映画ライフ楽しんでますか?
今回は、ペンネーム(@けんけん)さんからの投稿レビューです。
ディズニーか?
ユニバーサルか?
全くひけを取らないロシアのCGアニメ版「 ヘンゼルとグレーテル 」
娯楽の宝庫Netflix。
しかし、1つだけ足りないものがある。
それはディズニー。
え、なんでNetflixにディズニー?
と思ったら、なんとロシア産のCGアニメでした。
それは、ディズニーアニメと、ディズニーが買収した「 アイス・エイジ 」のブルースカイスタジオを足して2で割った感じです。
画像の引用元:IMDb公式サイトより
(アイキャッチ画像含む)
秘密のまほう管理局

公開日
2021年3月25日
上映時間
104分
原題
Secret Magic Control Agency
キャスト
- セルゲイ・セリヤノフ、ほか(監督)
- ニコラス・コルダ
- シルバナジョイス
- アリソン・ローゼンフェルド
予告編
公式サイト
作品評価
- 映像
- 脚本
- キャスト
- 音楽
- リピート度
- グロ度
- 総合評価
感想レビュー

好きだった点
幼い頃は仲良しだったヘンゼルとグレーテル兄妹。
成長するにつれて、兄は「 ペテン師 」と呼ばれるマジシャン、妹はお堅い国家公務員(魔法使い)と生き方が分かれています。
全く性質の違う男女がバディになり、ミッションに挑むのは「 ズートピア 」ジュディとニックを彷彿とさせます。
ヘンゼルが所属するのはSMCA=シークレットマジックコントロールエージェンシー。
つまり、直訳してタイトル通りの「 ひみつの魔法管理局 」となるわけです。
なので、ヘンゼルは魔法使いになっているけれど、魔法使いというよりスパイのような印象。
ところが、スパイ活動の最中に2人は魔法使いのおばあさんの薬によって、子供にされてしまいます。
これもまた、ブルースカイが最後に作った「 スパイinデンジャー 」の設定に似ています。
つまり、絵柄もストーリー展開も、すべて既存アニメとどこか似ている感じです。
中国にあるニセディズニーランドみたいなイメージでしょうか?
でも、気にするのは大人だけで、意外と事前知識なしで楽しめるかもしれません。
嫌いだった点
制作したロシアのスタッフ陣は、ディズニーアニメをよく研究しているなと思いました。
既存の物語を時代に合った物語にアレンジしていく、ストーリー構成・キャラの造形・音楽・全てがよくできていて遜色ありません。
真似するだけではなく、独自のものを打ち出してくれたら大化けする可能性を秘めています。
今後の作品に期待したいです。
見どころ
「 白雪姫 」「 眠れる森の美女 」「 ラプンツェル 」など、多くの作品がアニメ化されてきたグリム童話。
しかし、実際は「 本当は怖いグリム童話 」と呼ばれる程、実際は怖い話も多いのです。
その最たる作品が「 ヘンゼルとグレーテル 」でして、魔法使いのおばあさんに食べられそうになり、反撃する様は完全にホラーですね。
「 ブラザーグリム 」「 グリム 」など、大人向けに映像化されていることからも、その怖さがよく分かります。
子供向けアニメで、食べられそうになる場面はどう描かれるのか?
その目で確かめてください。
考察レビュー

この物語のヘンゼルは若くして両親が亡くなり、逆境から這い上がるために、努力して国家公務員まで上り詰めました。
一方、グレーテルはヘンゼルが公務員になるために、自らの夢を犠牲にしています。
2人が心からその職業につきたくて、努力してその仕事になったのならいいのですが、仕方がないからその職業についていたとしたら、後でシンドくなりそうで心配です。
最終的にはグレーテルも国家エージェントに加入するのですが、国家公務員は幸せ、フリーランスは不幸という構図になっています。
となると、「 アナ雪 」のように「 ありのまま 」を肯定するのとは真逆で、ステレオタイプの旧態依然の価値観から抜け出ていないと感じました。
ビジュアル的には、ディズニーにそっくりなのですが、中身の部分が古いままだと感じます。
それが、この作品全体に感じる言いようのない違和感の正体なのかも知れません。
グレーテルはマジシャンなのですが、皆からはペテン師と呼ばれ、ヘンゼルからは家族の恥のように言われて軽蔑されています。
マジシャンは立派な職業で人気者はいるのに、何故そんなに蔑まれているのか疑問に思いました。
ひょっとしてロシア人は、マジシャンに対して偏見があるのかな?
まとめ

今作はロシア産CGアニメーション。
続編が製作されることに期待です。