「 室井慎次 敗れざる者 」の映画情報・あらすじ・レビュー

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TVドラマ「 踊る大捜査線 」の放送開始は1997年。

2012年公開の映画「 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 」を最後に、全てが結ばれたと思っていた。

しかし!

12年振りに、「 踊る大捜査線 」が再び始動した。

スピンオフとして展開するのか?本編として展開していくのか?

刮目せよ!

目次

室井慎次 敗れざる者

©室井慎次 敗れざる者

あらすじ

「あの男との約束を果たせなかったーー 。」 現場の捜査員のために粉骨し、警察の組織改革に挑むなど、波乱に満ちた警察人生を歩んできた室井慎次。
27年前の“青島との約束”を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷・秋田に帰る。
そこには、かつての想いで、少年たちと一緒に穏やかに暮らす室井の姿がーー 。
そんな中、室井の前に突如現れた謎の少女。彼女の来訪とともに、他殺と思われる死体が発見される。
そして明かされる、少女の名前は…日向杏。
シリーズ最悪の犯人と言われた猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘だという、衝撃の事実が判明する。
「とんでもない死体を見つけましたね、室井さんーー 。」
東北の山奥には似つかわしくない、おびただしい数の警察官、ヘリや警察車両ーー 。
「最悪」は何故室井慎次を狙うのか。
穏やかな暮らしを求めた室井のまわりに、再び、事件の影が迫りくるーー 。

(公式サイトより引用)

公開日

2024年10月11日

上映時間

115分

予告編

キャスト

  • 本広克行(監督)
  • 柳葉敏郎
  • 福本莉子
  • 齋藤潤
  • 前山くうが
  • 前山こうが
  • 松下洸平
  • 矢本悠馬
  • 生駒里奈
  • 丹生明里
  • 松本岳
  • 佐々木希
  • 筧利夫
  • 甲本雅裕
  • 遠山俊也
  • 西村直人
  • 赤ペン瀧川
  • 升毅
  • 真矢ミキ
  • 飯島直子
  • 小沢仁志
  • 木場勝己
  • 加藤浩次
  • 稲森いずみ
  • いしだあゆみ

公式サイト

室井慎次 敗れざる者

作品評価

  • 映像 
  • 脚本 
  • キャスト 
  • 音楽(BGM) 
  • リピート度 
  • グロ度 
  • 総合評価 

室井慎次の信念と挫折

©室井慎次 敗れざる者

正義を信じ、青島俊作(織田裕二)の強い信念に打ち抜かれ、青島たちと約束した理想を追い続けた室井慎次(柳葉敏郎)は、

約束を果たせず警察という組織を後にした。

ラストマイル 」のレビューで言及した、矜持(信念)とプライドと従属。

誰もが未来に向かって歩み進むために、必要な原動力と起動理由である。

「 踊る大捜査線 」は従属とプライドの跳梁跋扈に、矜持、信念で内敵に挑む物語でもある。

室井慎次も青島俊作も従属を拒否した。

そもそも、青島俊作はコンピューター会社の営業マンとして、“ させられていること ”に疑問を抱き、警察官に転職した変わり者。

室井慎次は警察官僚ではある。

東大出身と言われるが、その実は秋田県生まれの東北大学卒業。

東京大学卒業者が優遇される官僚社会の競争で、室井の活躍は常に妬みに曝されていた。

本流から外される可能性を冷静に受け止め、決して退かず諦めず挑み続けてきた。

そんな男でも、矜持は折られてしまう。

それが社会であり、閨閥(けいばつ)や学閥で閉塞された国家中枢本流に位置する組織の実情なのだろう。

「 生き続ける者 」での本格的なストーリー展開に期待

本作「 室井慎次 敗れざる者 」で描くのは、ドラマのクールでいうと第5話程度までで、

基本的な全登場人物の紹介と関係性、物語の主題を明確化させたように思う。

要するに、11月15日公開の「 室井慎次 生き続ける者 」で本格的にドラマは動き、スピーディーに展開されることを期待したい。

そして上記で全登場人物と言ったものの、こういった作品で重要な人物は、やはり最後の最後に登場する。

だからこそ、そのセオリーに期待を膨らませたい。

おかえりなさい、室井さん

室井慎次が警視庁捜査一課の監理官として青島俊作と出会って、ドラマ時間で約20数年。

レインボーブリッジ封鎖「 封鎖できなかったけどな」から彼らには紆余曲折あり、常に信念の枝葉を強制的に刈り取られながらも、雄々しく立ち続けた。

しかし、室井慎次は人と人の蔑みの環から離れた。

秋田県の片田舎で心を穏やかに鎮める生活を選ぶ。

さらに、警察の前例重視の結果から、弾かれてしまった孤児たちと共に小さな組織≒家族を育む生き甲斐を得ていた。

人の温かみと優しさで、自身の苛烈に蓋をして生きていこうとしていた。

ただ、心静かに生きたい男が選んだ集落の実情は、「 ヴィレッジ 」(2023)で提示されている閉鎖的な村社会と

地域権力者の意向によって支配される不条理が覆いかぶさってくる。

ミニマムな組織とその意志は高圧威圧的に排除されようとする。

また、人は生まれや育った背景や、その過程での理不尽を他者に対して行い、実効支配を画策し自己の存在意義と場を確立しようとする。

だがしかし、室井は警察組織内でセクト主義も従属も、プライドによる理不尽も裏切りも蔑みも、暴風のように叩きつけられながらも

退かず倒れず真正面から向き合ってきたのだろう。

だからこそ、受容し尊厳と敬意を老若男女に持って相対せるのだろう。

それでこそ室井さん。

それでこそ室井監理官。

おかえりなさい。

室井さん。

まとめ

多くの踊る大捜査線ファンが期待するだろう。

彼の再登壇を。

そして、彼との約束を!

僕は次作で期待したい。

彼が秋田県にヘリコプターで降り立ち、あの囲炉裏で室井さんと、その家族と一緒にきりたんぽ鍋をつつくことを。

「 あいつの背中を見てろ。俺は教えられた。組織の中で生きる人間こそ信念が必要だと。なんてな 」

執筆者

文・ライター:@LEDMAXI

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