今回は、ペンネーム@おにきさんからの投稿レビューです。
仕事を捨てて、家族と共に田舎に引っ越してきた主人公。
夫が新居に選んだのは、村の中でも一際古い館。
住み始めて数日、主人公にしか聞こえない闇からのささやき声が聞こえ始める。
夫も次第に暴力的になっていき….。
恐ろしいのは人間か悪霊か。
ジワジワと襲ってくるようなサイコホラー作品です。
闇はささやく

公開日
2021年4月29日
上映時間
120分
キャスト
- シャリ・スプリンガー・バーマン(監督・脚本)
- ロバート・プルチーニ(監督)
- アマンダ・セイフライド
- ジェームズ・ノートン
- ナタリア・ダイアー
- カレン・アレン
- レイ・シーホーン
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

好きだった点
妻の気持ちを聞かずに引っ越し先や家を決めてしまう夫。
不満を持ちつつもついて行く主人公。
序盤は夫の身勝手さを印象づけるシーンが多く、人間的な怖さやサイコさを描いた映画なのかと思いました。
どのような展開になっていくのか、先が読めないところが好きな点です。
引っ越してきたばかりで友人がいない主人公は、どうにかして街に馴染もうとします。
親しくなっていく街の住人は、どこか怪しく、主人公に何かを隠しているような雰囲気でした。
観ている視聴者も誰を信じればいいのか分からない演出になっています。
主演を演じたのは「 マンマ・ミーア!」のアマンダ・セイフライド。明るい女性を演じることが多いイメージがあったので、暗くシリアスな演技が新鮮でした。
嫌いだった点
同性愛差別的な発言がありますが、その伏線が全く回収されていません。
何のためのセリフだったのか疑問に残りました。
悪霊のCGはもう少し自然にできなかったのかとツッコミたくなりました。
館は暗く、陰湿な雰囲気が出ていて良かったのですが、悪霊だけが浮いて見えてしまいます。
ラストに関しては、賛否両論がありそうです。
見どころ
まず登場する出演者が豪華な点です。
主人公を務めるのはアマンダ・セイフライド。
「 ストレンジャー・シングス 」のナタリア・ダイアーや「 インディ・ジョーンズ 」のカレン・アレンなどが出演します。
もう一点は、オカルト映画に見えつつサイコホラーな一面もあるところです。
幽霊以上にサイコな行動を見せる夫、館を監視する友人など、霊的な怖さよりも人間の闇も感じることができる作品です。
考察レビュー

推薦状を書いてもらい大学の教授になった夫ジョージ。
講師や生徒からの評判も良く、仕事ができる夫かと思いきや、徐々に化けの皮が剥がれていきます。
教え子と浮気をし、妻にはモラハラのような態度、推薦状も偽装したものです。
美術館で前職の上司・ウォーレン博士と会った時、彼の態度からはジョージをいかに評価をしていなかったかが読み取れました。
作中で「悪霊は悪い人間に憑き、良霊は善人に憑く」といったようなセリフがあります。
夫は館で取り憑かれたわけではなく、悪人を引き寄せる霊によってより狂気さが増したのではないでしょうか。
ラストではジョージが船にのって海へ出ます。
彼がどこへ向かっていくのかは描かれていませんが、邪悪な霊に取り憑かれ、地獄へ向かったのかもしれません。
主人公が拒食症に悩まされていましたが、そのことについてはラストまで一切触れられていません。
高圧的な夫と精神的に弱い妻の対比を描いたのでしょうか……。
まとめ

この映画では、死後の世界や霊体について「 スウェデンボルグの神学論 」を題材にしています。
「 地獄の扉が見えるのは入ろうとする者だけ 」や「 死は誕生と並行する 」はそれぞれ夫ジョージと妻キャサリンの結末を意味しているようです。
終始暗い雰囲気で、スカッとするようなラストではありませんが、元ネタを探りつつ考察するのが面白い作品です。
後味が悪い映画が好みの方は、ぜひお試しください。