を見せることも。
犯人の捜査に協力してくれた部下に「 腹いっぱい飯を食わせてやるのも組長の勤めだ 」と語ります。
たまたま居合わせた女子高生が雨に打たれていると、自分の傘を(少し照れくさそうに)譲るシーンなど、一般市民には優しいというギャップも最高でした。
嫌いだった点
嫌味な要素はほとんどなく、アクションやノワールを期待して見る人の多くは、大満足できる作品だと思います。
あえてレイティングを設けてでも、バイオレンスシーンを過激にしていたら、より強烈な作品になっていたかも。
とはいえ、本作は全年齢が見れる作品ですが、連続殺人犯の凶行シーンや組長による拷問シーンは充分すぎるほど強烈です。
むしろ、よく全年齢で審査が通ったなと驚くほどでした。
見どころ
組長×刑事のバディがだんだん良くなっていく点。
今作はマ・ドンソクの役柄と同じくらい、組長と刑事の関係性の変化が見どころとなっています。
組長が犯人を捕まえれば自分の手で制裁を加え、刑事が捕まえれば法の元で裁く。
捕まえるまでは協力するけれど、逮捕したらまた敵対関係になってしまうわけです。
しかしそうと分かっていても、同じ敵を追い詰めていく2人には、奇妙な関係性が築かれていきます。
2人だけの捜査が、やがてお互いの部下を引き連れて大捜査線となる様子は壮大です。
刑事と極道の部下同士も、どんどん仲良くなっていきます。
後半では、お互いの部下を引き連れて飲み会まで開いていました(笑)
全く違う組織が手を組み、共通の目標を追いつめる様子はまさに胸アツ。
考察・疑問点
連続殺人犯は、自分の犯行に対して反省の様子や、後悔の念は微塵も見せません。
それどころか殺し損ねた組長を再度襲うなど、ある意味フィクションにおける殺人犯としては非常に意識の高い犯人のようにも見えます。
そもそも極道の組長を襲撃する時点で、無差別にもほどがある気もしますが。
そもそも、この犯人はなぜここまでして殺人を繰り返すのか?
犯人の過去などは直接的に描かれません。
その代わり、犯人の自宅には著名な書籍が登場するため、この書籍が犯行動機のヒントになっているのでは?
まとめ
マ・ドンソクのファンや、ノワール好きにはたまらない演出が盛りだくさん。
重い雰囲気が漂う今作。
組長のキャラクター、刑事との間に奇妙な絆が芽生えてくる様子は、ノワール作品に馴染みがない人でも楽しめる演出となっています。
ラストでは思わず、組長と一緒にあなたも「 ニヤリ 」としてしまうこと間違いなし。